まるみのあっちこっち巡り

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映画 天地明察

2012-09-25 00:24:42 | 映画(劇場鑑賞)
江戸時代、日本で初めての暦を作った安井算哲の物語。
本屋大賞第1位のベストセラー小説を「おくりびと」の監督が、
すごみのあるオタクが勢ぞろいする物語のメガホンをとりました。

碁打ちの名家に生まれ、運命的な出会いをし、
北極出地の旅に出て、一大事業のリーダーになるものの
勝負に負け挫折を知り、妻の支えもあり再生し、
命をかけて金環日食を言い当てた安井算哲。(後の渋川春海)

渋川春海の名には記憶がありますが、
挫折と失敗だらけの困難な日々を過ごし、
暦を作ったという事実は知りませんでした。

暦は日本人にとって大切なものでした。

800年も長き間、使い続けられていたものを
間違ってきたのも知らず、疑問も持たず、
使っている人が多い中、その誤りに気づき、
訂正できる人が存在したことが素晴らしいです。

きっとそういう役割を持って生まれてきたのでしょう。
算術の天才、関孝和もそれに気づき、
研究は進んでいたようです。
しかし、改暦を成功させたのは算哲でした。

素直で誰からも愛されるような性格の持ち主の算哲には、
水戸光圀、保科正之などの後ろ盾、恩師、上司、仲間、
愛する妻の献身的な支え、
周囲の人間に恵まれてもいたのです。

仕事を成功させる条件も揃っているうえに
天文学、数学、暦学、没頭するほどに大好きな学問、
それを活かせる仕事でもありました。

研究や観察は困難を極めましたが、
見事に改暦という大事業を成功させるのです。

どこかで諦めていたら成功はなかったのです。
戦がなくなり、真剣勝負がなくなった太平の世に
こんなにもオタク的な個性派人間がいた
江戸時代に興味のあるまるみです。

映画鑑賞後に書店で原作を買い求め、一気に読破しました。
1977年生まれの作者の時代小説は、親しみやすく読みやすいです。
原作を読むとなんと素晴らしいキャスティングと感心しました。

江戸時代の天文観測も碁も算術も知れば知るほど面白い。
歴史的には?も物語を興味深くさせるには必要かも。
映画はエンタテイメントですからね。

天文ゴールデンイヤーにふさわしい感動の映画でした。

シネリーブル池袋

2012.9.20
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