あまり詳細までこの場では公表を控えるが、昨日フリーフライト社で私が見た、藤原氏が開発した新インナーバッグはかなりすごいと感じた。
このインナーバッグを簡単に紹介すると、ヨーロッパ形式の長所とアメリカ形式の長所をうまく組み合わせた方法と紹介するのが妥当であろう。
はじめ見たときは、まったく今までみたことがない形に、さすがに少々驚いた。
ここで、インナーバッグのヨーロッパ形式とアメリカ形式について、念のため紹介しておこう。
ヨーロッパ形式のものは、別名「風呂敷き型」とも呼ばれ、キャノピー部とサスペンションライン部がいっしょに収納されている形式で、パラシュートを投げると、風呂敷き型のインナーバッグが開き、この二つが同時に開放されるものである。
対して、アメリカ形式のものは、別名「封筒型」とも呼ばれ、キャノピー部が封筒型の袋に入り、サスペンションライン部がその袋のサイドにある袋に別収納された形式のものである。
これらはそれぞれ長所、短所を持っており、どちらが優れているかは、正直結論を出せないでいた。
しかし、今回藤原氏が開発した新しいインナーバッグは、見事にこれらの違う形式のインナーバッグの長所だけを引き出せるような形状に設計されていた。
つまり、パラシュートの絡まりの可能性が極めて少なく、しかも、開傘も早い、今までにない安全性の高いインナーバッグということだ。
実際、藤原氏は私の目の前で、その新型インナーバッグの開傘をシミュレーションして見せてくれたが、実にスムーズに、そして、確実にパラシュートが出てくる。
最後には、キャノピー部が完全に開放される形になり、確かに、これならばサスペンションラインのからまりも発生せず、キャノピーの開傘もすばやく行える。
加えて、パラシュートもコンパクトに収納可能で、最近のハングハーネスのレーサータイプのように、パラシュートがハーネス内のバッグに押し込める形式の物でも、その小ささ故、抵抗なくスムースに取り出せそうだ。
実に見事なインナーバックである。
この日は、藤原氏の研究熱心さ、開発力に私は頭が下がってしまった。