最近ニュースで話題になっている「はやぶさ」。これは、やっぱりすごいことだと思う。
今まで、アメリカにやられっぱなしだった宇宙開発の世界で、ようやくアメリカを日本が超えた出来事だと私は思う。
そもそも、いろいろなところに探査衛星は打ち上げられているが、その星のものを採集し、地球に帰ってきたものは結構少ない。
しかも、月以外の天体から小惑星のサンプルを持って帰ってこれたのは、はやぶさだけである。
簡単に「もって帰ってくる」と今まで言っていたが、このことは、実はとても技術的に困難なことである。
なぜならば、ロケットを上げる基地(射場)と同じものを、行った先の星で準備し、そのまま再打ち上げをしないといけないからだ。
だからこそ、「はやぶさ」は凄いのである。
このような技術的に困難なミッションを実現するため、はやぶさは、イオンエンジンが使用されていた。
このエンジンは、簡単にいうと、一般的な化学反応で得られるエネルギーを使うのではなく、イオン化させた物質(今回はキセノン)を、強力な電界で加速させ、その反作用で推力を得るエンジンである。
実際に見たことがあるが、なんだかスピーカーのような形をしたエンジン。大きさもそのくらい。
エネルギー効率が良いので、「はやぶさ」のような長距離を移動するミッションをこなすには、この「イオンエンジン」が必要だったのだろう。
とにかく、今回の「はやぶさ」のミッションの成功は、航空宇宙の分野で二の足を踏み続けていた日本にとって、とても誇らしい出来事だと思う。
そもそも、太平洋戦争に負けたときから、高度に発達した日本の航空技術にアメリカは警戒し、約8年、日本での航空産業を一切禁止した歴史がある。
このことが原因で、日本はアメリカに対し、航空宇宙の分野で大きな遅れを取ってしまっていたが、今回の「はやぶさ」の成功は、そんなアメリカに対し、一泡吹かせてやった「痛快感」を私にあじあわせてくれた出来事だと思う。