Kodak DC4800
’08/05/13の朝刊記事から
ミャンマー 救援難航 軍政認める
複数地域、物資投下のみ
【シンガポール12日斎藤正明】ミャンマー軍事政権は12日、サイクロン被災地の中で、救援要員を派遣できていない複数の地域があることを明らかにした。
軍政が救援の難航を認めるのは異例で、被災地の深刻な状況があらためて浮き彫りになった。
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AFP通信によると、軍政のソー・タ経済開発相は12日の国営紙で、救援要員を送れない地域が複数あると述べ、冠水でヘリコプターも着陸できず、物資を投下するにとどめていると説明した。
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人的救援のない地域の孤立化が続けば、感染症の流行などの被害が広がる虞が高まる。
救助関係者は軍政には被災地の全域を救援できる能力はないと指摘しているが、経済開発相は、国連などからの要員派遣を拒否する従来の見解を繰り返した。
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一方、ヤンゴン国際空港では同日、米国から初めての救援物資が、C130輸送機によって運び込まれた。
浄水セットや蚊帳、毛布など約12トン。
軍政は当初、民主化勢力を支援する米国からの救援を認めていなかった。
米国は、深刻な被害を受けたイラワジ川の河口デルタ地帯で、海軍艦艇やヘリコプターによる救援活動を打診しているが、軍政は拒否している。
’08/05/12の朝刊記事から
死者2万8千人に ミャンマーサイクロン
【バンコク11日共同】ミャンマー軍事政権は11日、国営テレビを通じ、同国を襲ったサイクロンの死者が2万8千人を超えたと発表した。
これまで伝えられていた死者は約2万3千人で、約5千人増加。
現地では衛生状態の悪化などが指摘されており、感染症の流行などで犠牲者はさらに増加する虞もある。
国営テレビが同日伝えた死者数は2万8千458人、行方不明者は3万3千416人。
一方、国連緊急援助調整官室(OCHA)は、被害が最もひどかったエヤワディ管区などの調査の結果、行方不明者は約22万人に上る可能性があるとしている。
被災者は最大約190万人と推定しており、軍政側の発表とは大きく差が開いている。
’08/05/10の朝刊記事から
国連援助物資を押収
ミャンマー軍政「自ら届ける」
【バンコク9日共同】世界食糧計画(WFP)は9日、WFPによりヤンゴンに空輸されたサイクロン被災者への国連援助物資を、ミャンマー軍事政権が押収したことを明らかにした。
AP通信が伝えた。
WFPは同日、問題解決まで援助物資の空輸を中断すると発表したが、その後、10日の空輸については予定通り実施することを明らかにした。
押収された物資の取扱については、軍政との協議を継続するとしている。
APによると、軍政はWFPの主張は「根拠のない非難」と反論するとともに、援助物資はあくまでも軍政の手で被災地に届けると強調、救援活動への国際機関や外国の関与を拒絶する姿勢を示した。
被災地に援助物資が十分に行き届いていない中、救援がさらに遅れるのは必至だ。
押収されたのは、ヤンゴンの空港に運び込まれたビスケット38トンなど。
WFPは、8日からミャンマーへの物資輸送を始めているが、申請している国外職員10人の入国査証(ビザ)は発給されていないという。