
Kodak DC4800
’08/03/27の朝刊記事から
ダライ・ラマ首謀説「一方的」 チベット暴動で民主運動家ら
中国国内でも政府批判
【北京26日高山昌行】チベット民族による暴動への対応をめぐり、中国政府に対する抗議行動が世界各国に広がる中、国内の民主運動家からも政府批判の声明が相次いでいる。
暴動を「チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ(14世)集団による犯罪」とする政府見解に、国内からも疑問符が付いた形だ。
民主派作家劉暁波氏や王力雄氏ら23人は「非暴力の原則に基づいて民族の争いを解決し、中国政府は暴力的な鎮圧を即停止すべきだ」とする声明を発表した。
声明は、ダライ・ラマ14世を「暴動の首謀」とする中国メディアの報道は「一方的だ」と指摘。
特に「ダライ・ラマはけさを着たおおかみであり、人面獣心の悪魔だ」と発言したチベット自治区トップの張慶黎・同区共産党委書記を「民族間の対立をあおり、中国政府のイメージを低下させた」と厳しく批判した。
さらに、暴動が四省に拡大したことを問題視。
「政府の少数民族政策が誤りであったことが証明された」と強調した。
王氏はまた、香港誌のインタビューで、ダライ・ラマ非難の強制はチベット僧にとって「父親をののしるよう仕向けられる以上にひどい恥辱だ」と指摘。
政府のダライ・ラマ非難が問題の根源として、14世の帰還を認めるべきだと主張した。
一方、故趙紫陽・元共産党総書記の秘書だった鮑彤(ほうとう)氏はロイター通信を通じ「中国政府はダライ・ラマ14世と対話して問題を解決するべきだ」との声明を発表した。