’08/03/26の朝刊記事から
「周知不十分でCO死」
苫小牧の遺族 トヨトミを提訴
苫小牧市のアパートで2006年12月、7人が一酸化炭素(CO)中毒死した事故で、遺族2人が25日、COの発生源とみられる灯油温風機を製造した「トヨトミ」(名古屋)を相手取り、総額約8千万円の損害賠償を求める訴えを札幌地裁に起こした。
訴えたのは、事故で長女=当時(5つ)=を失った苫小牧市の女性(25)と、3女=同(25)=を失った日高管内の女性(58)。
訴えによると、この事故では、同社が「トヨストーブ」の商品名で製造した「LCR-3」型が使用中に不完全燃焼し、CO中毒を引き起こした。
遺族側は、この機種では同様の事故が相次いでいたにもかかわらず、「トヨトミが行った危険性の周知は、チラシ配布や新聞広告などだけで不十分だった」と、同社に周知義務違反があったと主張。
さらに、今回の事故当時、総販売台数の約9%が未回収・未交換だったとして、回収義務違反があったとしている。
原告代理人の市川守弘弁護市によると、この事故では廃棄物だった温風機を拾って使用していた可能性が高い。
遺族は「今後、同様の事故が起きないように、トヨトミには問題の機種を全て回収してほしい」とコメントを出した。
トヨトミは「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。