’08/06/15の朝刊記事から
基本条約 アイルランド否決
EU統合 新たな危機
欧州連合(EU)の新基本条約「リスボン条約」が、12日にアイルランドで行われた国民投票で批准を拒否され、EUは新たな危機に陥った。
重要な局面で市民の「反乱」に遭い、EU統合の動きが一時停滞を余儀なくされるのは今回が初めてではない。
だが、2009年は欧州議会選挙、EUの執行機関である欧州委員会の改選が予定される節目の年。
目標だった同年1月に条約がすんなり発効できなくなり、EUの新たな形が完成する時期は先送りされることになった。
市民「反乱」 発効阻む
リスボン条約の目玉は、欧州理事会常任議長(EU大統領)の創設、意思決定の迅速化などの新機軸。
27カ国体制に拡大したEUが、さらなる拡大を目指す上で、効率的な運営を図るためのよりどころとなる。
EU大統領は、域内から見ても分かりにくかったEUの顔となる。
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