小樽運河の脇にある小樽運河プラザで、思わぬ時間ロス?をしてしまいました。
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この建物は旧小樽倉庫【小樽市指定歴史的建造物・第13号】の一部です。
明治23年(1890年)に建造された石造りの倉庫で、明治27年までに増築され、現在に至ります。
現在は運河プラザと、小樽市総合博物館分館「運河館」となっています。
運河館は後章で訪れます。
運河プラザから運河沿いの大通りを渡れば、運河散策の出発地・中央橋です。
橋のわきには、運河クルーズの船着場がありますが、私はこれには乗らず、運河脇にある遊歩道を歩いていきます。
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中央橋から見下ろした小樽運河。
現在の幅は約20メートルですが、かつての幅は40メートルでした。
運河の本来の役割を終えてしまっていた昭和50年代後記、交通渋滞緩和のために運河沿いの道路・「小樽臨港線」の拡張のため、運河は埋め立てられました。
埋立てでできた用地のうち半分は道路、もう半分は遊歩道が造成され、小樽運河は観光地として生まれ変わりました。
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最初の倉庫は、北日本倉庫港運の倉庫です。
運河沿いにある倉庫群は、現在倉庫としては使われていません。
ちなみに北日本倉庫港運は、現在も存在する株式会社です。
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次は旧篠田倉庫【小樽市指定歴史的建造物・第63号】。
周りの倉庫と比べると頭ひとつ高い倉庫で、木骨煉瓦造りの壁が特徴的な、倉庫群の代表ともいえる存在です。
大正15年(1925年)に建築され、現在は海越という飲食店が営業しているようです。
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扉に「大同倉庫」と大書してありますが、大同倉庫は運河よりもさらに海側に本社を構えています。
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おとなりは旧小樽倉庫。
小樽倉庫という会社は現在も存在していますが、こちらも倉庫としての役割は終えています。
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現在は、運河から見て左半分が小樽ビール醸造所、右半分がびっくりドンキー 小樽運河店になっています。
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ラストの2棟は、旧澁澤倉庫。
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望楼のある左の倉庫と、青緑の屋根が特徴的な右の倉庫。
いずれも現在は飲食店となっています。
遊歩道の終点・浅草橋までやってきました。
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振り返ってみると、運河がやや屈曲していることがわかります。
この屈曲も、小樽運河の魅力のように思えます。
普通、運河は土地を掘り進んでできるものです。
しかし小樽運河は、海を埋め立てて用地を造成し、その結果水路となったのです。
そのため運河自体が曲がっているのは、もともとの海岸線の跡だからなのです。
晴天に映えるレトロな倉庫群。
これを映し出す運河の水鏡。
思わず「いい画だねぇ」「来て良かったねぇ」とつぶやく私・・・。
今度はきっと、ふたりで来よう。