8年前は入学すら許されなかった足利学校。
学校の門戸は開け放たれ、私は無事に入学できたのでした。
入学できたとあらば、今度は無事に卒業しなければなりません。
学校の勉学の場であった方丈にて・・・
卒業試験を受けるのです!
問題一 漢字には、音と訓の二つの読み方があります。
次のア~トの音をひらがなで( )内に記入しなさい。
音がない場合は、( )内に×を記入しなさい。
ア、山( ) イ、川( ) ウ、草( ) エ、木( ) オ、森( )
カ、雪( ) キ、組( ) ク、犬( ) ケ、麦( ) コ、屋( )
サ、笛( ) シ、戸( ) ス、林( ) セ、炭( ) ソ、糸( )
タ、札( ) チ、束( ) ツ、耳( ) テ、竹( ) ト、肉( )
問題二 次のア~トの訓をひらがなで( )内に記入しなさい。
訓がない場合は、( )内に×を記入しなさい。
ア、雨( ) イ、右( ) ウ、円( )い エ、月( ) オ、子( )
カ、夕( ) キ、千( ) ク、先( ) ケ、土( ) コ、遠( )い
サ、会( )う シ、楽( )しい ス、記( )す セ、市( ) ソ、社( )
タ、太( )い チ、直( )す ツ、売( )る テ、歩( )む ト、育( )つ
問題三 次のア~コの十字形(※原文ママ)の中央の□に、ある漢字一字を入れ、
上下左右(※ここも原文ママ)の矢印の方向に読むと単語ができます。
例を参考にして、□に一字を記入しなさい。
(例)最・夢 → □ → 央・心
上の□に「中」を入れると、「最中」「夢中」「中央」「中心」になります。
ア、選・苦 → □ → 芸・紙 イ、天・長 → □ → 神・王 ウ、風・水 → □ → 輪・窓
エ、役・注 → □ → 前・的 オ、木・起 → □ → 場・案 カ、見・絵 → □ → 立・気
キ、作・注 → □ → 化・集 ク、満・遠 → □ → 音・場
ケ、親・級 → □ → 人・達 コ、早・明 → □ → 日・顔
問題は50問で各2点、100点満点となっています。
60点以上80点未満で「初段」、80点以上で「二段」とされているようです。
さて私は・・・
100点中94点! 合格!
私が間違えてしまったのは、音読み&訓読み問題です。
漢字の読み方が音読みか訓読みかということは、小学校を卒業して以降は気にも留めませんでしたからね。
いや、小学校の時でさえ音読み訓読みの区別は、それほど意識してなかったかも・・・。
まずは「戸」の音読み。
普通の読みは「と」だけど・・・他には読み方はなかったはずだよなぁ? だから「と」は音読みだ!・・・というのは誤りです。
「戸」は、「と」の他に「へ」とも読みます。青森県の八戸(はちのへ)のように。
しかし「と」「へ」はともに訓読みなのです。
「戸」はさらに「こ」とも読みます。戸籍(こせき)のように。
そして「こ」の読みが音読みとなるわけです。
次は「夕」の訓読み。
普通の読みは「ゆう」ですが、これを音読みと勘違いしてしまいました。
「夕」は「ゆう」の他に「せき」とも読みます。一朝一夕(いっせき)がいい例です。
私はすっかり忘れていた「せき」の読みが音読みで、「ゆう」は訓読みとなるわけです。
最後に「千」の訓読み。
「千(せん)」に限らず「一(いち)」「二(に)」といった数の呼称は、意外にも音読みであることは知っていました。
「一」は「ひと(つ)」、「二」は「ふた(つ)」といった呼称もあり、これが訓読みであることからも察しがつきます。
しかし「千」は・・・???
なので「千」に訓読みはない!と考えたのですが、これは間違い。
「千」は「せん」の他に千葉の「ち」という読み方があります。
そして意外なことに、この「ち」が「千」の訓読みになっているのです。
問題三はパーフェクト! まぁ、当然ですな。
これでも大学出てますから。
私の点数は94点なので、文句なしの卒業!といった感じですが・・・
足利学校の方針は「自学自習」で何年制という定めはなく、自分自身が納得いくまで学んだら卒業ということになっていたそうです。
なので点数の多い少ないに関係なく、自分はこのとおり音読み訓読みの復習をして納得いくまで学んだので、足利学校を卒業いたします!
勉学に勤しんだ学び舎を後にします。
校舎の南庭園を眺めた後、
歴代校長の墓を詣で、
旧足利学校遺蹟図書館【足利市指定文化財】でさらに学問を深め、
足利学校を後にしました。
振り返ると、学校は新入生を多く迎え入れていました。
日本100名城登城の旅・第20弾~「東武鉄道で行く両毛城めぐり」第9話へ続く。
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