俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

虫取撫子

2012-06-20 | 俳句・夏・植物


虫取撫子石積塀の前にかな

ナデシコ科の一年草。ヨーロッパ南部原産。日本には江戸時代末期に渡来。観賞用に栽培されたが、現在は野生化している帰化植物。五~八月頃、茎の先端に淡紅色の小さな五弁花を多数つける。茎から分泌される粘液に小さな虫がつくことからこの名がついたが、食虫植物ではない。農家の茶色い石積塀の前に虫取撫子が無造作に咲いていた。ピンクの花がなんとも愛らしかった。

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糸作り




韓国南部地方の屋敷


土壁造の農家


竹籠作り





乳色の雲広がりぬ小町草


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蛇苺

2012-06-19 | 俳句・夏・植物


木を積みし荷車ありぬ蛇苺

バラ科の多年草。道端や野原に多く見られる。四月頃、黄色い五弁花を開き、初夏に小さな赤い実をつける。毒はないが、旨くない。韓国民俗村に行った。各地方の昔の藁葺の農家や官庁、両班(ヤンバン)の家などが広い敷地の中にあり、自由に見ることができる。ある農家の藁葺の小屋の前に蛇苺が生っていた。その傍に木材を積み藁で覆った荷車が置いてあった。

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蛇苺道白かりし韓の村


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萱草の花

2012-06-18 | 俳句・夏・植物


萱草や昌徳宮の裏庭に

ユリ科の多年草。野萱草(一重)は原野など、藪萱草(八重)は人家に近い堤や道端などに自生。夏、花茎を伸ばし、その頂に黄赤色の百合に似た花を数個咲かせる。一日花。別名「忘草(わすれぐさ)」はこの花を持っていると憂いを忘れるという中国の故事からきているという。韓国には大きな王宮が三つ四つあるが、その一つ昌徳宮の大造殿の裏辺りに野萱草が咲いていた。宮殿にしては花の美しく咲く庭園などはなかった。

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昌徳宮敦化門(正門・1412年建立)


仁政殿(正殿・国家の儀式を行った所・1405年建立・1610年再建)


仁政殿内部(玉座)


大造殿(王妃の生活の場)


大造殿の美しい軒



王宮も今は昔や忘草


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忍冬(すいかずら)の花

2012-06-17 | 俳句・夏・植物


韓の地の古き家並やすひかづら

スイカズラ科の蔓性常緑低木。山野に自生し、庭のフェンスなどにも植えられる。五~六月頃、葉の腋に芳香のある筒形の花を二個ずつ開く。初めは白または淡紅色の花で、数日後には黄色に変わる。子供たちが花の蜜を吸って遊ぶところから「吸葛」と呼ばれ、枝葉が冬も萎れないので「忍冬」と名づけられた。韓国のソウルを初めて旅行した。北村韓屋村という坂がかったところに、伝統家屋の残る一画が存在した。高い石塀、しっかりとした木の門、瓦の屋根など韓国風の建物群は静かなたたずまいを成していた。その一軒に忍冬の花がまだ咲き残っていた。(「続きを読む」に家の写真を載せておきましたので、ご覧下さい。)

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忍冬や思案顔して坂上り


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夏の川

2012-06-16 | 俳句・夏・地理


広き野に音立ててこそ夏の川

夏の川にもさまざまな表情がある。山間を涼しく流れる川、子供たちが水遊びをしている川、都会を流れる川と、時間や場所により趣が異なる。広い平地の中を夏の川が流れていた。川音高く流れていて、夏の川らしかった。

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夏川に足浸さむか蕪村めき


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