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俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

南天の実

2018-12-21 | 俳句・冬・植物




人に道訊いてわかりぬ実南天




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メギ科の常緑低木。







晩秋から冬にかけて茎の先に小球状の赤い実が熟す。

そのため、秋の季語とする歳時記と、冬の季語とする歳時記

とがある。







白い実のものもある。







白河の関から一町の所に(伝)一町仏があるというので歩い

たが、入る路地が分からず人に訊いた。

教えられた通りに行くと、分かりにくい小さな表示の路地を入

り、人の家の庭のようなところを通った。

そこに南天の実が真っ赤に熟れていた。







畑道を通って行くと道が無くなっていた。

やむを得ず滑りやすい山の急斜面を登ると、すぐにコンクリ

ートの柱に囲われた石碑が見つかった。

一番右の小さな石碑が「一町仏」と伝えられてきた中世の

供養塔で、阿弥陀如来を表す梵字「キリーク」が彫られている

という。






中庭に白南天の活けてあり




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冬木の桜

2018-12-20 | 俳句・冬・植物


楽翁桜


黒々と天に冬木の桜かな




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葉の散りつくして枯木となった桜をいう。







花をいう「冬桜」ではない。







花時の華やかさを内に秘めた桜の枯姿に、古来俳人は趣を

感じてきた。




おとめ桜



小峰城跡に、本丸の石垣を積む際、人柱とされた娘の霊を

慰めるために植えられたおとめ桜も、冬木の桜となっていた。







逆光で見ると、冬木の桜は天に黒々と影絵のようになって

いた。




猪苗代湖畔の天鏡閣にて


白銀に凜と冬木の桜かな




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初氷

2018-12-19 | 俳句・冬・地理




御社の天水桶や初氷




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その冬初めて張った氷をいう。




南湖神社



気象台では、直径20センチの金属盥の蒸発計の中の水の

凍結によって結氷を観測するそうである。







初氷の観測された日を結氷初日、春、最後に氷の観測され

た日を結氷終日という。




翠楽苑の池



結氷初日から結氷終日までが結氷期間ということになる。







南湖神社を参拝すると、天水桶に氷が張っていた。

急に寒くなったので、初氷と見た。




小峰城跡の濠


一面に城址の濠の初氷




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雪吊

2018-12-18 | 俳句・冬・人事




そこここの雪吊の苑私す




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庭木などの枝が雪の重みで折れるのを防ぐため、幹に沿っ

て一本の支柱を立て、縄を八方に張り渡して枝を吊ったもの

をいう。







南湖近くの翠楽苑を訪れた。

ここは、白河藩主松平定信によって作庭されたもので、松楽

亭には茶室がある。







茶室では呈茶を受けられ、庭を眺めながら、練り菓子と抹茶

をいただいた。

 





晴れると、雪吊の一本一本の縄がはっきりと見えて、青空を

バックに美しい姿となる。







苑にはあちらこちらの木に雪吊がなされていた。

誰も客が入ってこなかったので、雪吊の庭園を独り占めでき

た。






茶室より見ゆる雪吊数へけり




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菰巻

2018-12-17 | 俳句・冬・人事




束の間の朝の日差しや菰巻に




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「菰巻」は、江戸時代から大名庭園で行われてきたとされる

害虫駆除で、マツカレハの幼虫を除去する方法の一つを

いう。








これに対し、「藪巻」は雪折れのおそれのある低木や竹など

を、むしろや縄で巻いて損傷を防ぐものをいう。







松の木に短い幅で巻かれているのが菰巻で、低木などの

上から下までぐるぐる巻きになっているのが藪巻なので、

混同しないようにしたい。







福島県白河市の南湖を訪れた。

湖の水は工事のため抜かれていて、涸れた湖のようになっ

ていた。







その湖畔の松に菰巻がされていた。

初めは曇っていたが、束の間の朝日が菰巻に差していた。






菰巻の松の連なる湖畔かな




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