新松子犬に曳かるる男ゐて
その年新しくできた松毬をいう。
卵形で青々としている。
初めは鱗片を固く閉ざしているが、やがて木質化して松ぼっくりとなり、開いた鱗片から種をこぼす。
緑道の松に新松子が生っていた。
その下を犬に曳かれながら男の人が散歩していた。
夕暮の川面眩しや新松子
新松子犬に曳かるる男ゐて
その年新しくできた松毬をいう。
卵形で青々としている。
初めは鱗片を固く閉ざしているが、やがて木質化して松ぼっくりとなり、開いた鱗片から種をこぼす。
緑道の松に新松子が生っていた。
その下を犬に曳かれながら男の人が散歩していた。
夕暮の川面眩しや新松子
鍔下げて走るは女人竹の春
竹は筍の生える四月から五月にかけて栄養分が奪われ、親竹は生気を失う。
それが秋になると回復し、緑鮮やかな葉を茂らせる。
この状態を「竹の春」という。
秋になって、あたり一帯の草木が色づいてくる頃であるだけに、竹の葉の緑は一層新鮮に感じられる。
篁は青々として竹の春となっていた。
その下を、帽子の鍔を下げてジョギングして来るのは女性であった。。
晴れ渡る竹春の川堤かな
仙人草下校生らとすれ違ひ
キンポウゲ科の多年草。
山野に自生する。
九月頃、葉腋に白色の花を多数つける。
四枚の蕚片が白色花弁状で十文字状に開く。
花弁を欠き、中央に多数の雄蕊と雌蕊がある。
実の白毛を仙人の白髪に見立ててこの名がある。
有毒だが、葉や根は鎮痛、利尿剤として利用する。
仙人草は季語にはなっていないが、真っ白い花が美しく、よく見かけるので、ちなみに詠んでみた。
仙人草が連なって咲いている所があった。
その前の道を下校する中学生達とすれ違った。
仙人草そぞろ歩きをしてをれば
相撲草抜く子もをらぬ野原かな
イネ科の一年草。
日当たりのよい路傍や野原に自生する。
日本名は雄日芝。
根が強くて抜き難いことから「力草」とも呼ばれる。
子供がこの穂の茎を絡み合わせて引っ張る遊びをするところから、「相撲草」「相撲取草」の名がある。
相撲草が群生している野原があった。
昔はこの草で子供が遊んだが、今はそんな遊びを知る子もおらず、野原にはこの草を抜く子はいなかった。
小走りをすることもあり力草
夕べには光る芒となりにけり
秋の七草の一つ。
イネ科の大型多年草。
日当たりのよい山野、土手、荒地などに自生する。
秋、稈頭に中軸から多数の枝を広げ、黄褐色か紫褐色の花穂を出す。
花穂が開くと白い獣の尾を思わせるような形となり、尾花と呼ばれる。
十寸穂(ますほ)の芒は十寸(約30センチ)もあるもの。
真赭(まそほ)の芒は穂が赤みを帯びて輝いているもの。
縞芒、鷹の羽芒は葉に白い模様がある。
芒が固まって穂を出していた。
夕方になるとその穂が夕日に光っていた。
ジョギングコース脇の芒の吹かれをり