CSの時代劇専門チャンネルで録画した「天狗党」を見ました。幕末の歴史に興味が無く「天狗党」が何だか知らない人はどっかで調べて下さい。
この映画は1969年11月に劇場公開されたもので、カラーだし映像も結構綺麗でした。私は吉村昭先生の「天狗争乱」を読みまして大変面白かったので、この映画も楽しみにして見たのですが特に天狗党がどういうものでどういう末路を辿ったということはあんまり関係ないストーリーですね。
まぁそれもそのはずで、映画の方は<三好十郎の戯曲「斬られの仙太」を、「刑務所破り」の高岩肇と、稲垣俊が共同脚色し、長編記録映画「ベトナム」の山本薩夫が監督した、幕末を背景にしたアクション時代劇>ということなので、別に吉村昭先生の小説が原作でもなく、主役はあくまでも「斬られの仙太」ですので。
吉村作品というと「長英逃亡」「彰義隊」「桜田門外の変」など逃避行物がウリです。「天狗争乱」は逃避行というのとは違いますが、終盤の行き詰まりと組織自体の迷走状態がすごく面白かったのですが、この映画は最後がさらっとしてましたので拍子抜けしました。
結局天狗党をテーマに映画を作ったというだけで、その旗揚げの経緯と末路にはあんまり拘りはなかったのかも。とはいえ「天狗争乱」のストーリー自体をかなり忘れている自分に愕然としたのでした。何がどうかといって登場人物多いですし。もう一回読んでみましょうか。