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1986年の「六本木純情派」はバブル期だっただろうかと考えた話

2021年10月02日 | TV番組レビュー
 
 数年前に大阪の高校のダンス部が、荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」をバブル期に流行ったような衣装で踊り、「バブリーダンス」として話題になってました。ただ、その時には「この曲は1985年発売なので、実際はバブルよりかなり前」という指摘が各方面からあったと記憶してます。いうなれば、大阪夏の陣を描いたドラマでアームストロング砲をぶっ放すようなもんです。

 そして、今週のNHK総合テレビ「日本人のおなまえ」で、今度は「六本木純情派」を取り上げてたわけですが、その際に「バブル景気に沸く1986年」と出てきてモヤモヤしたわけです。

 Wikipediaによると、バブル景気とは「1986年12月から1991年2月までの51か月間に、日本で起こった資産価格の上昇と好景気、およびそれに付随して起こった社会現象とされる」とのことです。

 それを考えると1986年10月発売の「六本木純情派」が流行った頃はバブル景気と言えないこともないのですが、同じくWikipediaには「多くの人が好景気の雰囲気を感じ始めたのは1987年10月19日のブラックマンデーを過ぎた1988年頃から」とありますので、画像のように1986年にバブル景気で世間が沸いてたというのは違うなあと思います。

 もっとも、私は1986年の4月に就職してすぐにトーホグに赴任し、バブル全盛期には岩手とか青森に住んでたので都会の方々が楽しんでたようなリアルなバブルとは無縁。主に雑誌で都会の様相を見て、世間一般の文化的なものとして「バブルやなあ」と感じてました。

 それでその当時、私がバブルだと思ったのは以下のような感じ。

・カローラまで装備が豪華で高級車になった。
・よくわからん職業の人が妙に羽振りが良い。
・誰でも恋愛エッセイの本を出してそこそこ売れる。
・海外アーティストがやたらと日本のヒット曲をカバーする。
・ドラマ「クリスマス・イヴ」に象徴される、見かけを気にする恋愛至上主義。
・いきなり映画監督になる人が多い。
・株で儲けた人が本を出すと売れる。

などなど。

 よくわからん職業というのは、○○プロデューサーとか××クリエイターとかいうの。空間プロディーサーとかいうのは、何をする人か今もよくわかりません。

 恋愛エッセイは、当時私も柴門ふみの本を買って「ふむふむ」とか思ってましたから、完全にバブルに乗せられてました。それで、あの本を読んでもモテないというのは身を持って証明できました(?)。永尾カルビとかも流行りましたよね。そっちは読まなかったけど。

 音楽ではA.S.A.Pというアメリカの女性コーラスグループがユーミンのカバーをやってて、それは1990年の発売。私としてはあれがユーミン本人よりもバブルの象徴として記憶されています。また、レイ・チャールズがサザンの「いとしのエリー」をカバーし、「エリー・マイ・ラブ」として発売したのは1989年。

 そして当時スポーツ新聞で見た記事。レイ・チャールズが来日公演をやったら当然場内は満員。が、初日にこの曲をやらなかったため観客がザワザワとしたため、プロモーターが慌ててCDを聞かせて思い出させ、翌日には歌ったと。元々CMの企画だったので、本人がカバーしたくてやったわけではなかったのしょうね。その辺がバブル臭いと。

 で、いきなり映画監督になったのはビートたけし(1989年)、桑田佳祐(1990年)、小田和正(1991年)など。映画はお金かかりますけど、スポンサーが沢山いたのでしょう。

 そんなこんなですが、当時まだ生まれてなかった若い子に、上記のような事を紹介すると「楽しそう」と思うかもしれませんね。そういう人達にバブルの功罪を経済現象として語ることは私にはできませんが、「ダンシングヒーローも六本木純情派も、実際にはバブル期ではなかった」ということは言っておきましょう。