生き物好き気象予報士&理科教員、公認心理師・金子大輔(金兵衛)のブログ~通り雨の旅路~

拙著10冊目出版、ぜひ読んでね!おかげ様で19年続いている老舗ブログです。

本物の地獄を見たことがある人間は違う

2024-01-11 | 音楽・文学・美術・芸能

この前、2023年トップに挙げたい小説に
出会ったという記事を書いた。
https://blog.goo.ne.jp/cameleotino/e/4037f50883adc5f7b1070ca700e7c8aa

だが2024年に入ってまもなく、2024年トップになるのではないか
という小説に出会った。


https://amzn.to/3ScUNpP

あの中山七里先生のデビュー作である。
注意点としては、クラシック音楽や音楽理論の
基礎知識がないと、ちょっと退屈なところが多いかもしれない点。
反対に音楽好きであれば、音楽小説としても愉しめる。

ジャンルとしては、「スポ根+ミステリー」といったところ。

年末のブログで、昭和的ド根性論を反省したりもしたけれど、
それでもド根性って、やはりどこか日本人の心を鷲掴みにするものがある。
https://blog.goo.ne.jp/cameleotino/e/510a37c1ed17faf870231769c17478eb

人生に一度でも、ド根性で修羅場に立ち向かった人は、
やはり深みが違う。少し話すとわかる。『胡散臭さ』がない。

企業が高学歴者を好むのも、こうした理由だろう。

※ただ受験勉強は「向き・不向き」が結構エグくて、
軽いジョギングレベルの勉強で
東大理三をクリアするツワモノがいる。
このタイプは、理三以外ならノー勉に近い状態で
入ってきてしまうので注意が必要だ。


「ド根性で修羅場に立ち向かう」というのは、
なにも形に残る実績が残ることばかりではない。

たとえば、最重度のうつ病を乗り越えた、
といったものもあるだろう。

誤解されやすいが、
重度のうつ病では、意外に自殺しない。
治りかけや軽度のうちのほうがはるかに危険だ。

論理的に考えてみるとわかるが、
自殺するのって相当面倒くさい。かなりの行動力を要する。
重度のときは、自死を実行する気力なんて、とてもないのである。

だからこそ、うつ病を乗り越えた実績は他人から見えにくい。

でも、本物の地獄を見たことがある人間は、
意識しなくても、インフレのごとく人間的にレベルアップしているのだ。
自信を持つべきだと思う。

と、またまた昭和的な価値観の記事になってしまったが、
若いときに本当の地獄を見ておくのも悪くはないと思う……――
そんなことを考えさせられる一冊であった。


ただ、中山先生~!😭
単語の使い方の大ミスで一つの場面を台無しにしている。
公園の情景を描くところで「家族連れやアベックが……」という件があるが、
特別な意図なく「アベック」なんていう単語を使ったら、情景がぶち壊しだ……。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 被災地の悲惨なトイレ事情 | トップ | 【2024年1月13日】東京・千葉... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

音楽・文学・美術・芸能」カテゴリの最新記事