兵庫県加東市上鴨川住吉神社で10月の第1土曜、日曜に行われる神事舞を初めて
見学させていただいた。但し、2015年10月4日、日曜日の昼宮のみの見学。
当日、9時に現地についた為、まず播州清水寺を見学に行ってから10時40分頃
上鴨川住吉神社に戻ってきた。
本題に入る前に上鴨川住吉神社について簡単に触れておきます。
上鴨川住吉神社の基本情報
住所:兵庫県加東市上鴨川571
TEL:0795-48-0995(加東市観光協会)
0795-43-0530 (加東市地域創造部商工観光課)
御祭神:住吉三神= 底筒男命(そこづつのおのみこと)
中筒男命(なかづつのおのみこと)
表筒男命(うわづつのおのみこと)
息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)=神功皇后
創建:創立年月は不詳だが本殿の墨書より正和5年(1316)造営の記載
永享6年(1434)再建 明応2年(1493)再々建
現在の本殿は明応2年のもので貞享3年(1686)向拝部の修理を実施
上の写真は現地の説明板です。
上の写真は文化財として指定されているものを整理記述した現地の説明板
Goo地図はこちら
上の写真は右手が割り拝殿 左手が国の重要文化財に指定されている本殿
本殿は昭和35年6月9日に国の重要文化財指定をうけ、昭和45年1月から
昭和45年12月にかけて解体復元修理が施された。
上の写真は本殿のアップで木鼻などが約700年前の形跡を留め貴重な遺構である。
上の写真は午前9時頃の拝殿。関係者以外の人はまだ少ない。
上の写真は10時40分頃の拝殿でカメラマンが多く神事舞が始まるのを待っている。
正面の鳥居の背後に割り拝殿、右手は盃ごとが行われる長床。
上の写真は舞堂。宵宮の時は幕が無い状態で笛や太鼓の演奏と唄が披露されるようです。
上の写真は境内の摂社で右手より稲荷神社、春日神社、大歳神社、賽ノ神神社
それでは本題の国重要民俗文化財に指定されている神事舞の話題に移ります。
盃ごとが11時前に始まり下記の神事舞が奉納されます。
ホントウ
太刀舞(リョンサンの舞)
獅子舞
田楽
扇の舞
高足
能舞七番(七番の翁舞)
・いど
・萬才楽(万歳楽)
・六ぶん
・翁
・たからもの(宝物)
・くわじゃ(冠者)
・父の尉
・(巫女の舞)
神の相撲(宮座に入れない祇園座の子供達により奉納)
餅まきが16時過ぎから始まりお開きとなります。
上の動画は盃ごとの場面です。
割拝殿と舞堂の間に盃ごとが行われる長床があります。長床には枝豆2枚と
御供2個を載せた打割が置かれ、上座には年寄の横座、副横座、神主、禰宜、区長
などが座し、順番に盃が振舞われます。
下座には左右両座の年寄、清座、若い衆が座して饗宴が行われます。
順序が逆になってしまったが、住吉神社の祭祀組織は7~8歳以上長男により
構成される18人の宮座が基本となっている。宮座の中に神事舞の中心層の若い衆、
8人の清座、8年間清座勤めた後は年寄のピラミッド組織になっています。
若い衆から禰宜、清座から神主が選ばれます。(白の衣装)
年寄の最年長者を横座、次の年長者を副横座と称しています。
また、宮座には左座と右座があり、左座は村内の決まった家筋により構成される
二十四軒株の人々で、右座は一般の村人が列するようになっていた。
上の動画は神事舞の前の準備で本殿から舞堂に神事舞で使用される面や太刀
大太鼓、締め太鼓。横笛などを搬入します。
上の動画はリョンサンの舞(太刀舞)です。
11時50分過ぎから実施されました。伝えでは坂上田村麻呂が舞った形を
そのまま踏襲しているとのこと。
顔には鼻高面(猿田彦面、天狗面とも言う)をつけ、頭には鳥兜、
小太刀と大太刀を腰に横たえ30数分にも及ぶ舞が披露された。
舞楽の蘭陵王(陵王)に由来する舞でもある。手に持った鉾の先端には
幣が飾られています。
蘭陵王の解説 By Wikipedia
「蘭陵王(らんりょうおう)は雅楽の曲目の一つ。管絃にも舞楽にも奏される。
別名蘭陵王入陣曲、短縮して陵王とも呼ばれる。
管絃演奏時には蘭陵王、舞楽演奏時には陵王と表す。
左方(唐楽)に属する壱越調(いちこつちょう)の一人舞で、華麗に装飾された
仮面を被る勇壮な走り舞。答舞は納曽利(なそり)。
林邑の僧である仏哲が日本にもたらしたものと言われ、元は沙陀調(さだちょう)
であったが日本で壱越調に転調した。中国風の感じが残ると言われる美しい曲。
北斉の蘭陵王高長恭の逸話にちなんだ曲目で、眉目秀麗な名将であった蘭陵王が
優しげな美貌を獰猛な仮面に隠して戦に挑み見事大勝したため、兵たちが喜んで
その勇士を歌に歌ったのが曲の由来とされている。
武人の舞らしい勇壮さの中に、絶世の美貌で知られた蘭陵王を偲ばせる
優雅さを併せ持つ。」
北斉の蘭陵王長恭は美しい顔を仮面に隠して戦いに挑み、敵を撃破したという
伝承を基に雅楽として伝承されてきたものである。
6世紀の後半(南北朝時代)、中国大陸は北朝の北周(556-581)と北斉(550-577)
南朝の陳(557-589)が覇権を争っていました。
蘭陵王は北斉の皇族で文襄帝高澄の第四子。名は高長恭。
北周に勝利した時の物語である。
関連ブログ
東日本大震災復興祈念 舞楽公演 in 神戸市立博物館 on 2012-3-11
鳴鳳雅楽会の舞楽「蘭陵王」の公演 in京都教育文化センターon 2012-3-20
上の動画は獅子舞です。あっという間に終わってしまいました。
上の動画は田楽です。
五穀豊穣や無病息災を願い奉納された田楽。
柿渋染の意匠に頭はガッソウという半紙で造られた幣(しで)と
呼ばれる冠をかぶっています。太鼓にびんざさらと呼ばれる拍板で音を出し
貴族の邸宅や寺院の中門で演じられる中門口(ちゆうもんぐち)という
舞が披露されました。です。12時30分過ぎから実施されました。
上の動画は扇の舞(イリ舞)です。
12時55分過ぎから実施されました。1人約50秒の踊で9人の踊手が
大太鼓の囃しに合し扇をかざして踊る。片足で跳ぶように踊る舞です。
順番は一番年少者の舞から始まります。
加東市では今回紹介した上鴨川住吉神社の神事舞の他に
1)秋津住吉神社の百石踊
2)朝光寺の鬼追踊
を加東の三大民族舞踏としてパンフレットも作成しPRしています。
今年(2015)上記の行事も観に行ってブログを作成していますのでリンク及び
TBしておきます。
加東市 秋津住吉神社に奉納された 西戸百石踊 on 2015-4-29
加東市 朝光寺鬼まつりの鬼追踊 on 2015-5-5
上鴨川住吉神社の神事舞はこの後も高足、能舞七番(七番の翁舞)と続くが
動画編集とYoutubeへの投稿に時間を要するので本日はここで区切りとして
投稿します。