大極殿巡る回廊跡が出土 京都・長岡京跡、規模解明の資料に
2015年10月25日 12:27 産経新聞
京都府向日市鶏冠井(かいで)町の長岡宮跡から宮の中心施設、大極殿を取り囲む大極殿院回廊跡の一部が出土し、市埋蔵文化財センターが発表した。柱を立てるための礎石の地固め跡や回廊の両端を示す溝状遺構などで、同院回廊の規模や構造がひと目でわかるような出土例はこれまで少なく、同センターは回廊の規模を解明できる資料としている。
遺跡範囲確認のため回廊北西角の約250平方メートルを調査。小石まじりの直径約1・2メートルの礎石の地固め跡が8カ所で確認できたほか回廊の南北の両端から溝状の遺構が出土した。
柱は3本一組として南北に2・4メートル間隔で並び、廊下の中央を板塀で仕切る複廊形式。また東西柱の間隔は3・6メートルだった。
溝状遺構は廃都時、回廊廊下の側面を飾るためブロック・板状に加工した凝灰岩(ぎょうかいがん)製の化粧石を抜き取った跡とみられる。内部からは抜き取り中に割れたとみられる石の破片も発見された。
両側の溝状遺構の位置から回廊の幅は8・15メートルと復元できるが、化粧石を抜き取るときに廊下がえぐられていたため、本来の回廊の幅はこれまで推定されてきた通り8・29メートルで間違いないことが確認された。
また5世紀後半に築造された古墳を破壊して造成していたらしく、多数の埴輪(はにわ)片も出土した。
同センターは「大極殿院回廊は調査面積が狭かったり、データが古かったりして、全容が確実につかめていなかったが、今回の発見でほぼ解明できた」と話している。
◇
現地説明会は25日午後2時から。スマートフォンやタブレット端末から当時の建物の復元CGを見ながら巡れるアプリも用意しているという。
現地説明会の写真を添付しておきます。
2015年10月25日 12:27 産経新聞
京都府向日市鶏冠井(かいで)町の長岡宮跡から宮の中心施設、大極殿を取り囲む大極殿院回廊跡の一部が出土し、市埋蔵文化財センターが発表した。柱を立てるための礎石の地固め跡や回廊の両端を示す溝状遺構などで、同院回廊の規模や構造がひと目でわかるような出土例はこれまで少なく、同センターは回廊の規模を解明できる資料としている。
遺跡範囲確認のため回廊北西角の約250平方メートルを調査。小石まじりの直径約1・2メートルの礎石の地固め跡が8カ所で確認できたほか回廊の南北の両端から溝状の遺構が出土した。
柱は3本一組として南北に2・4メートル間隔で並び、廊下の中央を板塀で仕切る複廊形式。また東西柱の間隔は3・6メートルだった。
溝状遺構は廃都時、回廊廊下の側面を飾るためブロック・板状に加工した凝灰岩(ぎょうかいがん)製の化粧石を抜き取った跡とみられる。内部からは抜き取り中に割れたとみられる石の破片も発見された。
両側の溝状遺構の位置から回廊の幅は8・15メートルと復元できるが、化粧石を抜き取るときに廊下がえぐられていたため、本来の回廊の幅はこれまで推定されてきた通り8・29メートルで間違いないことが確認された。
また5世紀後半に築造された古墳を破壊して造成していたらしく、多数の埴輪(はにわ)片も出土した。
同センターは「大極殿院回廊は調査面積が狭かったり、データが古かったりして、全容が確実につかめていなかったが、今回の発見でほぼ解明できた」と話している。
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現地説明会は25日午後2時から。スマートフォンやタブレット端末から当時の建物の復元CGを見ながら巡れるアプリも用意しているという。
現地説明会の写真を添付しておきます。