前回の続きです。
それで、前回で第一章は終わっていました。
今回から『第二章 気候ケインズ主義の限界』となります。
そして、小見出し1.『グリーン・ニューディールの希望?』です。希望の後に?マークが付いています。
前回の最後で、
「分岐点の一方、安定した社会システムが、まったく?あまり?見えないのです。一方の、右派ポピュリズム・・・排外主義的ナショナリズムの煽動・・・民主主義の危機・・・権威主義的統治体制の到来は、それなりに見えるのです」
と、私は書きましたが、その一方の、「安定した社会システム」の否定的な紹介です。
巷では、それなりにと云うか、かなり、かなり、気候変動対策として、ほぼ主流の考え方です。しかし、著者はここで、バッサリと否定します。
「グリーン・ニューディールは、再生可能エネルギーや電気自動車を普及させるための大型財政出動や公共投資・・・安定的・高賃金雇用の創出・・・有効需要増加・・・好景気・・・さらなる投資・・・持続可能な緑の経済へ移行加速」
「危機の時代に、新自由主義はもはや無効・・・緊縮と小さな政府では対応できない、新たな緑のケインズ主義、気候ケインズ主義」
とても、とても、分かり易く、受け入れやすく、成功したならバラ色の未来が待ち受けている!誰も、彼もが、賛成!賛成!と諸手を挙げそうな政策です。
この政策には、アメリカの民主党大統領候補として、予備選でそれなりに善戦した「バーニー・サンダース」も選挙公約に掲げていたそうです。
自称「民主社会主義者」の民主党バーニー・サンダースの名前を聞くと、思い浮かぶのが「アレクサンドリア・オカシオ=コルテス・・・何とも良い響きの名前」です。民主党員で米政治団体「アメリカ民主社会主義者」のメンバーです。
彼女の両親はプエルトリコからの移民で、2018年アメリカ史上最年少29歳で下院議員(ニューヨーク州選出)に当選。現在32歳。因みに、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスを略して「AOC」と呼ばれるそうです。
自称民主社会主義者のバーニー・サンダースが気候ケインズ主義ですから、AOCも気候ケインズ主義です。それと彼女は、巷で噂の「現代貨幣理論・MMT」について初期に言及し、MMTの認知度を上げたようですが、現在は積極的発言は控えているようです。
MMTと云えば、「れいわ新撰組」ですが、と云うか、「でした」に変わったようです。最近の山本代表の発言が微妙に変わって、MMTとは違うと云い始めました。以前はMMT論者と盛んに対談していたのですが、今では距離を置き始めました。
まあ、それはそておき、日本にも、こんな若い女性の政治家が、と思っていたら、現れました”れいわ新撰組”の”大石あきこさん”期待してます。まあ、多少歳の差はありますが、そこは、日本とアメリカの政治制度・文化の違い。
話しを本の方に戻します。この小見出し「グリーン・ニューディールの希望?」の?マークを付けた理由は、ここでは述べず、次へと続きます。
次は、小見出し2.『緑の経済成長というビジネスチャンス』です。
ここで、そこそこ著名な米国ジャーナリスト「トーマス・フリードマン」の登場です。彼は、
「グリーン・ニューディールをグリーン革命と呼び・・・ビジネスチャンスとし・・アメリカの再生・・・」
「ソ連崩壊後のグローバル化と情報技術の発展・・・世界はフラット化・・・すべての人々がつながる・・・これにグリーン革命が新たに加わり・・・世界は持続可能」
と、主張しています。
グリーン・ニューディールも、グリーン革命も、とても、とても、口当たりが良さそうで、気楽に楽しく危機が乗り越えられそうで、世の中は丸く収まりそう。
でも、しかし、著者の斉藤幸平さんは、
「気候ケインズ主義が与えてくれるものは、気候変動を好機にして、これまで以上の経済成長を続けることができるかもしれないという”希望”である・・・」
「気候ケインズ主義に依拠した”緑の経済成長”こそが、資本主義が”平常運転”を続けるための”最後の砦”となっている」
と、バッサリ否定。
岸田政権は当初「成長より分配」と云い、党内の反対で「成長も分配も」へ変身。
どちらにしても、成長は必要と云う考え方。これは、自民党だけではなく、野党も同じなのです。そして、マルクス主義者も同じなのです。
しかし、しかし、もう、経済成長で、世の中、すべて丸く収まる時代は終わったのです。と、云うのが、この本の主題です、真骨頂なのです。
どういう、社会システムを描いていくのか、かなり、かなり、大変な作業で、その前に、もう少し、詳しく、否定的な根拠が、データを使って論じられます。
ここは、かなり、退屈そうで、どうしようか思案中。
兎に角、本日は、ここまで。
それでは、また。