稀勢の里には、何度も、何度も、何度も裏切られてきました。
もしかして、もしかして、またしても、裏切られた?
七日目まで、勝っても負けても、これが横綱? と云う相撲ばかり、もう、引退するべきと思っていました。
横綱は勝ち方が問われるのです。あの白鳳のように"汚い"相撲は話になりませんが、稀勢の里の弱弱しい、危なっかしい相撲も横綱としては失格なのです。
八日目、玉鷲にぼろ負けした日は、きっと、きっと、引退発表と思いました。しかし、しかし、翌日、出場して、見事な横綱相撲で、栃ノ心に勝ったのです。
私は、画面を見つめて、なんだ?これ!と呟いてしまいました。こんな相撲が取れたの? これまでの相撲はすべて、弱気が原因だったの?
私は考えました。そうだったんだ! 前日の玉鷲戦でのボロ負けで、すべてに吹っ切れて、横綱の、地位を守るとか、負けられないとか、消極的な、守りの姿勢を、すべてかなぐり捨てたのです。
兎に角、一番、一番、全力で、目の前の敵を、叩き潰す、その覚悟で、土俵に上がったのです。
栃ノ心戦を見終わって、これなら、気力も、体力も、復活した!と確信しました。左に拘ることなく、右上手で十分な破壊力があるのです。
稀勢の里には、ホントに、ホントに、裏切られてきました。
今度は、ホントに、ホントに、イイ裏切られ方をしました。
稀勢の里は復活しました。
でも、やっぱり、心配です。
もう、裏切らないで、千秋楽まで頑張って!
白鳳か、鶴竜か、どちらかは破って、13勝2敗で、稀勢の里復活!
でも、あまり期待をすると、また、裏切られたり・・・・・・して。
それでは、また。