前回の続きです。
姫路城のお話です。
いよいよ、天守閣の内部に潜入します。入り口で靴を脱ぎ、渡されたポリ袋に入れます。混雑時には、ここでも渋滞が発生しそうです。
渋滞と云えば、姫路城の公式HPの質問ページに、「天守閣を見学しようとしたが、2時間待っても入れなかったので見学を断念しました。後日、当日の入場券で見学できますか? 」
当局の回答「入場券は当日のみ有効です、再度、入場券をお買い求め下さい」
こなん質問例が公式HPの、いの一番に掲載されているのです。この手の質問、疑問、不満、が数多く寄せられているようです。土日、祭日、観光シーズンは、とても、とても、混雑するようです。
地下1階、地上6階の天守閣を、靴を脱ぎポリ袋をぶら下げ、登ってゆきます。暗いです、足元注意です。
足元を見つめ、上を見上げ、周りを見渡します。なかなかの木組みです。かっちり組まれています。
最初の階段です。ここは、未だ、幅も広く、傾斜も緩やか。
登るにつれて、階段の幅は狭く角度も急になります。600年前のお城です、当然、高齢の観光客に対しての、配慮はされていません。入城者の8割9割は、国内外ともに年金世代です。
5階、6階辺りでは、階段と云うよりも、梯子段的な傾斜になり、そして、幅は狭く、頭上も狭く、暗く、なのです。
そんな危険な思いをしてまでも、天守閣の最上階に到達すれば、きっと、きっと、視界は開け、素晴らしい眺めが待ち受けていると、期待しながら辿り着いた先には、狭い、狭い、隙間から、チョットだけ、下界が垣間見れると云うか、覗けるだけなのでした。
傍らの高齢者グループから、「千円払って、ここまで、やっと登って、見えるのこれだけ? もう、二度と来ないわァ ! 」何て、会話が聞こえてきました。
実は、実は、前日、姫路駅に到着し、姫路城に向かおうと、それと思しき出口より、それと思しき方向に、姫路城を目指したのです。
たぶん、この方向と、"するどい感" を頼りに歩き始めたのですが、しかし、少し不安になり、信号待ちの際に、傍らの自転車を転がす40歳前後の男性に、姫路城の方向を確認したのです。
しかし、しかし、彼は「駅で出口を間違えたようですね、方向が違います。私が途中まで案内します」と、親切なお言葉。
案内されつつ、歩きつつ、「どちらから来られたのですか? この時間にお城に行くのですか?」
「茨城のつくば市から来ました、この時間、お城はライトアップされているので、写真を撮ろうかと、お城に上るのは明日朝に・・・」とか、
夜の姫路を5~6分ほど、いろいろ話しつつに案内してもらったのでした。
その会話の中で、彼から、
「姫路市民は、お城は登るものではなく、遠くから眺めるもの」との、貴重な見解を聞いたのです。
天守閣に登り、下界を垣間見、この見解に、なるほど! と、思った次第。
最上階からの眺めを確認し、これより地上を目指し下ります。下りの階段、いや、梯子段で渋滞が発生していました。
狭くて、暗くて、天井が低い、梯子段、そこを、足元の覚束ない高齢者が下るのです。登りより、下りは、ずっと、ずっと、危険です、渋滞します。
平日の、しかも、見学者も少ない、開城直後のこの時間で、最上階のこの渋滞です。これが、休日、祭日、祝日、観光シーズンでしたら、これは、もう、滅茶苦茶な大渋滞間違いなし。
そして、そして、その対策が、姫路市民以外の見学者に対して、現行の入城料金千円を、三倍の三千円に引き上げる、オーバーツーリズム対策として決定されたのです。
姫路市のオーバーツーリズム問題とは、天守閣の渋滞問題だったのです。
しかし、しかし、国内の旅行者には、それなりの効果は期待できそうですが、円安傾向は、これからも続きそうですし、海外からの旅行者にとって、三千円程度の料金は、まったく意に介さないと思います。自国の通貨に換算して" 安い! " と思う筈。
これが、日本の、為替レートの、経済力の、国力の、悲しく、寂しい現実。
やっと、地上に降りて来ました。
大変、いい、眺めです、視界が広がります。ここは、城主が居住していた、本丸御殿の跡地で"備前丸" と云う広場。
1882年の火事で消失しその後、現在まで空き地となっています。
姫路城、この角度から見上げるのが、一番かと。
ぐっと、ぐっと、迫ってきます。
たぶん、フランスからの観光客、夫婦で、ハイ! ポーズ! 撮っているのは息子さんです。
ここらで、姫路城見学を終えて、"好古園"に向かう事にします。
姫路城見学が千円で、同時に好古園の見学をすると、50円のプラスで見学できます。因みに、好古園、単独見学の料金は 310円となっています。
これで、本日の認知機能低下対策は終わりとします。
それでは、また、次回。