森のなかまと楽しい10Holes

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まとめ:ハーモニカのお手入れについて
まとめ:ハーモニカの調整について

申し訳ありませんが現在ハーモニカ調整に関する技術的な質問にはお答えしておりません。質問して頂いても無視することもありますので予めご了承ください。

Harrison B-Radical FPT9.0

2010-10-17 21:33:33 | ハーモニカの機種
あはは。まさかこれは買えないです(笑)。

大好きなhapr onlineさんでSeydeのharp specialを見ようと思ったらなかったのですが、代わりにB-Radicalの記事を見つけました。ページが無くなる前に紹介しておきます。
ハイエンドを見ておくのはどの世界でも勉強になりますし、胸がトキメクものです。
#多少の無理で買えるようだと危険ですので見ない方が良い事もありますね(笑)

斬新なボディやコームに目がいきがちですが、注目すべきはやはりリードでしょうか。記事中Cross Over, Manjiのリードと比較できるようにリンクされています。
こうやってみるとCross Over, Manjiも凄まじいものがあります。
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Seydel 1847 Noble

2010-10-17 21:24:46 | ハーモニカの機種

金曜日人間ドック+会社から帰ると10Hole.comさんよりSeidel 1847 Nobleが届きました。
風邪も良くなって来たのですが土曜日は出勤だったので載せるのが遅くなってしまいました。


Heringのカートンボックスと違い、ケースの周りを紙筒でお化粧をしています。


「海外にはこんなに美味しいお菓子があるんだよぉ」といったお菓子のケースのようです(?)。エンボスされた箔紙が貼られた紙ケースです。かなり凝っています。


なんとヒンジは金属製。。


内側の折り込みもほぼピッタリ。


こういう箱を自分で作ってみた方は分かるかと思いますが結構角が合わないとか仕上がりが上手くいかないのですがパーフェクトですね。
樹脂成形で凝った物も安く出来る現在、恐らく手作業でしかできないこういった紙箱はコストを引き上げる要因でしかないと思うのですが、なかなか良い物です。
Hoherにもたまにありますが、ドイツの方はこういった紙箱が好きなのですかね。

さて随分と箱に熱をいれてしまいました(笑)。そろそろ中身に。。


大きめで実用的なクロスとインストラクションが付属します。


インストラクションはなんと3色刷りです。初めてみました。。ドイツ語と英語です。残念な事に使用するドライバについては記述はありませんでした(後述)。


やっと本体の写真です(笑)。

SuzukiのSerius(持っていませんが)のカバーよりも目の細かい梨地の表面で演奏中に唇がくっつかず、大変滑りが良いです。金属なのにヌメっとした感触がセクシーです。
#NobleじゃなくてSexyとかいう名前でもよさそうですが刺激が強過ぎますね。

またピカピカのメッキに比べ油脂や汚れもつき難い(目立ち難い?)ので普段の扱いはとても楽かと思います。


キーレンズと呼ばれているものだそうで、暗い中でも指で正しい向きが分かるように出っ張っています。因に蓄光はしませんので暗闇でキーまでは分かりません。
どうせ蓄光しても暫くすると光らなくなりますし、手にした瞬間正しい向きが分かる事が重要なんですね。ミニマムで最大の効果というところが粋ですな。


レーザ刻印による社名のエンブレム。誇らしげです(笑)。ただ刻印しているだけではなく高級レンズのように墨流しまでされています。。


あらら。。裏側のカバーですが多少へっこんでいるようです。。息漏れにつながるようなシリアスなものではないので仕方ないかな。。。

さてSeydelといえばコームの先端の角が優しく面取りされ正面から見るとオーバルに見えるモデルがあり、これを楽しみにしていました。

しかし何だか痛い。。。そして暫く吹いてみると久しぶりに唇を切ってしまいました。。。出血なんて本当に久しぶりです(笑)。


写真では分かり難いのですがコーム先端左側のエッジの面取り部分がしゃくれてバリが出ていました。右側はスムーズですが左側は全てザラザラのガビガビ。。。

恐らく切削あとのバリ取り行程で左側だけがなされないままアノダイズ処理されたと思われます。

えーっ?Seydelってこんなもんなの?と思われないように。

先端右側の仕上がりは上等ですので、私が手にした物は本来の仕上がりではなく不良品だったと思われます。

しかし、カバーのへこみはまだしも口を切るようでは使い物にならないのでお店に問い合わせてみました。
元々一度吹いた物は交換や返品には応じないそうですが、気に入らなければ返金するとの事。
既に吹いて素晴らしさは実感して(後述)いましたので、Nobleが手元に残らないくらいなら自分でどうにかしましょうということで返金はお断りしました。

ということで、耐水ペーパでカシカシと慎重に面取りを行います。折角のアノダイズ加工が無くなってしまわないかと思いましたが結構層が厚かったの大丈夫でした。みすぼらしいのでコンパウンドで磨くとオリジナルのマットな雰囲気とは違ってしまいましたが全体的に悪くありませんでした。


カシカシやった跡です。左側の曲線が妙に歪んでるのはバリ取りで黒いアノダズが無くなってしまったためです。
少し残念ですね。

余談ですがSuzukiのProMasterのGoldタイプのコームもアルミ+黒アノダイズです。適度に表面が梨地になっているのでむき出しのアルミよりもタングブロック時には非常に快適です。

ついでなのでエッジ磨きもしてみました。本来必要ないくらいなのですが。。。

さて、もう少し森のなかま的なところを紹介。


ネジです(笑)。。興味のある方はクリックして下さい。というかこの手のネジに出会ったら注意が必要です(笑)。

メスネジが面白く、穴が貫通しています。多少ドライバがハマるスリットがあるので回そうと思えば回せます。。

で、実はこれがまたPoziなんですよ。
#2010/11/28 セミブラックさんの記事をみて裏側のネジが普通のプラスのようだと気付く。。

2011.11.14 Seydelのホームページに依るとPozi#0だそうです。
当時は裏側が普通のプラスだったのかもしれませんが。。気が抜けません(笑)。。

Poziは普通のプラスドライバに似ていますが全然ちがいます。それなりに良い点があるのですが日本国内ではあまり知られていないません。間違ってプラスドライバで回すとかなりの確率でネジを駄目にしてしまいます。Seydelの補修品を取り寄せるのはかなり面倒かと思いますので駄目にしたくありませんよね?


左側が普通のプラスドライバ#1。右側がPozi#1です。

HohnerのネジもPoziですから、メンテナンスをされる方はこの際良質のPoziドライバを揃えておく事をお奨めします。


私が愛用しているのは"PBの1122/1 ESD 1-70 Pzd"です。
プロツールさんのHPでは取り扱われませんでしたが、問合せをすれば電光石火でとりよせてくれるでしょう。
ちなみにお値段は1310円でした。同じ値段の他の商品番号で注文したのできちんとポイントも付きました。商売って面白いですね。
#ついでにプラス#1とマイナス#1も逝っておくと。。

PBのドライバは磁化されていませんがSeydelのネジをはめると振っても落ちない位の精度です(HonerのMSは今ひとつ精度がよろしくないですがSeydelのは良いですね)。


Poziを揃えていても間違えて使ってしまったらもともこうもありません。森のなかまは事務用の丸いシールを貼って間違いがおこり難い様にしています。黄色が普通のプラス。緑がPoziとPB社のビットも色分けしているので、それに倣いました。

はい。いつも通り(?)より道をしましたがカバーのネジはとてつもなく固く締まっています(本当きつい)。
精度の良いドライバでもいい加減にまわすとネジを舐めますので、必ず押しながらドライバが浮き上がらない様に注意しながら行いましょう。

でネジを外しますと。。


結構力技ですね(笑)。背面を折り返したまま更にプレスをして曲面を出しています。綺麗な仕上がりです。


Blow側プレート
6本のネジで止まっています。プレート自体がステンレスなのかメッキなのかは分かりませんが、切り口はとても綺麗でした。歪みも少ないのでパンチで抜いているわけではなさそうです。
シルバータイプのプレート(Fabulous,Meister等)としてはダントツに美しい仕上がりです。


Draw側プレート
これを見たとき思わず声が出てしまいました。素晴らしい!
ミニマムな調整で済まされていてチューニングマークは斜めではありません。バリが出ないように注意深く行われており切削あともとても綺麗です。
ミニマムな調整で済むのはリードの設計にもよると思われます。
本当に素晴らしいです。


Gap, Profile調整もどうかしているくらい素晴らしいです。

自分では何も調整していませんが、ベンドのし易さ、ベンドのつながりも良いです。カスタムといっても良い位でしょうか。
Over Blowは#4-#7は容易に。もちろん#1も出せます。Over DrawはSquealingこそしますが出せます(調整しないと出せないものが多いですし、Nobleとて綺麗に発音させるのであれば多少の調整が必要になるでしょう)。

和音のバランス、ビートの無いオクターブとチューニングも文句無しです。平均律はオプションでファインチューニング扱いになります(別途金額が必要という事、国内では予約になるのでしょう)。

Fabulous, Manji, Cross Overと色々な機種に驚いてきましたが、自分が出会ったなかでは別格の仕上がりです。

まさに息を入れると、そのまま音になるという感じです。

一応Nobleはハイエンドなのでエキスパートが調整しているのかもしれませんが、Seydelの調整技術は相当なものと思われます。

今後調子を見ながら自分なりにアレンジしようかと思いますが、勉強する所も満載ですので暫くこのままつかってみようかと思います。

さて気になる音ですが。。

もともとステンレスは輪郭がハッキリした明るめの音という事は知っていたのですが、今までかなり明るいと思っていたCross Overよりも明るいです(なんかフラッシュライトの話みたい)。

純正律よりのチューニングという事もあり和音は心地よいです。バンプやタンギングさせたときの歯切れもよくかなりご機嫌です。

そして特筆すべきは高域です。

Seydelの高域リードの幅は低中域と同じ幅の物が使用されています(他社の高域は幅が狭い物が衣装されています)のでどうかなと思ったのですが、なんというのでしょうかとてもラブリーでキュートな音がします。いや出せます。

2ndや3rdでややダーティな感じも行けますが、1stで牧歌的な感じや戦前よくあったJazzフレーズっぽいものを吹いてみると胸がときめいてしまいます(聞いている方はわかんないかもしれませんが)。

Big Sixもステンレスリードですがこの高域が利用できないのはもったいないですね(もちろん欲しいけどね)。

値段が結構すること。通販でしか購入出来ない事を考えると現状ではなかなか手を出し難いとは思います。
しかし、他社には無いステンレスリード、素晴らしいチューニングと調整がなされたハープが市販品として購入できるのは素晴らしい事だと思います。

またHoherにはないLow-Cがあるのも見過ごせませんね(Cross Over Low-Cは以前注文したのですが輸入しないらいらしくキャンセルになった経緯があります)。

谷口楽器さん。。。ハーモニカの「聖地」を目指すのであればSeydel取り扱いませんか(ノーマルキーだけでも)?
コメント (4)
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