2011.05.20 シムテープ取り扱いについて追記
今回は「
Thickness Guage」またの名を「Feeler gauge」が主役であります。
なんとも地味で色気がありません(笑)。
しかし、ハープ調整を紹介したページでは何かと顔を出すツールであります。
高いものは「SUS」と書かれてステンレス製を謳うものなどもあるのですが、大抵は焼入鋼で無防備に放っておくと錆びてしまったりします。
購入時はきちんと油がしかれているので錆びてはいませんが、この油をつけたままハープ調整に使うのは気が引けます。
なので大抵の方は拭いてしまうかと思います。
もし油分を完全に落としたいのであれば手洗い用のアルコールジェル等で落とします。
当然錆び易くなりますので使用後は付いた水分や油分を拭取り、付属のケースに入れてしまいましょう。
ベビーオイル等を湿らせたウエスで拭くのも良いかもしれませんね。滑りもよくなりますし。。
さて、よく顔を出すわりには今ひとつ使い方が良くわからないシックネスゲージですが、森のなかまは二つの用途に使っています。
まず一つ目ですが。。。
シックネスゲージの本来の使い方ですね。プレートとリード間の隙間を計っています。厚さは0.05mm。
はさめるものであればマイクロメータ、ノギス等でも計れますが、隙間にはこの手の測定器は使えませんので決まった厚さにきめられた板を差して隙間を計ります。
差し込んで抵抗を感じるようであれば、より薄いゲージを差し込みます。
この手の写真はギャップ調整の紹介でよく出てきます。
内容をよく読まないで「ゲージであげみを上げるんだ」と思ってしまったりするかもしれません。
えぇ。そうですよ。私がそうだったりするのですが(笑)。。
もしギャップを高くするためにゲージを押し込むのであれば、楔状のものを使った方が効率が良いかと思います。
何故なら、ゲージ厚(高さ)の角の1点のみでリードを押し上げる事になってしまうからです。
かなり無理矢理な行為ですのでリードへの負担も大きく、角を通り過ぎたリードは下へと向かおうとするので下方へカーブしてしまったりする事もあります。
作用があれば反作用があるのです。
なのでギャップを多きくする時は、
Lee Oscarのリフター等を使う、またはヘラでリード先端を上げながらリード自体の弾性を利用しつ1点に力がかからないようにするのが良いかと思います。
Kinyaさんの投稿によるとDick Sjoebergさんの用語で"Zero Point"(リベット止めされた付け根)は0.05mmの隙間が最適としています。
実際日本製のハープを計ってみると高域で0.05mmが入るものもあるかと思えば、低域で写真より手前の位置までしかゲージが入らないセッティングもあります。結構アバウトです。
基本的に高域より低域のほうがGapは大きくとった方がよいので、全てのリードのZero Pointが一律0.05mmを取らないといけないかというと、そうでもないようです。
写真のセッティングではちょっとキツいかもしれません。後日拡げるかと思います。
しかし、リードはスロット内に一切沈んでいませんので息詰まりを起こす事もありませんでした。
この辺りは個人の好きずきですかね。
もう一つの使い方は「バリ取り」です。
革命的なツールであるUSTであれ、やり過ぎてしまえばバリがリードを止めてしまう事になります。
こうならないように光にかざしながらチェックするわけですが、かざす時もプレートを正面から見ないとリード自体の厚さや、ギャップ、アーチ等が影響し、なかなか状況を正しく見極められません。
最終的にはプリンキングして接触音がしなければ良い訳なので。。
コリコリ。。チラッ。。コリコリ。。
ベイーン。。。コリコリ。。。ベイーン
この繰り返しになります。文字にしてみても地味です(笑)。
バリがリードをキャッチし動きを完全に止めるときは「ガビッ」と音を立てるのですぐに分かります。
こういう時にもっとも薄いゲージを使ってスリットとリードの間に入れてゴシゴシとしごくとバリがならされ再びリードが振動するようになります(リードが回転してずれてしまっているようでしたら、リードレンチで正しい位置に戻しましょう)。
正しくセッティングたリードは「ベイーンッ」とか「ピーン」元気よく余韻のある音がしますが、「ベシィ。。」とか「ピキッ」と余韻が少ない事があります。
ルーペで見てもリードが接触していないように見えます。
この状態で吹いても、音は出るのですが何となくもっさりした感じになります。
図を用意できなくて申し訳ないのですが。。。
エンボスにより押しつぶした金属は、プレート面より僅かに下で広がります。
スリットとリードの間に入ったゲージはエンボスによってなだらかになった傾斜に沿って僅かながら斜めに入っていきます。
このため、特に抵抗なくゲージが入っているつもりでも、リード振動してスリットを通る時、微妙にリードに触れるものと考えられます。
試しに、リードを沈ませながらゲージを入れてみると抵抗を感じ、それらを除去してみたところリードが元気良く音を立てるようになりました。
薄い棒や、帯を入れてリードをスロットに沈ませます。
リードとスロットの間に最も薄いゲージをいれて抵抗があるようであれば動かしてバリを均します。
Kinyaさんは0.01"(0.0254mm)を使うとありますが、私の手持ちのゲージでは0.04mmが迄でしたので、0.04mmで行いました。
それでも、それなりの効果はあります。
リードとスリットが接触しなければ良いので、バリ取りができれば薄ければ薄い程よいのでしょう。
エンボスした裏側からゲージを入れてしまうと、せっかく拡げた箇所ごとバリとりしてしまう事になるかもしれませんので注意しましょう。
リードを沈ませた状態でのチェックは意外に気付きませんので、これまで原因が分からず放っておかれた方はチェックしてみては如何でしょうか。
ただし、発音すれどプリンキングしてビーンと余韻がでない原因は他にもあるかと思われますので、必ずしもこの対処で解決するわけではありませんのでご了承下さい。。
以上が森のなかまの使い方です。
もちろん、使わないゲージを削ってリードレンチにしたり、他の道具のベースにしたりしても良いのかと思います。
他に「こんな使い方あるよ」等ありましたら教えて頂けると幸いです。
さて、スリットに入れた棒状のものの紹介です(笑)。
こちらは以前買っておいて今日初めて使ったカガリ用レース針です。
分厚い革を縫うのに使うらしいのですが、この形をみて「曲げればリフター」「先端にペイパーを貼れば調律用ヤスリ」にしか見えませんでした(笑)。
3本入ってこのお値段です。
高域用の細いリード幅より細く、硬度、適度のしなりもあって応用が効きそうです。
40代のアイデアと妄想は広がるばかりであります(笑)。
さて、かな~り地味で重箱の隅的な話題でありましたが如何でしたでしょうか。
元は計測器ですので、バリ取りというのはいささか強引な使い方ではありますが、なかなか代替えのものが見つかりません。
0.04mmくらいになると結構薄く、バリ取りすると変形してしまい測定には使えません(涙)。
そのたびに、あまり使わないゲージと一緒に買い替えるのもなんだよなぁ、と思う方に朗報です。
「シムテープ」
これでGoogle検索してみて下さい。ふふふ。
まだ、私も購入していないのです。今度愛人のところで購入出来るか問い合わせてみたいと思います。
しかし、今回は本当に地味でした(笑)。。
それでは!
P.S.
土曜日に港が見える丘公園にバラを見て来ました。
写真までリサイズしたのに、書いていたらこんな時間になってしまいました。。しゅん。
来週も忙しいとおもうけど、がんばるぞーん。
2011.05.20追記
プロツールさんでシムテープを取り扱ってくれました。厚さは0.02mmだけとピンポイントでありますが(笑)。。
【FT-0.02M1】永井 ピストンストックフィラーゲージ0.02mm
いまから到着が楽しみです♪