徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

東京電力からお金をもらっている議員達

2012年01月09日 06時44分52秒 | 日記
 「東京電力は国会議員をランク付けし、水面下でパーティー券を買い続けていた」という記事が報道されました(2012.1.8:朝日新聞)。ま、政治献金ですね。
 この議員達は「東電の味方」、つまり原発推進派です。この人達から「脱原発」という言葉が出てくる可能性は低いと思われます。
 名前を覚えておきましょう。

□ 自民党:麻生太郎、甘利明、石破茂、石原伸晃、大島理森
□ 民主党:仙谷由人、枝野幸夫、小沢一郎
□ たちあがれ日本:平沼赳夫
□ 無所属:与謝野馨

 錚々たるメンバーですね。
 東電が誰にお金を流せば自分たちの利益になるか、分析・評価した結果なのでしょう。現実的には、議員秘書が暗にパーティー券購入を要求してくるのが日常だったと記事には書いてありました。

 この他にも、東電は労働組合から議員を2人出しています。身内ですから、もちろんバリバリの原発推進派です。
□ 民主党:小林正夫、藤原正司

 今後、上記の議員たちの動向・原発行政に対する姿勢に注目していきたいと思います。特に政権中枢にいる枝野さんからは目が離せません。

 と思った矢先、コンビニで見かけた週刊誌『週刊現代』に「仙谷由人×石破茂、激突対談」という見出しを発見。ふだん週刊誌を買う習慣はないのですが、思わず購入してしまいました。内容は、原発の「げ」の字も出てきませんで、今の政局の批判に終始していました・・・やっぱりね。

 年末~お正月にかけて本の整理をコツコツしていますが、やはり『週刊現代』5月号に「原発マネーに群がった政治家・学者・マスコミ」という見出しがある号を購入していたのを発見。私の独断で抜粋します;

□ 原発というと、初代原子力委員会委員長の正力松太郎(元読売新聞社主)とその朋友である中曽根康弘元首相の名が挙がる。ただ、その背景には、かつての米ソ冷戦構造下における『日本の核武装化』への布石があった。それが1970年代のオイルショックを経て、『資源のない日本における原子力の平和利用』と大義名分がすり替わり、政官民が一体となって原発を推進した。

□ 原発利権を、いわゆる土建屋的な見地で利用したのは田中角栄元首相だ。地元新潟に柏崎刈羽原発を誘致する際、田中氏は土地取引で4億円の利益を上げたことが知られている。

□ 原発建設はゼネコンや地元の土建業者に大きな利益をもたらし、それがそのまま選挙における票田となる。そういう田中氏の手法を引き継いだのが、その弟子である竹下登元首相らであり、さらに渡部恒三元衆院副議長や小沢一郎元民主党代表らである。

□ 原発推進派の面々;
与謝野馨:中曽根氏の直弟子で日本原子力発電出身。
亀井静香:身内の警備会社が原発警備を請け負っている。
大畠章宏:日立製作所で原発プラントの設計に携わり、日立労組や電力総連から絶大な支持がある。
前原誠司:原発プラントの輸出推進。

□ 経産省の官僚と電力会社間の癒着も「天下り」という形であからさまに残っている。接待漬けで電力会社寄りになった官僚を仲間内では『感電した』と揶揄していたらしい(ガス会社寄りは『ガス中毒になった』)。




 御用学者については・・・書くのがウンザリしてきたので省略します。
 『脱原発』を唱えた管首相が引きずり下ろされた舞台裏が手に取るように分かりますね。
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HPS(ホスピタル・プレイ・スペシャリスト)という仕事

2012年01月08日 21時46分37秒 | 小児科診療
 昔の新聞を片付けていたら、こんな記事を見つけました。

病院嫌いを防ぐコツ(2010.2.22:朝日新聞)
 (私による要約です)遊びを通して病院内の子ども達を支えるHPSという仕事があります。検査や処置に怯える小児科患者に寄り添い、不安を受け止める存在。静岡済生会総合病院の例が紹介され、HPSの養成に取り組む静岡県立大学短期大学部の松平千佳准教授のインタビューも掲載されています。
 その中で、子どもが病院嫌いにならないためのポイントを挙げています;

何をしに病院へ行くか、事前に時間をかけて子どもへ説明して欲しい。
 嘘をついてはダメ。大人を信頼できなくなってしまうから。
「悪いことをすると、お医者さんに注射してもらうよ」などと、医療を罰のように使うのはNG。
注射器や救急車のおもちゃは正しく遊ばせる。
 聴診器を「体の中の何かを吸い取っている」と思っているようなら「音を聞くためのものだよ」と説明する。救急車に否定的なイメージを持っていると感じたら「病気の時には大事な車なんだよ」と。
ぐずる子どもを責めると逆効果になる。
 せかさず気持ちを落ち着かせましょう。「泣かない」と約束させない。「約束」を破ったら「自分はダメな子なんだ」と感じてしまう。
保護者もできるだけ処置に付き添う。
 子どもと一緒に歌ったり、深呼吸をしたり。終わったらうんと褒めてあげましょう。


 などなど。
 
 いかがでしょうか?
 ウ~ン、現実はなかなかこう上手くいきませんよね。

 予防接種目的の来院にもかかわらず、子どもに説明せずに連れてくるお母さんは珍しくありませんし、診察中ぐずっている子どもに「泣いていると注射されちゃうよ」と脅すお母さんもたまにいらっしゃいます。

 また、採血/点滴などの処置の際にお母さんが側にいるのも善し悪しで、ケースバイケースかな。赤ちゃんの処置はベテラン小児科医でも難しい場合があり、失敗して注射針を何回も刺すのをお母さんはかわいそうで見ていられないでしょう。処置する方も緊張して失敗の確率が上がってしまう可能性がなきにしもあらず。幼児以降なら良いと思いますが。

 かかりつけの子どもは慣れていて泣かない、とは限りません。
 近年、乳児期の予防接種が多くなり、何回も何回もワクチンを注射しますので「ここは痛いことをするところ」と子どもは思い込んでしまうようです。注射そのものよりも、無理やり押さえつけられてしまうことへの恐怖の方が強い印象もあります。

 そんな、大泣きして診察所見がとれない子どもでも、物心がついて理解ができるようになると泣かなくなります。だいたい2~3歳くらいですね。

HPS(hospital play specialist)
 イギリスで始まった専門職。病児に対し病院のプレールームや枕元での遊びを提供することで、発達を促したり不安を軽くしたりする。また、子どもに治療の内容をすることも大事な仕事。小児医療チームの一員として、子ども一人ひとりを援助する。国内では看護師または保育士の資格と実務経験が条件で、静岡県立短大で2007年に養成が始まった(新聞記事掲載時点で48人が修了)。


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1月3日の休日当番医報告

2012年01月04日 05時59分37秒 | 小児科診療
 今年はお正月の当番医に当たりました。
 来院患者数は106人、と予想より少なく終わりました。

 現在当地域は3つの開業医が内科系当番医を担当し、当院は小児科専門という設定です。
 小児科当番医と内科当番医の2つだけだった時期は大変混雑して、診療が終わる頃には患者さんより医者の方が元気がなくなる有様でしたが、1つ増えて分散した効果が現れ、今回も大混雑とまでは行かずに済みました。
 嘔吐下痢が目立って1/3くらい、他は雑多なかぜ症候群で、なんとインフルエンザはゼロでした。

 「子どもがつらそうにしているを見ていられなくて駆け込んだ
 という患者さんが多い一方で、
 「皮膚科でもらっている塗り薬が無くなったので処方して欲しい
 「旅行に行くのでかぜ薬を1週間分欲しい
 など、困った勘違いをしている患者さんも散見されました。

 また、診療時間ギリギリに電話をかけてきて
 「終わるのが早すぎる
 と憤慨されている患者さんには閉口しました。

 当番医は開業医が協力し合って休日の診療の穴を埋めようとするシステムであり、24時間対応の救急病院ではありません。
 クレームは公立総合病院へどうぞ、と言いたいところですが、当地域の公立病院は小児科病棟が閉鎖し、小児医療が崩壊した状態のまま・・・困ったものです。
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