徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

医療関係者の新型コロナ関連死亡を公表しない国、日本

2020年07月30日 07時05分25秒 | 小児科診療
海外の新型コロナ関連ニュースでは、「医療関係者の感染率や死亡者数」を時々耳にします。
でも、日本で報道されたことは記憶にありません。
皆さん、不思議に思ったことはありませんか?

(2020年06月30日 東スポWEB)
おおたわ史絵氏
 医師のおおたわ史絵氏(55)が29日、ブログで新型コロナウイルスの第二波に向けて「医療従事者の死亡者数の発表をしてほしい」と訴えた。
 おおたわ氏は「願わくば、コロナの第2波が来る前に 医療従事者の感染者の数や重症者の内訳、医師やナースの死亡者の正確な人数や年齢を発表してほしい。他外国では詳しく発表されているのに 日本は公表されていない」と疑問を投げかけた。
 その上で「医療現場が安心して働くためには 正しい情報が必要です」と医療崩壊を防ぐ意味でも、医療従事者の感染状況を発表すべき、と提言している。

医療関係者は、
・患者さんの新型コロナ感染対策に気を遣い、
・自分自身の新型コロナ感染を心配し、
・受診自粛による患者数減により給料は減り、
・社会では差別を受ける
という環境の中で働き続けています。

特に当院のような開業小児科医では、
カゼの患者さんが中心ですから、
他科よりさらに感染対策に尽力しています。

当院では
・オンラインで順番予約
・WEB問診を入力
・来院して受け付け終了後は車で待機
・順番が来たらポケベルで呼び出し
・医院内でほかの患者さんと接触することなく診療
・処方箋を受け取って終了
・患者さんが接触した場所の消毒後に次の患者さんを呼び出し
というシステムを採用しています。
つまり事実上、待合室を閉鎖しています。
これらを知ってか知らずか、こんな心ないニュースが流れるとガッカリします;

(2020年07月29日 メディカルトリビューン)

ソーシャルディスタンディングや三密のルールを守らない人たちがいる限り、
マスクをせずに飛沫を飛ばす人たちがいる限り、
医療者はこのような危機にさらされ続けていることを知っていただきたい。


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新型コロナ対策は「命」と「経済」のどちらを優先すべきか? → 行動を規制しなければ、生命と雇用の両方が犠牲となりかねない。

2020年07月19日 08時31分28秒 | 小児科診療
2020.7.22から「Go to キャンペーン」が始まります。
東京では1週間単位で新型コロナ陽性者が倍増して先週は300人/日レベルに達した今、タイミングが悪いのではないかという声があちこちで聞かれます。
一方で、ずっと我慢を強いられてきた観光業から
「もう限界、これ以上自粛が続くなら廃業せざるを得ない」
という声が上がり、政府は板挟みの状況下で苦渋の決断をしたわけです。

日本国民もそれはうすうす認識しています。
感染対策も重要だが、厳しい活動自粛が長期にわたると経済が破綻し、自殺者が出てくるかもしれない。
このジレンマに正解はあるのでしょうか?

参考に、世界の状況を見渡すと・・・

経済対策>感染対策)アメリカやブラジルは今や感染拡大が止まらない悲惨な状況。

経済対策<感染対策)中国・台湾では流行がコントロールされ経済が復興しつつあります。

経済対策=感染対策)日本は微妙、収束のめどが立たず、経済も苦しい状況が続く。

こう見ると、やはり「感染対策を優先して流行をコントロールして初めて経済復興が期待される」と感じてしまいます。

しかしその状況では、いつまたクラスターが発生するかビクビクしながらの生活が長期間続くつらい条件付き。
たぶん、その国の市民は緊張感の続く生活に心が折れてしまい、他罰的になり、魔女狩りのような雰囲気になっていくことでしょう。
もしその間に、治療薬やワクチンが開発されれば、すべてが解決するのですが、現時点ではまだ見通しが立ちません。

特殊な例としてスウェーデンがあります。
壮大な社会実験として「集団免疫」を目指して緩い自粛と経済活動制限を続けてきたスウェーデンは、ある意味期待されてきた存在。

経済対策>>感染対策)緩い対策のスウェーデンでは?

しかし現状を分析した最近の記事(⇩)では、
「経済を人命より優先したため、結局、両方が大きなダメージを受けた」
とマイナス評価されています。

コロナ禍「経済優先」したスウェーデンの悲惨 死亡率が増え、経済も近隣国同様の状況に
 欧州で新型コロナウイルスが出現して以来、スウェーデンは独自の社会実験で世界から注目されてきた。パンデミック中に政府がほとんど行動制限を加えず、通常の生活を続けるとどんなことになるのかは、スウェーデンを見ればわかる。
 スウェーデン方式の成果はこうだ。まず死者数がロックダウン(都市封鎖)を実施した近隣諸国を大幅に上回った。そして経済も近隣諸国と似たようなダメージを受けている。
 「本当に何のメリットもなかった」と語るのは、アメリカのワシントンDCに本部を置くピーターソン国際経済研究所のジェイコブ・カークガード上級研究員だ。「自ら傷口を広げただけで、経済的に何の得にもなっていない」。
◆ 健康を犠牲にしても経済は回復しない
 スウェーデンの経験は、スカンジナビア半島から遠く離れた地域とも無関係ではない。新型コロナの感染が恐るべき速度で拡大しているアメリカでは、トランプ大統領に背中を押される形で多くの州がロックダウンを回避したり、時期尚早なタイミングで制限を解除したりした。職場や店舗、レストランに人々が戻れば、経済は回復すると考えたのである。
 イギリスでは、自らもコロナに感染して入院したジョンソン首相が7月下旬、経済活動を通常の姿に近づけようとパブやレストランを再開した。
 このような政策アプローチで暗黙の大前提となっているのは、政府には国民の生命を守るのと同時に雇用を守る責務があり、これらの間でバランスをとらなくてはならない、という発想だ。経済にとってプラスとなるのなら、ソーシャルディスタンス(行動規制)を緩めて国民の健康が多少犠牲になったとしても、その政策は正当化される、という考え方である。
 だが、高い死亡率と他国同様の経済悪化というスウェーデンの悲惨な結果は、「国民の命か、経済か」という選択肢が間違っていることを示唆している。行動を規制しなければ、生命と雇用の両方が犠牲となりかねない
 スウェーデン政府は国民の良識を信じ、行動規制をほとんど加えなかった。レストラン、ジム、店舗、観光施設の営業は許可され、大半の学校が休校措置をとらなかった。デンマークとノルウェーはこれとは対照的に厳格なロックダウンを選択。大人数の集まりを禁止し、店やレストランも休業させた。
 あれから3カ月以上が経過し、スウェーデンのコロナ死者数は5500人を突破した。アメリカの死者が13万人を超していることを考えれば、それほどひどい数字には見えないかもしれない。しかしスウェーデンの人口は、たったの1000万人なのだ。100万人当たりに換算すると、その死者数はアメリカを4割上回り、ノルウェーの12倍、フィンランドの7倍、デンマークの6倍にもなる。
◆ 今年は4.5%のマイナス成長に陥る見通し
 スウェーデン方式の結果、死亡率が高まったことは何週間も前からわかっている。ここに来て新たに見えてきたのは、経済に隣国と同程度の打撃が出ているという現実だ。スウェーデンは経済活動に制限を加えなかったにもかかわらず、ビジネスは壊れ、景気が後退している。
 スウェーデンの中央銀行によれば、同国経済は今年4.5%のマイナス成長に陥る見通し。従来の1.3%成長見通しから大幅に下方修正されている。5月の失業率も9%と、3月の7.1%から跳ね上がった。オックスフォード・エコノミクスは最近の報告書でこう結論づけた。「経済全体に打撃が広がっており、回復にはかなりの時間を要する。失業率も高止まりが続くだろう」。
 これはデンマークがパンデミックで受けた打撃とほとんど変わらない。デンマーク経済は、同国の中央銀行によると、今年4.1%縮小する見通し。5月の失業率も5.6%と、3月の4.1%から悪化した。
 要するに、スウェーデンは期待された経済的なメリットを得ることもなく、圧倒的に高い死亡率を抱え込んだことになる。
 新型コロナは国境を越える。スウェーデン政府は国内経済を回す決断を下したが、企業はほかのあらゆる国々に不況をもたらしたのと同じ要因で行き詰まった。そして国民はウイルスに感染する恐怖から買い物を控えるようになった。こうした国民の行動は死亡率の上昇を防ぐほどの効果はなかったが、ビジネス活動の衰退を引き起こすには十分だった。
 ここには、おそらく全世界に当てはまる教訓がある。ロックダウンなどの政策を経済悪化の原因と見なすのは短絡的にすぎるということだ。すべての元凶はウイルスそのものにある。アジアからヨーロッパ、南北アメリカに至るまで、パンデミックのリスクはビジネスを混乱に陥れ、政府の政策がどうであろうと人々はショッピングモールやレストランを避けるようになった。
 スウェーデンも国際貿易における不測の変化から逃れることはできない。パンデミックが始まった以上、スウェーデンにも経済的なダメージが及ぶのは明らかだった、と前出のカークガード氏は指摘する。
 「サプライチェーンが寸断され、他国の製造業が操業を停止すると、スウェーデンの製造業も停止した。これは完全に予測できた展開だ」(カークガード氏)
◆ 高齢者の買い物自粛が教えること
 しかし死者数については、政府の対応次第で結果は変わっていたはずだ。
 カークガード氏が言う。「スウェーデン政府には自らの方針を疑問視する声もなければ、対策を見直す意欲もなく、このまま行けば本当に手遅れになる。これは驚くべきことだ。なにしろ、政府の主張する経済的なメリットがまったく存在しないことが明らかになってから、かなりの時間がたっている」。
 これに対しノルウェーは、厳しいロックダウンに踏み切ったのが早かっただけでなく、ロックダウンの緩和でも先行した。感染拡大の速度が落ち、政府の検査態勢も大幅に強化されたためだ。
 今では、経済も一段と短期間での回復が見込まれるようになっている。ノルウェーの中央銀行によると、変動の激しい石油・ガス部門を除く本土経済は今年3.9%のマイナス成長となる見通し。ロックダウン期間中に示された5.5%のマイナス成長予想から状況は大幅に改善してきている。
 コペンハーゲン大学(デンマーク)の研究者はスカンジナビア地域で最大級の規模を誇るダンスケ銀行のデータを用い、デンマークで経済活動が制限されていた3月中旬〜4月上旬の消費パターンを分析した。これによると、パンデミックの影響でデンマーク人の支出は同期間に29%減少したが、自由を謳歌していたスウェーデンでも消費支出は25%減っていた。
 さらに驚くべきは70歳を超える高齢者で、この層ではデンマークよりもスウェーデンのほうが消費の落ち込みが大きかった。スウェーデンでは通常どおりの経済活動が維持されたことから、おそらく外出がことさら危険視される状況が生まれたのだろう。
(執筆:Peter S. Goodman記者)

各国政府には絶妙なバランス感覚が要求されているのですね。
スウェーデン発の情報では「国民は失敗と感じていない」雰囲気もなきにしもあらず。
今後、どう経過し、どう分析・評価されていくのか、注視していく必要があります。

しかしこの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は手強い相手です。
もし死亡率がもっと高ければ感染対策重視に舵を切りやすいのですが、高齢者以外は低いという微妙な立ち位置。
しかも無症状者からの感染が5割を占めるという、人間に気づかせずに広がる巧妙さ。
敵の首をじわじわと真綿で絞めていく生物兵器としては優秀です。
そんな視点から「中国の武漢の実験室で開発したものが漏れたのではないか」という説が浮上したのでしょう。
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エアロゾル、マイクロ飛沫、空気感染・・・新型コロナで混乱中。

2020年07月12日 07時10分50秒 | 小児科診療
最近、TVでよく取り上げられる「感染形式」。
基本的に
1.接触感染
2.飛沫感染
3.空気感染
の3つに分類されます。

例えば、いわゆるカゼ(一過性の軽症ウイルス性上気道炎)は1と2、
3を起こす感染症は現時点では水ぼうそう、はしか、結核の3つのみです。
2と3の違いは、ウイルスを含んだ粒子の大きさです。
2(飛沫)の方が大きく、患者の鼻と口から出てもすぐに落ちて遠くまで飛びません。
3(飛沫核)は小さく浮遊して遠くまで飛ぶため、同じ部屋・同じ空間にいると感染する可能性があります。

さて、新型コロナはどうでしょう?
従来、一般のカゼ同様、1+2で語られてきました。
しかし途中で「エアロゾル」とか「マイクロ飛沫」という単語が飛び交うようになりました。
これは従来の感染症学では目にしなかった単語です。
聞いていると、私のイメージは「飛沫」と「飛沫核」の間の大きさで、性質も中間、というものです。
ただ、メディアが先行して報道するだけで、感染症専門家は「まだ学術レベルでの評価は定まっていません・・・」と口を濁してきました。

ところが先日、総元締めのWHOが「空気感染の可能性を除外できない」と衝撃的な発言をしました。
これが認定されると、感染対策がガラッと変わります。
というか、不可能になります。

この辺のことを解説しているネット情報がありましたので概要を紹介します。
結論から申し上げると、現在の日本で認識されている“想定内”の内容で、感染対策も含めて目新しい事実はありませんでした。
皆さん、三密を避けて、必要な場所ではマスクをして、手洗い励行を辛抱づくよく続け、習慣化しましょう。

新型コロナウイルス:やっぱり空気感染するの?
坂本史衣 | 聖路加国際病院QIセンター感染管理室マネジャー(2020/7/11:Yahooニュース)より一部抜粋

・従来、日常生活における新型コロナウイルスの主要な感染経路は飛沫感染と接触感染とされてきた(WHO、CDC)。

・最近、新型コロナウイルスはモノや環境表面では、それほど長く活性(細胞に感染する力)を維持できないので、接触感染は主要な感染経路ではないのでは?という見解が発表された。

・2020.7.9に世界各国の研究者らが連名で新型コロナウイルスが空気感染するとの書簡を専門市場に発表し、WHOに感染対策を見直すよう求めた。

・エアロゾルの定義:(定まっていないが)空気中を漂う液状あるいは固形の微粒子。感染症学分野における慣習として、
(飛沫)droplet:水分を多く含み、粒子径が比較的大きな微粒子
(エアロゾル)aerosol:水分量が少なく、粒子径が比較的小さな微粒子
と区別するのが一般的である。ただし、粒子径の線引きに統一見解はない(慣習としては5μm)。
飛沫の水分が蒸発すると乾燥した固形の微粒子となるが、これを飛沫核 droplet nuclei と呼ぶ。エアロゾルと飛沫核を同義に扱う文献もあれば、区別している文献もあるのが現状。
・ヒトが呼吸、咳、くしゃみ、会話などで口や鼻から出す微粒子には飛沫とエアロゾルが混在しており、飛沫感染と空気感染は連続するスケール上にある現象と捉える必要がある。どちらの経路で艦船が寄り起こりやすいかという観点での区別は可能である。
(例)インフルエンザウイルスは空気感染する可能性がゼロではないが、主要な感染経路は飛沫感染と判断
(例)麻疹ウイルスは2時間ほど空気中を漂い空気感染することで感染が広がる

・専門家からの書簡の要約;
  • ウイルスは呼気(吐く息)、会話、咳の際に微細な飛沫(書簡ではマイクロドロップレットと表現=エアロゾルと同義)に含まれて空気を漂うことにより、発生源から1~2メートル以上離れたところに到達可能である。
  • 屋内の典型的な気流速度に乗った5μmの微粒子は、数10メートル浮遊し、1.5メートルの高さから床に落ちることがある。
  • 中国のレストランでは感染者のテーブルと隣接するテーブルの2家族(滞在時間それぞれ60~90分間)に二次感染例が発生しており、換気の悪い空間で、気流に乗ったウイルスが拡散した可能性が指摘されている。
  • 新生児に呼吸器感染症を引きおこすRSウイルス、インフルエンザや中東呼吸器症候群を引き起こすMERSコロナウイルスは、エアロゾルに付着して空気中を浮遊することが知られており、SARS-CoV-2でも同様のことが起こり得ると考えられる。
  • 現在、国際機関や各国の専門機関が発行しているガイドラインでは、手指衛生、ソーシャル・ディスタンシング(注2)、マスク着用などの飛沫感染対策に重点が置かれており、空気感染のリスクについては医療機関におけるエアロゾル産生手技(注3)にのみについて注意喚起がなされている。
  • 感染者の鼻や口から放出され、空気中を漂うウイルスを含むマイクロドロップレットを吸入することによる感染は、特に屋内の閉鎖空間、なかでも人が密集しており、換気が不十分な環境において問題となりやすい。
 ⇩ (これらを踏まえた対策の提案)
  • 特に公共の建物、職場、学校、病院、高齢者施設における効果的かつ十分な換気(外気の供給、最小限度の空気の再循環)
  • 通常の換気に局所排気装置、高性能エアフィルター、紫外線などを併用
  • 公共交通機関や公共の建造物内における密集の回避
 ⇩ (WHOの公式回答)
  • これまでに得られた科学的根拠に基づくと、新型コロナウイルスの主要な感染経路は飛沫感染と接触感染だと考えられる。
  • 空気感染は医療機関でエアロゾル産生手技を実施した場合に起こると考えられる。また、屋内の人が密集した環境において空気感染の可能性が除外できない集団感染事例が報告されている。
  • 今後もこまめな手指衛生、可能な場合はフィジカル・ディスタンシングを継続するとともに、人が密集した換気の悪い密閉空間を避け、そのような場所にいるときには布製のマスクを着用して他者に感染させることを防ぎ、換気や適切な清掃・消毒に努める必要がある。
 ⇩(WHOの回答の根拠)
  • 新型コロナウイルスが空気感染を引き起こすために必要なエアロゾルの濃度やウイルス量について、まだよくわかっていない。
  • 新型コロナウイルス以外のウイルスが、通常の会話や咳の際に放出されて空気中を浮遊する場合があることは以前から報告されているが、新型コロナウイルスがこのような経路で感染することは確認されていない。
  • 密閉されたドラムの中にジェットネブライザーで新型コロナウイルスを注入した実験では、3~16時間後にもウイルスの遺伝子が空気中から検出されているが、人間が咳をした状況とは異なるので現実世界で同じことが起こるとは言えない。
  • 病院やその他の環境において、大量の空気中から少量のウイルス遺伝子を検出したとの報告はあるが、活性のあるウイルスを検出したという報告はない。
  • 医療従事者を対象とした最近の研究では、新型コロナウイルス感染症の患者に対してエアロゾル産生手技を実施しない場合には、飛沫感染と接触感染を防ぐ対策を適切に実施している限りにおいて、院内感染は起きていない。
  • 医療機関以外で、三密空間で空気感染が起きた可能性が否定できない集団感染事例が発生しているが、飛沫感染と接触感染によって起きたという説明も可能な状況である。
・WHOは、「空気感染が起こる可能性は除外できない」(cannot be ruled out)と否定も肯定もしていない一方で、専門家は「空気感染はあり得る」(likely)と温度差がある。
・空気感染に関しては決着はついていないが、現状での理解は、「三密空間において空気感染のリスクはゼロではなく、特に流行地域では1人の感染者から一度に複数に感染するスーパー・スプレディング・イベント(superspreading event)に遭遇する可能性がある」でよいのではないか。
・逆に、三密空間ではない場所や屋外では空気感染を恐れる必要性はほとんどない。エアロゾル産生手技を行っていない医療現場などでも空気感染の心配はない。


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