徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

今年も「入園症候群」の季節

2013年04月28日 19時31分04秒 | 小児科診療
「入園症候群」が気になる頃
 春に保育園・幼稚園に入園されたお子さんとご家族の方、おめでとうございます。 入園して数週間が経過し、少し慣れてきた頃でしょうか。 と共に、風邪を繰り返すお子さんが目立ってく...


 2月からずっと閑古鳥が鳴いていた当院外来ですが、4月下旬になり風邪で受診する幼児が増えてきました。
 昨年のブログに今日の日付で「入園症候群」について書いていましたね(上記を御参照ください)。
 今年もその季節になりました。

 昨年と少し違うところと云えば、肺炎球菌ワクチンが一般化して中耳炎を反復する子どもが減ったことでしょうか。
 知り合いの耳鼻科の先生の話でも、中耳炎で鼓膜切開する頻度や長く通院する患者さんが以前より目立たなくなってきたとのこと。

 みなさん、ヒブと肺炎球菌ワクチンは乳児期前半からスケジュール通り受けましょう。
 反復性中耳炎によるエンドレスの耳鼻科通院(実は私の幼児期もそうでした)が減ることが期待できますよ。
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風疹流行止まらず・・・10人目の犠牲者(先天性風疹症候群)

2013年04月26日 05時49分06秒 | 小児科診療
風疹の流行が続いています。
患者自身は3日間の微熱と発疹という症状で済みますが、その被害者・犠牲者とも云うべき赤ちゃん(先天性風疹症候群、CRS)が増えてきています。

新たに風疹で赤ちゃんに障害
(2013年4月25日 NHK)
風疹が流行するなか、神奈川県で新たに1人の赤ちゃんが、母親が妊娠中に風疹に感染したことで、心臓や目などに障害が出る「先天性風疹症候群」と診断され、去年からの流行で風疹によって障害が出た赤ちゃんは全国で合わせて10人となりました。
風疹は、妊娠初期の女性が感染すると、生まれてくる赤ちゃんが、心臓や目や耳などに障害が出る先天性風疹症候群になるおそれがあります。
神奈川県によりますと、1人の赤ちゃんが先天性風疹症候群と診断されたと、先週、医療機関から相模原市の保健所に届け出があったということです。
神奈川県内ではことしに入ってから今月21日までに風疹の患者が662人報告されていて、去年の同じ時期の110倍に上っています。
先天性風疹症候群と診断された赤ちゃんは、ことしになって全国で5人目で、去年から続く流行では合わせて10人となりました。
風疹について、多くの妊婦からの相談に応じている、国立成育医療研究センター産科の久保隆彦医師は、「これまでにない風疹の流行で、妊婦と生まれてくる赤ちゃんが脅威にさらされている。風疹の流行を食い止めるために、抗体のない成人の男性や女性はワクチンを打ってほしい」と話しています。


この風疹流行の原因は予防接種をしなかった年代が放置されてきたことです。
各自治体で風疹ワクチン接種金額の補助が始まりつつありますが、本来は国の政策の欠陥ですから、厚生労働省は「ワクチンを接種しましょう」との呼びかけだけでは無責任なのではないでしょうか。

★ 「ストップ風疹」(NHKの特集サイト)
★ 「風疹と母子感染2012年版」(日本産婦人科学会)
★ 「風疹予防接種のお願い」(先天性風疹症候群のお子さんを持ったお母さんのHP)

日本は健康教育レベルが低く、他人からうつされて患者になることは「被害者」との認識にとどまり、新たに「加害者」になる可能性も持ち合わせるという認識が甘いとつくづく感じます。
ワクチン接種は自分の体を守ることのみならず「弱者を感染症から守る方法」であると義務教育で是非教えていただきたいと思います。
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同級生が市長になった日。

2013年04月23日 06時58分26秒 | 日記
 日曜日(4/21)に行われた足利市長選挙。
 立候補者は二人で、現職の大豆生田実氏と新人の和泉聡氏の一騎打ちとなりました。
 実は二人とも私の母校である足高出身で、現職は2年後輩、新人候補は同級生なのです。
 つくづく、社会に責任を持つ年代になったのだなあ、と感じます。

 残念ながら大豆生田氏には面識がありませんが、同級生の和泉氏の人柄は記憶に残っています。
 いつも単語帳を片手にしていた英語のスペシャリストで、成績もトップクラスでした。

 大学受験が終わった3月(もう30年前ですが)に市営運動公園でジョギングをしている姿を見かけたことがあります。
 「あれ、受験落ちちゃったのかな?」
 と、私には浪人生活に向けての体力造りに見えました。
 が、そんなことはなく、彼は早稲田の政経学部に現役合格し、卒業後に朝日新聞社入社、ハーバード大学大学院へ社費留学し、サンパウロ支局長、栃木県の宇都宮総局長を歴任というエリートコースを歩んできたのでした。
 以上、私の印象は「天才型ではなく、泥くさい努力型」「女性にもてる男ではなく、男達から一目置かれる存在」です。

 その彼が50歳を迎えるこの春に、今までの地位を投げ捨てて足利市長選に立候補しました。
 体力の衰えを感じずにはいられないアラフィフの身を新たな分野に投げ入れるには、相当な覚悟が必要です。
 きっと宇都宮総局長をしている間、故郷の足利がジワジワと衰退していく姿を見てたまらなくなったのでしょう。
 影ながら応援したい気持ちが膨らみました。

★ YouTube「2013,04 和泉聡映像メッセージ
★ YouTube「茂木敏充経済産業大臣からの応援メッセージ」(茂木氏も足高の先輩)
★ 「足利市長選挙2013公開討論会」(足利テレビ)

 選挙の結果、僅差で和泉氏が当選しました。
 おめでとう。
★ 「足利市長選 和泉聡氏当選」(NHK ONLINE)

 「街を二分した選挙戦」と新聞ははやし立てますが、同じ地元高校出身者が故郷を想う心はそう変わらないと思うので、これからは協力して足利を盛り上げていっていただきたいと切に願う次第です。
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ココア・マジック!

2013年04月18日 06時40分12秒 | 小児科診療
 さて、当院では小児科では珍しく漢方薬を処方しています。
 といっても漢方専門ではなく、西洋医学の薬物療法では効果が今ひとつで「もう少し何とかならないかなあ」という場合に「漢方を試してみますか?」と遠慮がちにお勧めするというスタンス。
 最初から処方すると面食らう患者さんが結構いますので(苦笑)。

 主な対象疾患は・・・
鼻汁:サラサラ鼻汁が止まらないとき(花粉症の鼻汁もOK)、色つき鼻汁(=青っ洟)で鼻が詰まってつらそうなとき
便秘:西洋医学の下剤がなかなか止められないとき、下剤を使うとお腹が痛くなってしまう子ども
湿疹:乾燥肌~アトピー性皮膚炎、汗疹、水いぼ
夜泣き・寝ぼけ:西洋医学では「年齢依存の一過性のものなので様子を見ましょう」としか云われませんが、漢方では複数の薬が用意されています。
虚弱児:風邪を引きやすい、食が細い、線が細い、便通が不安定(便秘気味/下痢気味)、ストレスがお腹にきやすい(朝になるとお腹を痛がって登園をぐずる)
 等々。
 上手く飲めて想定外の効果を実感し、リピーターになる方も少しずつ増えてきました。

 漢方医学は1000年昔に中国から伝わった医学が日本で独自に進化・熟成した医学であり、名前からイメージしやすい「漢方=中国医学」ではありません。
 あえて言えば、明治時代に西洋医学が導入される以前の日本の伝統医学ですね。
 つまり、日本の風土・民族に長い時間をかけてカスタマイズされてきた薬物療法なのです。
 先人の知恵の結晶とも呼べる薬を利用しない手はありません。

 ただ、甘いお菓子が氾濫している現代に、にがい味の薬を飲ませるのはお母さん方にとって一苦労。
 今までもいろいろ漢方関係の本を読み、セミナーや講演会に参加して子どもへ飲ませる方法について情報を集め、服薬指導してきました。
 でも、飲んでくれる子どもがなかなか増えません。

 どうしたものか・・・。

 そこで昨年(2012年)春に、一念発起してスタッフみんなで漢方味見大会を行い、どんな工夫をしたら飲ませることができるかを探求しました。
 日頃処方頻度の高いエキス剤を中心に、身近な食材に混ぜたり溶かしたりして味がどうなるかを自身で味わってみたのです。
 すると、ただ「これに溶かすと飲みやすくなりますよ」では解決しない小さなハードルがたくさんあることに気づきました。

 当院で採用しているツムラのエキス剤は大きめの顆粒(インスタントコーヒーのフリーズドライの細かいもの)です。
 水では溶けきれずツブツブ感が残ると子どもは嫌がるし、それが口の中に残って溶け出すと漢方本来の味が出てくるので、それを味わってしまうと次に飲ませるときに口を開けてくれません。
 そこで、何かに溶かす前に「前処理」として袋の上からマジックインキを転がしてつぶしたり、袋を開けてすりこぎでつぶしたりして細かくしてみました。
 すると溶けやすくなるしツブツブ感がなくなるので苦い後味が軽減することがわかりました。
 また、水で溶けにくい場合は、電子レンジで20-30秒間「チン」すると溶けてくれます(その後冷ましてくださいね)。

 混ぜて味を誤魔化す目的の食材・材料も10種類以上試し、結果をまとめて「漢方味見表」を作成しました。
 他のノウハウも含めて、味見大会の細かい内容は当院HPに公開していますので御参照ください。

★ 「漢方薬の上手な飲ませ方

 漢方味見表の評判は上々で、学会でお会いした全国の小児科医達からも「あれ、参考にしてますよ」と声をかけられました。
 一方「あの薬はやってないんですか?」とのリクエストも。

 季節は巡りまた春がやってきました。
 この時期は診療に余裕ができますので、続編を作るべく味見大会を再開しました。
 昨年の反省に立って、より手に入りやすい材料を用いるように努め、できるだけ手間がかからない方法を模索しているところです。
 今回は子どもに処方することの多いエキス剤に加えて、皮膚疾患に使用する苦~いエキス剤にも挑戦しています。

 そこで大きな発見をしました。

 ココアは万能。

 ココアは昨年の成績でも、すべてのエキス剤に混ぜても◎という快挙を成し遂げたオール5の優等生でした。
 他に牛乳やアイスも善戦しましたがココアには及びません。

 今年の苦~いエキス剤に唯一対応できたのもこのココアです。
 どんな味でも消してくれる不思議。
 なぜ?と素朴な疑問を持って調べてみたら、意外な事実が判明しました。

 ココアは「味をごまかす」のではなく「味覚をブロックする」のです。
 ココアに含まれる脂肪分(ココアバター)が味蕾の味覚受容体をコーティングしてそれ以降の反応を起こさせないというメカニズム。
 特に苦味受容体は疎水性(親油性)なので、ココアバターがくっつきやすいらしい。

 なるほど。
 これぞ、ココア・マジック!

 メーカーHPのQ&Aによると、ココアは1歳前後から飲んでも良いとのこと。
 ココアを投薬のたびに飲ませることに抵抗のあるお母さんには、ココア+麦芽エキス+栄養素配合の健康飲料として有名な「ミロ」もお勧めです。
 メーカーHPによると、ミロは1歳半頃から使用可能です。
 なお、ココアとミロには少量カフェインが含まれていますが、その量はインスタントコーヒーの10分の1程度で、カフェインレス・コーヒーと同程度だそうです。

 さらに、0歳の乳児にも安心して使用できる食材はないかどうかも検討中です。
 ある程度結果がまとまりましたら、5月を目途にHPへアップする予定です。
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子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の副反応について ~続報~

2013年04月14日 22時40分53秒 | 小児科診療
 国会での質疑応答、被害者の会の記者会見と、話題になっています:

■ 福島みずほのどきどき日記「子宮頸がんワクチン接種で1926件の副反応」2013年04月01日(Mon)

 私の目から見ると、福島さんは「副反応」と「有害事象」を混同しています。
 また、ワクチンの製造方法と認可が迅速だったことに疑問を呈しています。
 導入に積極的だった女優の仁科明子さんや、今や国会議員の三原じゅん子さんのコメントを聞きたいところです。

 一方、公明党のHPには以下の記事が掲載されています:

子宮頸がんワクチン副反応報道(公明新聞:2013年4月13日付)
 WHOも接種呼び掛け 各国で有効性・安全性は実証済み 今野良・自治医大医療センター教授に聞く

 子宮頸がんワクチン(HPVワクチンと呼びましょう)の副反応とされている「失神」や「複合性局所疼痛症候群」はワクチン液そのものの毒性ではなく、予防接種という「痛み」を伴う処置が原因であることを明言しています。
 私もこの意見に同意します。

副反応報道に「子宮頸がんワクチンは従来通り安全」メディカルトリビューン2013年4月11日
子宮頸がん予防ワクチン(HPV ワクチン)副反応報道について(日本産婦人科医会)2013年4月9日

 これらの資料を読んで「副反応」と「有害事象」の違いを理解し、冷静に判断しましょう。
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子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の副反応について

2013年04月06日 06時51分17秒 | 小児科診療
 先日から話題になっているHPVワクチンによる副反応。
 風疹流行~先天性風疹症候群が社会問題化した際には沈黙していたワクチン反対派が一気に活気づいている印象があります。

 正しい判断には感情論に走らない正しい情報が必要です。
 私が「信用できる」と感じた情報をピックアップしておきます;

女子中学生、子宮頸がん予防接種で副作用
(2013年3月11日 読売新聞)
 東京都杉並区が無料で行っている子宮頸がん予防ワクチンの接種で、区内の女子中学生が2011年10月に接種後、手足のしびれなどの症状が出ていたことがわかった。1年以上通学できないほど重い副作用の症状だったことから、区はワクチン接種が原因として医療費などの費用を支給する。
 生徒の母親によると、生徒は中学1年の時に、子宮頸がん予防ワクチン「サーバリックス」を区内の診療所で接種。直後に、発熱や嘔吐のほか、腕、肩、背中のしびれの症状が出て、翌日から10日間入院した。
 退院後も足のしびれで車いすを使う状態が続き、今年1月までほとんど通学できない状態だったという。その後、症状が快方に向かっているため、通学を再開したが、関節痛と頭痛は続いているという。
 厚生労働省によると、同ワクチンは2009年12月から使用が始まった。12年8月末までの間に、失神や発熱など956件の副作用が医療機関から報告されており、死亡例も1件あるという。
 区の担当者は「任意の予防接種とはいえ、区も国も勧めている予防接種で副作用があった。お見舞いを申し上げ、誠心誠意対応したい」としている。


 私は小児科医なので今までには予防接種を万の単位で行ってきましたが、このような事例に出会ったことも耳にしたこともありませんでした(だから否定するわけではありません)。
 今回のHPVワクチンの接種上の特徴として「筋肉内注射」と「思春期以降の女児対象」が挙げられると思います。
 そこに副反応を解析するヒントが隠されているのかもしれません。

 誤解されている方がいらっしゃいますので、「皮下注射」と「筋肉内注射」について簡単に説明しておきます。
※ 参考:ワクチンの種類と投与経路(Vaccipedia)
 従来の日本の予防接種のほとんどは「皮下注射」でしたが、HPVワクチンは世界標準にならって「筋肉内注射」が採用されました。
 皆さん、何となく「筋肉内注射の方が痛い」と思い込んでいませんか?
 実は、しっかり深く針を刺して筋肉内に注射すると、皮下注射より痛みが少ないことが報告されています。
 もし痛みが強い場合は、勘違いした医師が「可哀想だから」と手加減して浅めに注射し、筋肉に達していない場合かもしれません。
 誤った知識による気遣いが「あだ」になってしまうのですね。

質問なるほドリ:子宮頸がんのワクチン、重い副反応が出るの?
◇予防接種との関係は不明 国に被害者救済拡充と説明責任
(毎日新聞 2013年03月31日)

 なるほドリ 子宮頸(けい)がんのワクチンを予防接種した中学生や高校生に、重い副反応(ふくはんのう)が出たというニュースを聞いたよ。お母さんたちが被害者連絡会をつくったそうだけど、何だか心配だなあ。
 記者 気持ちはよく分かるけれど、まずは事実を冷静に見ることが大事です。
  どういうこと?
  中学生たちに出た副反応は、複合性局所疼痛症候群(ふくごうせいきょくしょとうつうしょうこうぐん)といいます。手足や肩などに痛みが生じ、歩けなくなるのが特徴です。
  ふーん。
  こうした副反応が出たら、医療機関や製薬会社は国に事実を報告します。これを「有害事象報告(ゆうがいじしょうほうこく)」と呼びますが、すべてが薬との因果関係があるとは限りません。偶発的に生じた症状も含まれます。
  どれくらい報告があるの?
  日本で現在受けられる子宮頸がんのワクチンは「サーバリックス」「ガーダシル」の2種類です。サーバリックスは09年12月の発売から昨年末まで約684万回接種され、88例(0・0013%)の重い副反応が、ガーダシルは11年8月の発売から約145万回接種され、13例(0・0009%)の重い副反応が報告されました。この中には因果関係が分からないものも含まれています。
  歩けなくなったこととワクチン接種は因果関係があるの?
  分かっていません。厚生労働省安全対策課によると、この症候群はインフルエンザのワクチン接種の後や、献血、ペースメーカーの施術などでも起きています。発生率は100万~150万人に1人くらいだそうです。自治医科大学付属さいたま医療センターの今野良教授のように「ワクチン成分との因果関係はない」と強く主張する声も多く、解明は難しいのが実情です。
  他の国では?
  英国や米国など他の先進国でも、同じくらいの副反応報告があります。ただ、どの国も接種を中止してはいません
  そうは言っても、被害者の救済は必要じゃない?
  国による救済制度はありますが、因果関係がはっきりしないと、申請しても認められない例が多いようです。
  子宮頸がんワクチンの予防接種は、国の定期接種になるんだよね。大丈夫?
  今国会で関連法が成立し、定期接種になって無料で接種を受けられるようになります。被害者を救済する仕組みをどう拡充するかが今後の課題。国は被害者の症状をよく調べ、国民に詳しく説明する必要があります。被害者の中にはワクチンの効果を疑問視する声もあるので、こうした疑問にもしっかり答えることが必要です。


 ここで登場した「複合性局所疼痛症候群」という病名。
 私は初耳です。
 どんな病気? ・・・ネット上で参考になったHP;

採血後の痛み…「複合性局所疼痛症候群」(All About:西園寺 克先生)
「複合性局所疼痛症候群」って何?(ドクター・ざーさんの雑学メモ)
複合性局所疼痛症候群 Complex regional pain syndrome: CRPS(立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」)
CRPS(複合性局所疼痛症候群)の基礎知識(行政書士のHP)

 これらを読むと「複合性局所疼痛症候群」の原因はHPVワクチン液ではなく「注射という痛みを伴う処置」であることが容易に想像できます。
 つまり、HPVワクチンにとってはこの騒ぎは「濡れ衣」ということになり気の毒です。
 また「発生率は女子のほうが高く、特に小児では女児のほうが多い」との記載もあります。
 採血・注射の処置をする際には事前に「50~150万人に一人の頻度で複合性局所疼痛症候群が発症するリスクがあります」と説明し、疑わしい症状が出たらペインクリニックを紹介することが正しい方針ですね。

子宮頸がんなど3ワクチン、4月から定期接種の対象に
(朝日新聞:2013.3.30)
 子宮頸(けい)がんなど3ワクチンを定期接種に加える予防接種法改正案が29日、参院本会議で可決、成立した。4月1日に施行される。公的な接種になることで、重い副作用が起きた場合に手厚い補償が受けられるようになる。
 ほかに追加されるのは、乳幼児の細菌性髄膜炎の原因になるインフルエンザ菌b型(ヒブ)と小児用肺炎球菌のワクチン。3ワクチンは2010年度から暫定的に公費助成されてきた。子宮頸がんは小学6年~高校1年、ヒブと小児用肺炎球菌は生後2~60カ月が定期接種の対象となる。
 子宮頸がんのワクチンを巡っては、ほかのワクチンに比べて副作用報告が多いと懸念する声がある。失神やけいれんが目立つことから、厚生労働省は「注射針を刺すことが影響している可能性がある。中止するほどの重大な懸念はない」としている。予防接種法で国の救済制度が適用されれば、針を刺すことによる健康被害も医療費や障害年金の支給対象になる。
 今回の法改正で、副作用情報を早く集めるため、医療機関に副作用の情報提供を義務づけた。


 と厚労省はスルーしていますが、このままでは終わりそうにありません。

はた ともこ議員の厚生労働委員会での子宮頸がんの有効性に関する質疑

痛みに苦しむ少女多数…子宮頸がんワクチン被害者連絡会が発足
(産経新聞 2013年3月26日)
 子宮頸(けい)がんワクチンの予防接種を受けた女子中高生らの一部に重い副反応が出ている問題で、東京都杉並区内の被害者家族5人や医師らが25日、千代田区永田町の星陵会館で記者会見し「全国子宮頸癌(がん)ワクチン被害者連絡会」(約50人、池田利恵事務局長)を結成を発表した。
 連絡会は同日発足。設立趣意書によると、情報の収集、共有、広報を通じて、被害拡大を防ぐ活動に取り組む。
 会見で杉並区内の母親は、一時登校できなくなり、いったんは回復に向かった中学生の娘が再び歩行困難になった近況を報告。「激しい痛みが体のあちこちに移動する症状に苦しむ少女が多数いる現実を直視してほしい。積極的な調査をすれば、共通する症状が見えるはず」と訴えた。
 別の母親も「接種部と痛む部位が異なるとして救済されない壁に直面している。定期接種化でさらに多くの子供に接種するなら、情報提供、専門家による治療など支援態勢を充実してほしい」と述べた。
 同会には北海道をのぞく26都府県から相談が寄せられている。近く町田、多摩両市議会が接種に関する意見書提出を検討している。


 今回発表されたHPVワクチンの副反応は、この複合性局所疼痛症候群だけではありません。ただし、因果関係があるのか疑問を持たざるを得ない報告もあります。
 ワクチンの安全性に不安を抱く国民に対して、納得のいく説明していただきたいと思います。
 接種を受ける国民も「ワクチンは医薬品であり100%安全なものはあり得ない、病気に罹ったときの重症度とワクチンの副反応のリスクを秤にかけて接種すべきかどうか判断する」習慣を持つべきです。

 また、マスコミはいらぬ不安を煽るような報道は控えていただきたい。
 日本以外の国々ではどのように扱われているのか、平行して報道していただきたいと思います。

 予防接種を行う医師は、その副反応に対応できることが資格条件と考えます。
 この「複合性局所疼痛症候群」は小児科医の私にとって不慣れな疾患ですので、当面の間、HPVワクチンの取り扱いを停止しました。
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巣立ちの朝に

2013年04月02日 07時37分59秒 | 日記
 今朝はあいにくの雨。
 その中を、大学に入学する長男が東京へ向けて出発しました。
 校内の学生寮に入寮することになります。

 彼にとって輝ける未来への扉が開く記念すべき日。
 ぜひ、青春を謳歌して欲しいと思います。

 一方、親の私にとっては子育て一段落状態。
 家族が一人減った生活に慣れるのにしばらくかかりそうです。

 思い起こせば約30年前、私自身も青森県の大学学生寮に入寮したのでした。

 その時は父親が付いてきてくれました。
 ただ、当時の私は親の期待・干渉から逃れたい一心で遠く離れた大学を選んだので、部屋に入って落ち着くと「もういいよ」とつれなく父親を追い出してしまいました。
 父親の少し寂しそうな表情が記憶に残っています。
 
 私の父親は昭和3年生まれで、既に鬼籍に入っています。
 戦争を経験し、兄弟が多かったので進学もままならず、就いた仕事も夢見た職業では無かったかもしれません。
 その悔しさの反動が子どもへの期待に変わるのは、時代的に無理からぬ事でした。
 しかし、そのプレッシャーにつぶれてしまう子どもたち(引きこもりなど)が作り出されて社会問題になったことも確か。
 まあ、親子関係というものは、人間の性格だけではなく時代の影響もあり、どれが良いとか悪いとが言いにくいものではあります。

 そして今、私は父親側の立場になりました。
 自分の経験から、できるだけ期待や干渉はしてこなかったつもりですが、皆無とは言えません。

 地元の足利市出身の書家である相田みつを氏の言葉を巣立つ彼に送りたいと思います;


子供への一首

 どのような道を
 どのように歩くとも

 いのちいっぱいに
 生きればいいぞ


 う~ん、やはり相田みつをさんの字でないと雰囲気が今ひとつ出ませんね。
 ネットで見つけた画像を拝借;

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