徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

フレンチオープン・テニス始まる!

2010年05月26日 06時22分28秒 | テニス
今年もローラン・ギャロスにてフレンチ・オープンが始まりました。
日本選手も何人か出場していますが、私の注目は錦織圭と伊達公子(クルム伊達)。

錦織選手は日本のホープ。松岡修造以来の逸材と云われています。
空中殺法「エア・ケイ」は彼のコンパクトで安定したスイングでなければ成り立ちません。
しかし、現在の世界ランキングは200位圏外まで落ちています。
肘の故障・手術でテニスラケットをしばらく握ることができなかったのです。今回は復帰戦となり、本人曰く「コンディションはピーク時の50%」の状態で臨みました。

1回戦の相手は南米のサンティアゴ・ヒラルド(22歳)。
世界ランキング50位と急上昇中の若手で、長身でクレーコートを得意とする粘り強い選手です。

案の定、錦織選手の動きは今ひとつ。サーブも安定しません。
相手のサービスゲームをブレイクできず、競っている間に逆にブレイクされ、最初の2セットはヒラルド選手が先取し「もはやこれまでか・・・」というところまで追い込まれました。
実は私は諦めて寝てしまいました。
翌朝、ゲーム結果をネット検索すると「錦織逆転勝利!」とあるではありませんか!
第三セットもサーブスブレークはできなかったのですが、粘りに粘ってタイブレークをもぎ取り、第4・5セットは逆にブレークして制したのでした。
やはりただ者ではない・・・彼の精神力に脱帽です。
まだまだ伸びていく選手ですね。

もう一人の注目選手、クルム伊達。
古くからのテニスファンである私には「伊達公子」選手の方が馴染みます(苦笑)。
彼女は1990年代に活躍した日本のトッププレーヤーで、当時世界ランキング4位まで上がりました。これは未だに日本選手最高位記録です。

昨今の女子テニス界はラケットをぶんぶん振り回して強打する男子顔負けのパワーテニス全盛の時代ですが、伊達選手のスタイルは違います。コンパクトなスイングでフラット系のライジング・ショットを得意とします。ラケット面の作り方は天下一品で、ホントお手本です。

彼女は一旦現役を引退していました。
当時「20歳代後半まで現役を続けるなんてシュティフィ・グラフくらいよ。」と言葉を残して去っていったことが印象に残っています。近年、13年振りに復帰したことは皆さんご存じですね。
当年39歳ですから、頑張りすぎるとあちこち体が故障します。今回も膝に爆弾を抱えての出場となりました。

クルム伊達選手の1回戦の相手は、なんと昨年のフレンチオープン・ファイナリストのサフィーナ。
申し分ない相手・・・というより前評判は「負けて当然」のカードでした。

その試合を、わが家では珍しく家族でTV観戦しました。
一家で見るなんてめったにないのですが、伊達選手のプレイに釘付けになってしまったのです。
若いサフィーナは、ドライブをかけたスピードショットを放っても、それがライジングでもっと速い球足で返ってくることに戸惑い、攻めきれず、むしろ苛立って大声を上げる場面が何度もありました。
一方、伊達選手は無理のない動きで淡々とテニスをするだけ。時に苦笑いしたり・・・ベテランの余裕さえ感じました。

第一セットは落とし、第二セットを取り、勝負の第三セット。
けいれんした足を引きずりながらも、ショットの切れは抜群でした。
一本一本のストロークは深く、センターの位置からもコーナーを攻め分ける技術は、サフィーナより一枚上手に見えました。
最後はサフィーナの集中力が途切れ、ミスを連発して伊達選手に勝利が転がりこんだのです。

満身創痍の39歳の快挙!
勇気と元気をもらった一夜でした。

<二人のその後>

■ 錦織圭;
 2回戦はノバク・ジョコビッチ(世界ランキング3位)の胸を借りることになりました。結果的にはストレート負けですが、ストロークは互角に見えました。ただ、ここぞという時の集中力はジョコビッチが勝り、重要なポイントを悉く奪われてしまうことにランキングの差を感じました。エースを取れるサービスが復活し、試合感を取り戻せば、すぐにトップ50位以内に戻れる実力がありますね。

■ クルム伊達;
 2回戦は格下の相手でしたがストレート負け。伊達さんの足は2日前の疲労から回復せず、思うように体が動かない本人のもどかしさが画面からも感じられました。あの年齢でフルセットを戦い足に故障を抱えていると、回復に1週間以上かかるでしょう。

<フェデラー敗れる!>
 驚きました。
 世界ランキング1位、現役最強のフェデラーがベスト8で姿を消してしまったのです。
 対戦相手は昨年の決勝で退けたスウェーデンのソダーリング(世界ランク7位)。
 私は雨で中断する第三セットまでTV観戦していました。
 確かにソダーリングの高速・鋭角ショットが面白いようにコーナーに決まり、昨年から一皮むけた印象を受けましたが、フェデラーも調子は悪くない様子、まあ要所を締めて勝つだろうと思いきや・・・翌日のニュースで敗戦を知りビックリ。
 ソダーリングが終始強気で攻めきったのですね。あの集中力を維持できたことより、精神力の強さも伺えます。

 これで昨年のナダルからの勝ちがまぐれではなかったことが証明されました。
 この好調さを維持すれば決勝まで勝ち進むことでしょう。
 ナダルとの再戦が楽しみになってきました。
コメント
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