徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

批判するのは簡単だけど・・・

2011年04月30日 06時00分57秒 | 日記
 未曾有の災害である東日本大震災。
 自然災害と云うには規模が大きすぎます。津波の被害は東北~北関東の海岸沿いに広がりどこから手をつけてよいのかわからない状態、それに加えて福島第一原発の事故発生。
 この原発災害は最悪の「レベル7」と認定され、日本のみでなく原発を推進する世界各国への踏み絵になり得るものです。

 例えは悪いかもしれませんが、戦争被害レベルの認識が必要でしょう。

 この災害に対して日本政府は「挙国一致」で対応しているでしょうか。

 原発を推進してきたのは自民党であり、谷垣氏はプライドを捨てて入閣し泥をかぶる覚悟が必要なのではないでしょうか。
 「民主党の対応はなっていない」と批判しているだけでは、野党のまま空中分解する未来しかありませんよ。
 民主党の小沢氏は「今がチャンス」とばかりに菅政権批判・・・政治家なら困っている人たちのために働きなさい!

 東京電力も政府も手探り状態で四苦八苦しながら対応に追われています。
 誰がやってもみんなが納得する理想の対応なんて取れるはずがありません。

 国民の募金、スポーツ選手の「日本はひとつ」というスローガン、海外からも「日本のために祈っています」というメッセージに癒される一方で、自分のことしか考えていない政治家の行動が悲しいほど目につきます。

 国民はじっと見ています。

 
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スギ・ヒノキ花粉は5月上旬まで悲惨(飛散)

2011年04月26日 06時30分27秒 | 小児科診療
 4月22日付で環境省がスギ・ヒノキ花粉飛散の終息時期の予想を発表しました。

<平成23年春のスギ・ヒノキ花粉の飛散状況及び終息時期について>

1.今シーズンのスギ・ヒノキ花粉の総飛散量は、四国や近畿、東海、甲信、関東及び東北地方で未だ非常に多い状態で推移しています。

2.スギ花粉の飛散については、九州のほとんどの地域、中国、四国、近畿地方の一部については既に終息していると見込まれます。また、それ以外の九州、中国、四国、近畿地方、及び東海、甲信関東地方南部では4月中にほぼ終息すると見込まれます。北陸、関東地方北部及び東北地方南部では5月上旬に、東北地方北部及び北海道では5月中旬に終息すると予測されます。

3.ヒノキ花粉の飛散については、九州と四国のほとんどと中国、近畿地方の一部は4月中に終息する見込みです。それ以外の九州、中国、四国、近畿地方、及び東海、北陸、甲信、関東地方は5月上旬、東北地方は5月中旬まで飛散が続く見込みです。


 これによると、当地域(関東地方北部)はスギ・ヒノキともに5月上旬に終息するとのこと。
GW中はまだつらい症状が続くことになります(涙)。
 今シーズンの飛散開始は例年より1~2週遅れたようですが、終了も遅れがちなのかな(特にスギ)。

★ 参考HP:「環境省花粉情報サイト
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野立て看板完成

2011年04月26日 06時18分45秒 | 日記
 国道122号線沿いの野立て看板に空きを見つけ、思い切って契約しました。

 開業当時、資金不足から看板が思うように立てられませんでした(笑)。
 電信看板2枚(今は1枚)と、細長の立て看板1枚だけ。

 しかし患者さんから電話で問い合わせをいただいてもスタッフが場所を説明するのが大変なことがわかり、いつかは欲しいなあと思っていたところに・・・ちょうどよい場所に発見。

 大きさは畳6枚分!
 遠目にはそれほど大きく感じないのですが、近くに立って眺めると実感します。
 
 看板屋さんは仕事が速く、依頼して1週間で完成しました。
 ニコニコマークも健在で、出来映えにも満足してます。
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麻疹がまた流行の兆し

2011年04月21日 06時24分02秒 | 小児科診療
 4年前(2007年)に東京の大学生中心に流行した麻疹。

 それまで、日本は「麻疹の輸出国」として海外から非難されていました。
 流行を機会にワクチン2回接種を開始して定期化へ進んだところ、患者数は減少して一転「麻疹輸入国」へ変貌を遂げるに至りました。

 その麻疹が、また東京で流行始めているという記事を見つけました;

「はしか感染拡大の恐れ 未接種者はGW前にワクチンを」 
2011.4.21 (産経新聞)

 はしかが感染拡大する懸念が出始めている。今のところ全国的な流行はみられないが、東京都で4月1日から18日にかけて、例年の4倍にあたる24人の患者を確認。局所的に感染が広がっている可能性があり、国立感染症研究所感染症情報センター第三室の多屋馨子室長は「はしかはワクチンが唯一の感染予防法。予防接種を受けていない人は、人の動きが活発になるゴールデンウイーク前に接種してほしい」と呼びかけている。

 国内では平成17年に大学生を中心に大流行したが、ワクチン接種率の上昇に伴い感染者は年々減少。一方で海外から持ち込まれる“輸入例”の割合が増えており、21年は全体の2・4%だったが、昨年は7・3%、今年は28%にまで増えている。

 東京都で今月確認された感染者も、遺伝子検査を行った16人のうち、10人は海外で流行しているタイプのウイルスに感染していた。1人はヨーロッパから東日本大震災取材のために来日した外国人記者で、母国で感染し日本国内に持ち込んだとみられている。

 記者は都内や近郊の被災地で取材活動をしていたが、この記者からの感染拡大は今のところ確認されていないという。


 麻疹は空気感染します。つまり、接触が無くても同じ部屋にいるだけで感染してしまうのです。隔離措置が十分とれない避難所での流行が懸念されます。
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B型インフルエンザ流行

2011年04月20日 06時32分48秒 | 小児科診療
 B型インフルエンザが小流行しています。
 毎年3月中心に流行するのですが、今シーズンはあまりみかけず「目立った流行にならずに終わるのかな・・・」と思っていたところ、4月中旬からチラホラ発生し、今週に入り市内で学級閉鎖が始まりました。
 症状は高熱、咳鼻、筋肉痛・関節痛、胃腸障害などで、A型と比較するとやや穏やかな印象がありますが区別できるほどではありません。
 「わたしはワクチンを接種してあるから大丈夫」と安心は禁物。残念ながらB型にはワクチンの効果があまり期待できないのです。
 予防法は手洗いが有効です。症状のある人はマスク着用をお願いします。うがいは有効性が乏しく、やらないよりマシ程度です。

★ インフルエンザ脳症のリスクを挙げる薬
 解熱鎮痛剤が有名ですが、その他に下記薬剤は「原則として子どものインフルエンザに使用してはいけない」ことになっています。処方された薬の名前をご確認ください。
 幼児用PL配合顆粒 ピーエイ配合錠 LL配合シロップ小児用 など
 
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「『少年の日』美術館」

2011年04月08日 06時02分12秒 | 日記
 栃木県佐野市の街外れ、というより山裾に小さな美術館があります。
 その名は「『少年の日』美術館」と云い、安藤勇寿画伯の個人美術館です。
 
 昨年「鎮守の森巡り」の途中で発見し、でも夕刻が迫り立ち寄れなかったので、昨日サクラ見物の際に訪ねてみました。

 展示室には昭和の北関東の田舎に遊ぶ子ども達の絵が並んでいました。
 まだモノがあふれていない時代、子どもは友達と遊ぶことしかすることがなかった懐かしい時代のぬくもりが優しいタッチで描かれています。

 自分の少年時代と見事に重なる風景の数々。
 イネを刈り取った後の田んぼでよく遊んだなあ・・・束ねたイネを崩して『秘密基地』を造り、農家のおじさんが怒って追いかけられたことも懐かしい(笑)。
 すきま風が吹き込む木造の校舎や住まい。今となっては想い出の中に存在するのみです。

 一見、水彩画のようですがさらに繊細に描き込まれている印象があり、受付の女性に尋ねたところ油性色鉛筆(ファーバーカステル社)による絵画とのこと。
 驚きました。
 誰もが親しんだ身近な色鉛筆でこんなに多彩で深みのある色表現ができるものかとひとしきり感心。
 中には数mを超える大作もあり、これをすべて鉛筆の線で描くとは・・・気の遠くなるような作業です。

 館内のショップで作品集や絵葉書を販売していました。
 2007年に出版された「がばいばあちゃん」の絵本の挿絵も担当されていることを知りました。
 有名な方なんですね(実は、安藤画伯のことは訪問するまで知りませんでした)。

 客は私一人で、受付の女性と雑談が盛り上がり、お茶を入れていただきました。
 それをすすりながらショップでくつろいでいると、なんと画伯本人が登場してご挨拶をいただき恐縮することしきり。
 作品集を購入の際、記念にサインを入れてくれました。

 春ののどかな幸せ感に満ちた午後となりました。

★ お気に入りの画家・版画家達:
井堂雅夫:版画家。京都の風景を色彩豊かに、かついぶし銀の色使いで表現します。誰の心にもある日本の色風景に魅せられます。
佐野せいじ:版画家。井堂雅夫さんに憧れて版画の世界に入った方。日本の原風景をノスタルジックなタッチで描きます。
中島潔:画面にそよ風が感じられるイメージから『風の画家』と呼ばれています。あどけない子どもの表情、日本女性のしぐさや佇まいが秀逸で、その画風は日本古典になじみ、近年京都清水寺の屏風を作成・公開して話題になりました。
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ニホンザルも花粉症

2011年04月04日 06時57分49秒 | 小児科診療
 今年も「ニホンザルが花粉症」の話題が聞こえてきました。

サルもつらいヨ花粉症? 嵐山モンキーパーク開園初」(2011.3.10:京都新聞)

かわいそう…サルも花粉症-銚子渓」(2011.3.16:香川新聞)

 サルの生態を研究する大阪大大学院人間科学研究科の中道正之教授(比較行動学)によると「ニホンザルもヒトと同じように花粉症の抗体を持つものがおり、花粉症になる」という。


 ・・・とのこと。
 日光のサル軍団で花粉症の発症が話題になったのはもう10年ほど前でしょうか。いつヒト以外の動物のアレルギー疾患発症が発見されたのか、ちょっと検索してみると、以下のような記事を見つけました。

ニホンザルのスギ花粉症

 記載者によると、初めて証明されたのは1986年のこと。その前年に新聞記者が京都大学霊長類研究所に問い合わせたときの返答は「たぶん何かの間違いでしょう。野生動物に花粉症は考えられません」だったそうです。

 それ以前はアメリカのボストンでイヌがブタクサ花粉症に罹った一例が知られていただけ。
 アメリカの花粉症と云えば、スギではなくブタクサが一般的です。それに関する次のようなニュースもあります;

花粉症の広がりはやはり地球温暖化が原因だった-米国農務省

 スギの植林~放置による花粉の爆発的増加にしても、地球温暖化にしても、人間の経済活動の副産物として自分の首を絞めていることには変わりがないようです。野生動物にとってはいい迷惑ですね。
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ヒブおよび肺炎球菌ワクチン接種再開について

2011年04月01日 06時38分13秒 | 小児科診療
 厚生労働省から再開されることが正式にアナウンスされました。
 下記HPにQ&Aも掲載されているのでご参考にどうぞ;

小児用肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチンの接種の再開について

 「接種後の死亡とワクチンは関係ない」「接種後の死亡と同時接種は関係ない」としながらも「接種の際は慎重に医師が判断して行う」というよくわからない内容です。結局は現場の医師に責任を押しつけているような雰囲気があり、不愉快ですね。

 さて、当院では4月から予防接種枠を拡大して接種にあたる予定です。
 しかし、ヒブワクチンの流通量が少なく、希望通りに接種できない可能性が大。毎度の事ながら、お粗末なワクチン行政がここでも顔を出しました。
 ご迷惑をおかけします。
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インフルエンザの話題いくつか

2011年04月01日 06時11分45秒 | 小児科診療
 最近目についたインフルエンザ関連情報を書き留めておきます。
 先日も取り上げましたが、本日4/1から”新型インフルエンザ”から”新型”が無くなり、季節性にランクが下げられるというニュース;

■ 新型インフル、従来の季節性と同じ扱いに
(2011.3.31:読売新聞)
 細川厚生労働相は31日、2009年発生の新型インフルエンザについて、感染症法の「新型」の類型から外し、4月から従来の季節性インフルエンザと同様の扱いにすると公表した。
 名称は「新型インフルエンザ(H1N1)」から「インフルエンザ(H1N1)2009」に変更される。
 感染症法では、新型インフルエンザについて、国民の多くが免疫を獲得するなどした場合、厚労相の公表をもって「新型」の類型から外す、としている。09年4月に確認された今回の新型インフルエンザは、2シーズン目の流行がほぼ終息し、流行の規模や期間などが従来の季節性インフルエンザと同じ傾向だった。


 このために備蓄した国内ワクチンが期限切れを迎え、149億円を捨てることになりました(輸入ワクチンは既に廃棄済み);

■ インフルワクチン149億円分廃棄 厚労省、期限切れで
2011年3月31日(朝日新聞)
 2009年から10年に新型として世界中で流行したインフルエンザA09年型のワクチンについて、厚生労働省は31日、国内4社から購入した約149億円(健康な成人換算で約3100万人)分のワクチンを有効期限切れで廃棄したと発表した。
 厚労省は09年10月、インフルエンザの流行に備え、国内の4社から5400万人分のワクチンを260億円で購入。2300万人分は病院などに納入されたが、接種回数が2回から1回に変更されるなどで、残りは使われなかった。
 さらに、厚労省は09年から10年にかけて、海外メーカー2社ともインフルワクチン9900万人分の輸入契約を結んだ。しかし、接種が予想を大きく下回り一部を解約。2社への支払額は違約金も含め、853億円に上るが、ほとんどが廃棄されている。


 次に、全国的には学校・幼稚園が春休みとなりインフルエンザ流行は終息に向かう一方で、24時間集団生活を余儀なくされている避難所では流行が発生しているというニュース;

■ インフルエンザ患者、2週連続増 避難所でA香港型流行
2011年3月25日(朝日新聞)
 インフルエンザの患者数が2週連続で前の週を上回った。国立感染症研究所(感染研)が25日発表した定点調査によると、最新の1週間(3月14~20日)に新たに受診したインフルエンザ患者は1医療機関当たり17.25人(前週16.81人)だった。東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県などの避難所でも集団発生している場所があり、注意を呼びかけている。
 感染研感染症情報センターの安井良則主任研究官は「避難所ではA香港型の集団発生が目立つ。高齢者が感染すると、肺炎になるなど重症化の恐れがある。マスクをつけるなど、せきエチケットを徹底してウイルスを持ち込まないよう心がけ、もし発症者が出たら、避難所内で広がらないよう他の人と距離を置くなどして欲しい」と話した。


 忘れてはならない「鳥インフルエンザ」。日本では鳥への感染で騒いでいますが、世界では現在もヒトの患者が発生し続けています;

■ 鳥インフルエンザ-エジプトにおける状況
2011年3月29日 WHO(原文)
  エジプト保健省は、鳥インフルエンザウイルスA(H5N1)亜型による新たな3例のヒト感染症例を確認したと発表した。
 疫学調査の結果、これらの症例には鳥インフルエンザの感染が疑われた家禽への曝露が確認された。
 これらの症例は、世界インフルエンザサーベイランスネットワーク(GISN)の国家インフルエンザセンターであるエジプト中央公衆衛生研究所で確定診断された。
 エジプトではこれまでに133例が確定診断され、そのうち45例が死亡している。


 最後に、明るいニュースを。
 国内で開発された抗インフルエンザ薬が承認されました。現在しようされているノイラミニダーゼ阻害薬(タミフル、リレンザ等)と作用機序が異なり、発症後時間が経っても効果が期待できるそうです;

■ 富山化学、インフルの新薬を申請
2011.3.31:北日本放送
 富山化学工業は新しいインフルエンザ治療薬の製造・販売の承認を厚生労働省に申請しました。
 新型インフルエンザの治療薬としても世界中から注目を集めている新薬です。
 承認を申請したのは富山化学工業が開発したインフルエンザ治療薬「T‐705」です。
 「タミフル」など従来の治療薬は増殖したインフルエンザウイルスが細胞の外に出ないようにすることで感染拡大を防いでいたのに対し、「T‐705」はウイルスの増殖自体を阻止する作用があるということです。
 新型インフルエンザにも効果が見込まれるほか、インフルエンザ以外の感染症治療薬にも発展する可能性があるため、世界中から注目を集めています。
 「T‐705」は富山化学工業がおよそ10年をかけて開発したもので、承認されれば早ければ来シーズンのインフルエンザ治療薬として販売される見込みです。

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