徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

HPV(=子宮頸がん)ワクチン、賛否両論

2014年02月28日 08時16分15秒 | 小児科診療
 まずは最近のWHOの見解を。

子宮頸がんワクチン「安全性を再確認」 WHOが報告
(2014年2月18日:朝日新聞)
 接種後に手足の痛みを訴える人が相次いでいる子宮頸(けい)がんワクチンについて、世界保健機関(WHO)は「安全性を再確認した」とする報告をまとめた。複数の大規模調査で、手足の痛みやまひが起こる多発性硬化症などの副作用の増加がみられなかった。ただし、質の高い監視を継続する必要があるとしている。
 WHOのワクチン安全性検討委員会は昨年6月にも同様の報告をまとめたが、不安視する声が多いため各国の様々な調査を幅広く分析し、14日付で公表した。
 北欧の10~17歳の女性約100万人の疫学調査では、ワクチンを打った30万人と打たなかった70万人で、多発性硬化症などの自己免疫疾患や神経疾患、血栓症などの発生に差はなかった。フランスの12~16歳の女性約200万人の調査でも、自己免疫疾患で入院する割合に差はなかった
 国は昨年6月以降、子宮頸がんワクチンの推奨を中止している。厚生労働省の検討会が国内も含めた被害報告を検討中で、今後再開するかどうかを判断する。


 北欧の女性100万人+フランスの女性200万人=300万人の調査で「安全性が再確認された」という報告です。
 一方、ここ日本では反対派を集めたシンポジウムも開かれました。

子宮頸がんワクチン中止訴え、都内で国際シンポ 「アルミが副作用原因」専門家指摘
(2014年2月26日:東京新聞)
 多くの副作用が報告されている子宮頸(けい)がんワクチンについて、国内外の医学者らが二十五日、東京都内で国際シンポジウムを開き、接種の中止を訴えた。厚生労働省の有識者専門部会は一月、副作用は注射の痛みへの患者の不安が引き起こす「心身の反応」が原因と結論付けたが、医学者らは、ワクチンの効果を高めるために含まれる特殊なアルミニウムが引き起こしていると指摘した。
 パリ大のフランソワ・オーシエ教授(神経筋肉病理学)は、ワクチンを注射すると筋肉内で白血球の一種の「マクロファージ」が過剰に集まり、アルミニウムを取り込んで分解できないまま全身へ広がって炎症を起こすとし、一部は脳にたまり、神経や認知の障害の原因になると説明した。
 シン・ハン・リー米エール大元准教授(病理学)は、子宮頸がんを引き起こすウイルスのDNAがアルミニウムに吸着し、人体に激しい自己免疫疾患を引き起こすとの見解を示した。
 ワクチン接種後に急死した三人の少女の脳を調べたカナダのブリティッシュ・コロンビア大学のルチジャ・トムルジェノビック研究助手は、シンポジウム後の会見で「これほど激烈な副作用が世界中で起きているのが現実。すべての国で接種を即刻中止するべきだ」と話した。
 厚労省は二十六日午後、専門部会を開き、現在中止している接種勧奨を再開するか検討する。同日午前、シンポジウムに参加した医学者も呼んで意見を聞く場を設けるが、専門部会の議論に反映させるかは分からないとしている。


 アジュバントとして添加されているアルミニウムが人体に害を及ぼすというインパクトのある説が発表されたようです。
 この最後の文章のごとく、厚労省部会では反対派の意見も聞いた模様です。

子宮頸がんワクチン、検討会が注意点 痛みの可能性説明
(2014年2月27日:朝日新聞)
 子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に長期的な痛みを訴える人が相次ぎ、国が接種の推奨を中止している問題で厚生労働省の検討会は26日、接種時の注意点をまとめた。強い痛みが起こる可能性やワクチンの有効性を事前に説明。かかりつけ医などなじみのある医療機関で接種し、強い痛みが出て生活に支障が出た場合は次回以降の接種は控えるよう勧める。
 検討会は1月、症状の多くは、接種による痛みや腫れが心身の反応を引き起こし、慢性化したとの見解をまとめた。この日は、子どもの心身反応の専門家が出席。予想より強い痛みが不安を増幅し、症状が慢性化する可能性を指摘した。これらの見解や注意点を踏まえ、次回以降に推奨再開の是非を議論する。
 検討会前に開かれた海外研究者との意見交換会では、心身の反応でなくワクチン成分が原因との意見も出た。しかし、検討会の委員らからは否定的な意見が相次いだ


「心身の反応」が原因、見解維持=子宮頸がんワクチン-厚労省部会
(2014/02/28:時事通信)
 接種後、体の痛みを訴える人が相次ぎ、接種勧奨が一時中止されている子宮頸(けい)がんワクチンについて、厚生労働省の専門部会は26日、海外の医師から寄せられた「ワクチンによって脳や体に炎症が起きた疑いがある」などとする意見を「科学的根拠が乏しい」として否定した。
 専門部会は、接種時の痛みが引き金となった「心身の反応」により、さまざまな症状が起きている可能性が高いとの見解を維持。勧奨再開に関する判断は行わなかった。
 子宮頸がんワクチンの痛みに関連し、米国やフランスの研究者が部会前の会議で、ワクチンの成分によって免疫機能に異常が起きた可能性があるなどと指摘。これに対し、別の海外の医師からは根拠が乏しいと否定する意見が出た

 
 反対派の学者が展開した説は、他の専門家を納得させるだけのエビデンスを持ち得ないようです。
 これまでは被害者団体中心の反対運動でしたが、海外の専門家も登場した運動に広がってきた様子で、反対派のHPではケンケンガクガク。
 厚労省もそれを無視するのではなく、受け止めた上での対応を取る姿勢があることを示した今回の会合は意義があると思います。
 現在のところ「中止理由となりえるエビデンスが存在しない」という結論でしょうか。
 賛成派も反対派も感情論に走ることなく、論理的に議論を進めていただきたいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3/1~3/7は「子ども予防接種週間」

2014年02月27日 07時15分39秒 | 小児科診療
 今年も「子ども予防接種週間」がやってきました。

平成25年度「子ども予防接種週間」の実施について(厚労省HP)
 平成26年3月1日(土)から3月7日(金)までの7日間は「子ども予防接種週間」として、予防接種に関する取り組みが、協力医療機関や各地域の予防接種センターにおいて実施されます。
 この時期は、4月からの入園・入学に備え、保護者の予防接種への関心を高めるとともに、接種漏れを見直すのに最適な時期と考えられます。このため、子ども予防接種週間中、協力医療機関や各地域の予防接種センターにおいて、通常の診療時間に予防接種が受けにくい方々に対して、土曜日、日曜日、平日の夜間などの地域の実情に配慮した予防接種を行うとともに、種々の予防接種の相談に応じ、接種機会の拡大及び予防接種率の向上を図ります。


 ポスターも作られています。あなたのかかりつけ医は掲示していますか?
子ども予防接種週間(厚労省によるポスター)



 群馬県内で、この事業に賛同し協力している医療機関の一覧表が公表されています;
「子ども予防接種週間」実施医療機関(群馬県)

 アレッ?
 邑楽館林地域の医療機関が一つもありません・・・。

 ・・・実は私はこの事業に「反対」しています。
 理由は「バックアップ体制がないから」です。

 事業の主旨には一部賛同しますが、「土曜日、日曜日、平日の夜間に予防接種を行う」という文言が引っかかります。
 近隣にお住まいの方はご存じのように、邑楽館林地域には小児救急に対応している二次病院がありません。

 一方、予防接種の副反応の最重症型は「アナフィラキシーショック」。
 じんま疹、嘔吐、咳込み~呼吸困難のみならず、血圧低下、意識障害など全身症状が出現し救急医療/集中治療が必要になる病態です。

 もし、日曜日に予防接種をしてアナフィラキシーショックを発症したらどうなるでしょうか?
 開業医レベルでは対応しきれませんので、二次病院(小児科のある総合病院)へ救急車で搬送されることになります。
 すると遠く離れた近隣市町村の二次病院へ搬送されることになり、時間のロスが発生します。
 一刻を争うショック状態の治療開始が10分、15分と遅れることは医師として看過できません。

 というわけで、当地域の小児医療環境を考慮すると協力する気にどうしてもなれないのです。
 事故が起こり、犠牲者が出てメディアが騒いでからでは遅い。
 もし、この事業を強力に進めたいのなら、医療環境の整備が先ですね。
 以前から意見していますが、状況が全然変わらないことが悲しいです。

<関連ニュース>
母親の多くが「入園後の子どもは、病院に行くことが多くなる」と実感
(2014/02/23:マイナビニュース)
◇幼稚園や保育園に入園後は「鼻の症状」「咳」「発熱」が増加
 ファイザーはこのほど、「子ども予防接種週間10+ 件」(3月1日~7日)を前に、「お子さんの入園準備と健康」に関する意識調査の結果を発表した。同調査は、全国の0歳から5歳の子どもを持つ母親を対象として、1月10日~16日にインターネット上で実施。2,470人から回答を得た。

◇入園すると通院回数が増える 入園後、病院に行く回数は1.6倍に増加
 2013年4月から12月までの間(9カ月間)に「病気治療のために通院した回数」は、入園前の子どもたちの平均通院回数が4.4回なのに対し、入園後の子どもたちは7.2回と、1.6倍になっていた。
 また、入園後の子どもたちのうち、約3分の1(33%)が9カ月間に「10回以上通院」し、10%は「20回以上通院」していた。
 次いで、入園してから9カ月間に「実際に増えた症状」を尋ねたところ、特に「鼻水・鼻づまり」「咳」「発熱」などの症状に関して「非常に増えた」「増えた」との回答が多く、どの症状についても入園前の子どもに比べて、2~3倍に増えている傾向が見られた。

◇入園前の心配ごと、幼稚園では「生活習慣」、保育園では「病気」
 「入園前に心配なこと」を尋ねたところ、「病気をもらってこないか」といった心配が「自分でトイレができるか」「好き嫌いなくご飯が食べられるか」などの生活習慣と同様に高いことがわかった。
 また、幼稚園に入園する子どもの母親は「自分でトイレができるか」(73.3%)といった生活面に関する心配が多かったのに対し、保育園に入園する子どもについては「病気をもらってこないか」(71.5%)が一番の心配ごととなった。

◇病気予防対策を行わない母親が多い
 しかし、「実際に行った入園準備」を尋ねたところ、「生活面」については「トイレトレーニング」(50.8%)、「早寝早起きの習慣づけ」(38.7%)、「着替えの練習」(38.7%)、「挨拶の練習」(33.5%)など積極的に行われている一方で、「病気の予防・病気対策」を行った母親は17.5%だった。

◇ほとんどの母親は、入園前にワクチン履歴を自分でチェック 医師が確認するケースは少数派
 入園前に、子どものワクチンの接種歴を「確認した」母親は77%だったが、うち96%が「自分で確認した」と答えており、子どものかかりつけ医で確認した人は11%に止まった。このことから、子どもの年齢に応じた予防接種の種類や必要な回数、あるいは予防接種制度自体の変更など外部環境の変化を十分把握することができないまま、予防接種を完了したと思い込んでいる母親が多いことが懸念される結果となった。


 集団生活をはじめると風邪を引く回数が増えます。
 毎年5月頃になると「うちの子は入園してから風邪を引いてばかり。どこか悪いのでしょうか。」と心配する保護者から相談を受けることが年中行事。私はこの現象を「入園症候群」と勝手に呼び、

 「風邪を引く度にこじれて入院騒ぎをするのでなければ、回数はある程度仕方がないでしょう。」
 「周囲にウロウロしているウイルスによる風邪を一通り引かないと終わりません。」
 「風邪の原因になるウイルスは200種類以上存在します。」
 「風邪を引くことは天然のワクチンです。症状は出てしまいますが。」
 「基本的に同じウイルスには感染しませんので、徐々に回数が減ってきます。来年は今年より減り、苦労が思い出話になりますよ。」

 などと説明しています。
 登園する日より休んでいる日の方が多い子どもには漢方薬をお勧めしています。
 食欲が出て元気が出て風邪の回数が減り、程度が軽く済むようになる虚弱児用の薬が日本には昔から用意されているのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2013-14シーズンのインフルエンザ流行の特徴

2014年02月26日 05時49分45秒 | 小児科診療
 ピークを越えつつあるインフルエンザの流行。
 今シーズンの特徴がアメリカから報告されました。

今年のインフルエンザは「若い世代」を直撃~アメリカ(2014.02.24:CNN)
 米疾病対策センター(CDC)がこのほどまとめた統計で、今シーズンのインフルエンザは前年に比べて65歳未満の患者が大幅に増えていることが分かった。
 それによると、今シーズンにインフルエンザ関連の症状で入院した患者は、18~64歳の層が61%を占め、前年の約35%を大幅に上回った。65歳未満の死者も例年以上に多く、死者の半数強は25~64歳だった。昨年の死者に占めるこの世代の割合は25%未満だった。
 当局は生後6カ月以上の全年齢層にインフルエンザの予防接種を呼びかけているが、18~64歳の層で昨年11月までに予防接種を受けたのは、CDCの推計で3分の1程度にとどまる。米国人全体では毎年40~45%程度が予防接種を受けている
 今年のインフルエンザは予防接種の効果が高く、接種していれば医師にかかる可能性を約60%減らすことができるという。
 今シーズン流行しているのは、2009年4月に発生してパンデミック(世界的大流行)を引き起こしたH1N1型のウイルス。今年の予防接種にはすべてこのウイルスのワクチンが含まれているという。地域によって違いはあるものの、米国ではあと数週間はインフルエンザの流行が続くと専門家は予想。「まだ予防接種を受けていない人は、これからでも遅くない」と呼びかけている。


 日本でもH1N1が季節性インフルエンザへ格下げされてからはじめて流行し「薬剤耐性ウイルス」の発生も報告され話題となりました。

耐性H1N1pdm09ウイルス、新たに東京都など3都県で検出、9都道府県に拡大
~東京で検出された1株は札幌市の耐性ウイルスと類似の塩基配列
(2014/2/25:日経メディカル)
 国立感染症研究所と全国地方衛生研究所が実施している抗インフルエンザ薬耐性株サーベイランスによると、2月25日現在、タミフル・ラピアクタ耐性H1N1pdm09ウイルスは、新たに東京都など3都県で検出されたことが分かった。耐性ウイルスの検出総数は41件となり、9都道府県に拡大した。
 2月25日時点で、解析対象は計621件で、耐性検出は41件だった。報告機関ごとに見ると最も検出が多いのは札幌市で29件中24件だった。
 新たに検出が報告されたのは、東京都(6件中2件)、神戸市(15件1件)、愛媛県(8件1件)だった。これで地域としては、9都道府県に広がった。


 臨床現場では、今年の特徴はA型とB型の両方が1月下旬から流行し、ピークを過ぎた現在はB型優位で残っているという経緯。
 抗インフルエンザ薬を投与した患者さんではほとんどが速やかに解熱しており、「薬剤耐性ウイルス」が猛威をふるったという印象はありません。
 幸い、当院では今のところ重症者は経験しておらず、熱性けいれんの合併も多いとは感じていません。

 当院外来では、インフルエンザの患者さんが減るのと入れ替わるように、花粉症をはじめとするアレルギー疾患の患者さんが増えてきました。
 「流行期に受診するとインフルエンザをもらうのではないかと心配で、ずっと我慢していた」とのコメントも聞かれます。
 この辺、悩ましいですね。

<今シーズンのインフルエンザ関連の当ブログ記事>
(2014.02.17)インフルエンザワクチンを毎年受けている日本人は、22.2%
(2014.02.07)NHKクローズアップ現代「インフルエンザ、2つの“異変”」
(2014.02.05)期待される(?)新たな抗インフルエンザ薬「アビガン」
(2014.01.29)小児科学会による2013/14年版インフルエンザ診療指針
(2014.01.16)群馬県で今シーズン初のインフルエンザによる学級閉鎖
(2014.01.14)テレビCMに振り回されるインフルエンザ診療
(2014.01.11)新型インフルエンザ候補の動向
(2014.01.08)今年のインフルエンザはタミフル耐性?
(2014.01.01)2012-13シーズンのインフルエンザワクチンの効果が低かった理由
(2013.12.23)インフルエンザの話題2つ
(2013.11.28)インフルエンザの足音が近づいてきました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小児期の記憶はいつごろ消える?

2014年02月21日 06時27分01秒 | 小児科診療
 こんな事を研究している人もいるんだなあ、という報告を紹介します;

小児期の記憶はいつごろ消える?
(2014/02/17ケアネット、提供元:Healthday News)
 小児期の最も古い記憶は7歳頃に消え始める――米エモリー大学Patricia Bauer氏らの研究でこんなことが示唆された。ほとんどの成人は3歳頃までの記憶しか遡れないことが知られており、この年齢以前の記憶の喪失は小児期健忘と呼ばれる。
 Bauer氏らは、初期の記憶が消え始める正確な時期を調べるために、まず3歳児80人超に、誕生日会や動物園へ行ったことなど最近の数カ月で経験した6つの出来事について両親が尋ね、その回答を記録した。被験者をグループ分けして、各グループが特定の年齢(5歳、6歳、7歳、8歳または9歳)のときに、これらの出来事の記憶を調べた。
 その結果、5~7歳の子どもは3歳時に覚えていたことの63~72%を思い出せたが、8、9歳までには約35%しか思い出せなくなっていた。年少児は年長児より3歳時の出来事を多く覚えているが、年長児のほうが情報は多かった。この差の理由として考えられるのは、長時間定着する記憶は関連情報が多いこと、年長児では言語スキルが向上するため記憶の説明が明瞭になり、さらに印象づけるのに役立つ可能性があるという。
 Bauer氏は、「小児期健忘の開始を実験的に示した研究は初めて。自伝的記憶の発達を知ることは、精神的な存在としての我々自身を理解するのに重要である。過去の自分を思い出すことは現在の自分を知る方法である」と述べている。研究論文は「Memory」オンライン版に2013年11月18日掲載された。
<原著論文> Bauer PJ, et al. Memory. 2013 Nov 18. [Epub ahead of print]


 皆さんは何歳頃の記憶からありますか?

 私はやはり3歳頃でしょうか。
 おそらく梅雨の時期に、部屋の中でブロック(レゴのようなおもちゃ)を無心に組み立てている自分の姿をおぼろげに覚えています。
 その頃はブロックに熱中しすぎて、角がすり減ってうまくは嵌らなくなるほど使い倒していました。

 不思議なのが、その姿を高いところから第三者の視線で見ている映像で記憶していること。
 なぜなんだろう・・・。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「2013年,風疹が最も流行した国ワースト3」に日本

2014年02月19日 22時24分15秒 | 小児科診療
 アメリカのCDCが発信する情報です。

「2013年,風疹が最も流行した国ワースト3」に日本 ~米CDCが「ストップ風疹」情報で
(2014.2.19:MTPro)
 米疾病対策センター(CDC)が2月19日配信したメールマガジン“CDC Around the World of This Week”で風疹を特集。公式サイトのインフォグラフィックで「全ての子供に風疹予防接種を」と呼びかけた。その中で「2013年,風疹の最も大規模な流行が報告された3カ国」としてポーランド,ルーマニア,日本が記載されている。



◇ 世界では年間10万人以上のCRS児が報告
 今回の特集では,世界保健機関(WHO)や国連の国際パートナーシップMeasles & Rubella Initiativeが作成した風疹対策に関するコンテンツを交え,CDCが風疹および先天性風疹症候群(CRS)排除を目的とした定期予防接種をいまだ導入していない国に対し,サポートを行っていることなどを紹介。
 同時に公開されているインフォグラフィック「ストップ風疹―全ての子供に予防接種を」では,妊娠中の女性が風疹に感染した場合,胎児の死亡など重大な影響があること,世界では年間10万人以上のCRS児が報告されていること,世界では10人に6人が風疹の予防接種を受けていないことなどが示されている。
 さらに2013年に最も大規模な風疹流行が報告された3カ国がマーキングされた世界地図を掲載。ポーランド,ルーマニア,日本の患者数とCRS児の報告数が大きく図示され,「麻疹や風疹の感染拡大は早い。われわれはより早く動かなければならない」とのメッセージが強調されている。


 そのうち以前の麻疹のように「日本は風疹輸出国」と批判されるようになるんだろうなあ・・・。
 さあどうする? ”先進国”ニッポン!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

インフルエンザワクチンを毎年受けている日本人は、22.2%

2014年02月17日 21時31分33秒 | 小児科診療
 興味深いニュースを見つけました。

予防接種を毎年受けている割合、10代が最多の33%
(2014年1月31日:リセマム)
 インフルエンザの予防接種を毎年受けている割合は22.2%で、年代別にみると、他年代を引き離して10代がもっとも多いことが、モッピーラボの調査結果より明らかになった。
 同調査は、全国の16歳以上の男女を対象に、「インフルエンザに関する調査」についてスマートフォンリサーチを実施し、1,021件の有効回答を得た。調査期間は、2014年1月27日~28日。
 インフルエンザの予防接種を毎年受けているか尋ねたところ、最多は「受けたり受けなかったり」41.6%、次いで「まったく受けたことがない」36.1%「毎年受けている」22.2%が続いた。年代別にみると、「インフルエンザの予防接種を毎年受けている」と回答したのは、「10代」が33.0%でもっとも多く、次いで「20代」21.9%、「30代」20.4%、「50代以上」18.2%、「40代」18.0%が続いた。
 現在取り組んでいるインフルエンザ対策を尋ねたところ、1位「手洗い」70.8%、2位「うがい」58.0%、3位「マスクの着用」39.5%であった。「インフルエンザの予防接種を受ける頻度」での回答項目別に比較したところ、予防接種をまったく受けたことがない人に比べ毎年受けている人の方が、 対策トップ3位の項目をそれぞれ10ポイント以上引き離し、予防接種に限らずその他対策にも力を入れる人が多いことがわかった。


 以前から何回も登場している感染症統計学の数字「基本再生産数」&「集団免疫率」
 基本再生産数は1人の患者が周囲の何人にうつすかという目安、集団免疫率はその集団で流行を防ぐことができる予防接種率です。
 リンクの表を見ると、インフルエンザの基本再生産数は2-3、集団免疫率は50-67%となっています。
 その集団・地域の50%以上の人がワクチンを接種すれば、インフルエンザは流行しないはず。
 ですが、上記のデータでは毎年受けている人は22.2%にとどまり、最低ラインの50%には程遠いですねえ・・・。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

”レジェンド”葛西紀明、ソチオリンピックLH銀メダル!

2014年02月16日 06時43分37秒 | 日記
 やった~!
 ”レジェンド”葛西がついにやりました。



 記念すべき今日は、2014年2月16日。
 朝2:30からの放映を5時まで観てしまいました。

 先日のノーマルヒルではよいジャンプをしながらも8位入賞に甘んじた葛西。
 しかし「自分のジャンプはできている。これならラージヒルはいけるかもしれない」との手応えがあった様子。
 その後の練習でも数は飛ばず確認するくらいにとどめ、集中力を高めていたようです。

 そしてラージヒル本番を迎えました。

 ジャンプ競技は風により飛べる距離が左右されます。
 適度な向かい風をうまく捉えると体が浮くので大ジャンプが期待できます。
 逆に、追い風では後ろから押されるようにすぐに落ちてしまい飛距離が伸びません。
 運不運を補うために、現在は風によりポイント加点/減点が設定されているほどです。

 今日も風向きがグルグル変わるジャンプ台に選手達は翻弄されていました。
 条件に恵まれたドイツの選手が144mと大ジャンプをする一方で、名選手が追い風で落とされて平凡な記録に悔しがる場面が何回も映し出されました。

 いつも風に恵まれない葛西選手の番が近づくにつれ、私は「向かい風よ吹いてくれ~」と祈る気持ちでした。
 そして彼のジャンプ。
 ほとんど無風の中、体をムササビのように広げる彼独特の飛型で飛びきり、139m!
 スキー板が他の誰よりも体の横に並びぶ様に、その昔「カミカゼKasai」と呼ばれた頃を思い出した私。
 1回目が終了して2位と好位置につきました。

 ドキドキワクワクの2回目。

 見るのが怖くて逃げ出したくなりました(笑)が、一番緊張しているのは葛西選手自身、それを見届けなくてどうする、と自分に言い聞かせしっかと目を見開いて見続けました。
 ゲートが2つ下げられ、飛び出すときのスピードが1回目より落ちる設定となり皆記録が伸びない中で134mの大ジャンプ。
 美しい飛型、テレマーク姿勢も決まり、最後のカミル・ストッフ(ノーマルヒル金メダリスト)の試技を待ちます。
 彼も134mと同じ距離でしたが、1回目の貯金が効き、僅差で逃げ切りました。
 葛西は金メダルは逃したものの、堂々の銀メダルを、7回目のオリンピックで初めて勝ち取ったのです。
 いやあ、よかったよかった。

 出場者の中には往年の名選手達の姿もありました。
 アダム・マリシュ(36歳):ワールドカップ39勝。
 ヤンネ・アホネン(36歳):ワールドカップ36勝。 
 彼らが不本意なジャンプに終わる中、最年長の葛西は進化を続け栄冠を手にしたのでした。
 正に”レジェンド”の呼び名にふさわしい!

※ フィンランドは鳥人ニッカネン(ワールドカップ46勝)→ ニエミネン(ワールドカップ9勝)→ アホネンの系譜があります。
 ニッカネンが来日して飛んだとき(30年くらい前?)のことを今でも鮮明に覚えています。
 当時日本では八木選手や秋本選手が活躍、いやその一つ後の世代でしょうか。
 別次元の飛距離に「鳥人」という異名がふさわしいと感じたものでした。
 ただ、頂点を極めたニッカネンのその後の人生は「凋落」という言葉が当てはまる悲しいものでした。
 若くして上り詰めると、あとは下るしかないのでしょうか・・・。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

水痘ワクチン有効率は1回で65%、2回で95%

2014年02月10日 06時29分34秒 | 小児科診療
 日本では2014年秋に水痘ワクチンが定期接種化する予定です。
 水痘ワクチンは麻疹ワクチンの有効性(90%以上)に比べるとやや有効率が落ちる(約80%)ので、2回接種してやっと麻疹レベルになると考え、短期間に2回接種を勧める方針となるようです。
 これは生ワクチンというより不活化ワクチンに近い考え方になりますね。
 MRワクチンも2回接種ですが、こちらは1回目が1歳台、2回目が年長さんと約4年間隔です。
 一方、水痘ワクチンの2回接種は3-6ヶ月間隔。お間違えのないよう。

 麻疹を含む混合ワクチンといえば日本ではMR(麻疹・風疹)ですが、ヨーロッパではMMRV(麻疹・おたふくかぜ・風疹・水痘)が普及しています(うらやましい!)。

 タイムリーに以下の論文をみつけました。
 単独の水痘ワクチン1回接種の有効性は65.4%、中等度~重症の水痘に対する有効性は90.7%。
 MMRVを2回接種すると水痘発症防止の有効性は、94.9%であり、中等度~重症の水痘に対しては99.5%、との報告。
 水痘ワクチン1回接種では80%どころか65%しか予防できないという寂しい事実。
 水痘ワクチンを2回接種すると有効率が95%と確実に上がりますが、残念ながら100%にはならないのですねえ。

水痘予防にはMMRV 2回接種を支持/Lancet
(ケアネット:2014/02/10)
 チェコ共和国・フラデツ・クラーロヴェー大学病院のRoman Prymula氏らは、水痘の発症予防について、麻疹・ムンプス・風疹・水痘ワクチン(MMRV)2回接種と、単価水痘ワクチン1回接種の有効性を比較する無作為化対照試験を欧州10ヵ国の協力を得て行った。その結果、あらゆる型の水痘予防を確実なものとするためにもMMRVの2回接種を支持する結果が得られたことを報告した。今日、水痘発症率は、水痘ワクチンを“ルーチン”で行っている国では激減している。予防は単価ワクチンもしくはMMRVの接種にて可能であり、今回、研究グループは、どちらが有用かを比較検証した。Lancet誌オンライン版2014年1月29日号掲載の報告より。

◇欧州10ヵ国でMMRV 2回、MMR+V、MMR 2回の有効性を比較
 試験は、多施設共同無作為化かつ観察者盲検にて、水痘の風土病がみられるヨーロッパの10ヵ国(チェコ共和国、ギリシャ、イタリア、リトアニア、ノルウェー、ポーランド、ルーマニア、ロシア、スロバキア、スウェーデン)にて行われた。
 生後12~22ヵ月の健常児を無作為に3対3対1の割合で、42日間で(1)MMRV 2回接種(MMRV群)、(2)1回目にMMR接種、2回目に単価水痘ワクチン接種(MMR+V群)、(3)MMR 2回接種(MMR群:対照群)に割り付けて検討した。
 被験児と保護者はすべてのアウトカムについて個別に評価を受け、またデータの評価や解析に関係するスポンサースタッフは治療割付について知らされなかった。
 主要有効性エンドポイントは、2回接種後の42日目から第1フェーズの試験終了時点までに確認された水痘の発症(水痘帯状疱疹ウイルスDNAの検出または疫学的関連性で判定)であった。症例は重症度により分類し、有効性の解析はパープロトコル解析によって行われた。安全性の解析には1回以上接種を受けたすべての被験児を含めた。
 2005年9月1日~2006年5月10日に、5,803例(平均年齢14.2ヵ月、SD 2.5)が、ワクチン接種を受けた。

◇2回接種MMRVの有効性94.9%、中等度~重症例には99.5%
 有効性解析コホートには5,285例が組み込まれた。平均追跡期間はMMRV群36ヵ月(SD 8.8)、MMR+V群36ヵ月(8.5)、MMR群は35ヵ月(8.9)であった。
 水痘発症例は、MMRV群37例、MMR+V群243例、MMR群201例が確認された。2回発症例は、3例(全例MMR+V群)でみられた。
 中等度~重症の水痘発症例は、MMRV群で2例であったが、MMR+V群では37例が報告された(1例は初回軽症例の2回発症例)。MMR群は117例であった。
 すべての水痘に対する2回接種MMRVの有効性は、94.9%(97.5%信頼区間[CI]:92.4~96.6%)であり、中等度~重症の水痘に対しては99.5%(同:97.5~99.9%)であった。
 一方、すべての水痘に対する1回接種単価水痘ワクチンの有効性は、65.4%(同:57.2~72.1%)で、事後解析にて評価した中等度~重症の水痘に対する有効性は90.7%(同:85.9~93.9%)であった
 全接種群で最も頻度が高かった有害イベントは、注射部位の発赤であった(被験者のうち最高25%で報告)。
 また、1回接種後15日以内に38℃以上の発熱を報告したのは、MMRV群57.4%(95%CI:53.9~60.9%)、MMR+V群44.5%(同:41.0~48.1%)、MMR群39.8%(同:33.8~46.1%)だった。
 ワクチン接種に関連していると思われる重大有害イベントは、8件報告された(MMRV群3例、MMR+V群4例、MMR群1例)。全例、試験期間内に治癒した。
 以上から著者は、「試験の結果は、あらゆる水痘疾患からの保護を確実なものとするために、短期間の2回接種水痘ワクチンによる予防接種を支持するものである」と結論している。

※ 原著論文:Prymula R et al. Lancet. 2014 Jan 28. [Epub ahead of print]
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

再度、「エアーマスク」の安全性と効果について

2014年02月08日 07時30分00秒 | 小児科診療
 首からぶら下げる「エアーマスク」が流行中のようです。
 エッ? これって以前危険が指摘されて販売停止になったものじゃないの?
 → 約1年前に扱った当院ブログ記事;

ウイルスより危険な「ウイルスプロテクター」(2013年2月19日)

 その後もたくましく生き残っていたのですねえ。
 業界発表では「次亜塩素酸ナトリウムは危険だけど二酸化塩素は安全」という論理らしい。

二酸化塩素を用いた空間除菌製品について(日本二酸化塩素工業会)

 安全性に関しては、国民生活センターの報告を見つけました(一部抜粋);

首から下げるタイプの除菌用品の安全性 -皮膚への刺激性を中心に-
・二酸化塩素への職業性暴露による主な健康影響は、気道、皮膚、及び眼の刺激であり、ヒト に関して信頼できる定量的データはないとされています。
・二酸化塩素による除菌をうたった 6 銘柄中 3 銘柄で、「中等度の刺激性」と評価されました。
・「人体に安心」等とうたった銘柄があり、消費者が商品の安全性を過信するおそれがありました。
・有効性をうたう表示の中に、1 銘柄で薬事法に抵触するおそれのある記述がみられました。No.5(Space Washer 株式会社ザッピィ)の事業者のホームページ内には、「インフルエンザ対策としても大活躍!」という記述があり薬事法に抵触するおそれがありました。


 業界が「安全」と謳う二酸化塩素でも、その放出速度・放出量によっては皮膚刺激性・繊維の退色などが認められるデータが示されています。
 また、「抗ウイルス効果」を表示している製品は「薬事法違反」の可能性があることを指摘しています。

二酸化塩素を使った「見えないマスク『ウイルスブロッカー』」の資料を読んでみた(某ブログ)から一部抜粋;
 『ウイルスブロッカー』に使われている固形二酸化塩素剤を使って、その上方1cmと上方30cmの濃度を、1分後と1時間後~20時間後に測定している。
 安全性に関わる数字なので、濃度の測定結果の一覧表のスナップショットを使わせてもらおう。

 上方1cmの、1分後の濃度で 0.55ppm なんですけど・・・
 部屋の隅に置く据え置き型の製品ではなく、身につける製品でこの濃度。固形二酸化塩素剤のガス発生量は安定している(0.009mg/g/hr)ので、製品のごく近くではいつも高濃度となるだろう。
 二酸化塩素の空気中の濃度基準は、日本では特に定められておらず、米国産業衛生専門家会議(ACGIH)が設定している基準がよく使われる。
・TLV-STEL(短時間被曝限度値)(成人が15分以下の短時間、断続的にでも暴露されてはならない濃度)は 0.3ppm 。
・TLV-TWA(時間荷重平均値被曝限度値)(成人が1日8時間または週40時間、繰り返し暴露しても健康上悪影響を受けないと考えられる濃度)は、 0.1ppm 。この製品を使っている人には、抱きついて、胸に顔をうずめない方がいいだろう(笑)
 『ウィルスブロッカー(CL-40)』詳細資料の6ページの「二酸化塩素固形剤安全性データ」には、固形二酸化塩素剤の安全基準濃度を0.017ppm以下とすると書かれている。
 実験の上方30cmは、ネームタグ製品や胸ポケットから口や目鼻への距離を考えているんだろうけど、その濃度は0.02ppm以上で、安全基準濃度の0.017ppmを超えている。実際はもっと拡散するということだろうけど、密着した状態だと高濃度の危険空域・・・。


 これを読むととても「安全」とは言えませんねえ・・・。

 一方、検索してもその「効果」を証明するデータが見つかりません。
 「抗ウイルス効果」を謳うなら装着時の口・鼻部位の薬剤濃度と各環境における安定性・持続性のデータがあってしかるべきなのに、メーカーサイトに見つけることができませんでした。
 この製品は”医薬品”ではなく”雑貨”扱いなので、取り締まる法律がなく「言ったもの勝ち」なのでしょうか?

 医療関係者が納得できるような効果を検証したデータが皆無という状況で、安全性が確保されていない製品が出回るこの国の危うさ。
 「清潔」「除菌」が大好きな日本人に受けする製品なのでしょうが、だからこそ安全性と効果を第三者(具体的には国?国民生活センター?)により検証される必要があると強く思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

NHKクローズアップ現代「インフルエンザ、2つの“異変”」

2014年02月07日 08時21分12秒 | 小児科診療
 昨日2/6のクローズアップ現代はインフルエンザに関する番組でした。

インフルエンザ、2つの“異変”
(2014年2月6日:NHK)
出演者:押谷 仁 さん(東北大学大学院教授)
 まもなく流行のピークを迎えるインフルエンザ。
 今シーズン、ある“異変”が報告されている。2009年に新型インフルエンザとして流行した“H1N1”の患者が急増、子供たちのあいだに肺炎を発症し重症化するケースが報告されているのだ。さらにタミフルなど治療薬が効きにくい“耐性ウィルス”が発生し、専門家は感染拡大を懸念している。
 一方、インフルエンザ対策の要であるワクチンにも“異変”が起きている。「昨シーズンは一部のウィルスに対して効きにくくなっていた」という研究成果を国の機関が発表、ワクチンの現状に一石を投じたのだ。“見えない敵”インフルエンザから、私たちはどう身を守ればよいのか、最前線から報告する。


 「異変」とはトリッキーな表現ですね。NHKも視聴率を気にしている様子が伺えます(笑)。
 私にとっては新たな情報ではなく、このブログ内で既に取りあげた内容がほとんどでした。

 2009年に新型インフルエンザとして登場したA型(H1N1)が、その後季節性インフルエンザに格下げされて(つまり強毒性ではなく弱毒性と判定された)から、今シーズン初めて実際に季節性流行に組み込まれました。すでに全国的には何十万人の小児患者が発生していると思われます。その中で10人ほど重症例が報告され、島根医大の専門家に情報が集積しているという内容でした。
 当院でも流行の真っ最中ですが、幸いなことに今のところ重症例は経験していません。
 注意すべきだとは思いますが、過剰な不安を煽る表現はいかがなものか・・・と感じる次第です。
今年のインフルエンザはタミフル耐性?(当院ブログ)

 2013年のインフルエンザワクチンが作成過程で株が変化して有効性が落ちたという情報は以前扱いましたので、そちらをご覧ください。
2012-13シーズンのインフルワクチンの効果が低かった理由(当院ブログ)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする