徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

その症状がワクチンの副反応かどうか・・・どう判定する?

2022年05月08日 10時15分10秒 | 小児科診療
新たなワクチンが登場する度に炎上する“副反応”問題。
ワクチン接種後に出現した症状はすべからくワクチンのせいにされがちです。
しかし“真の副反応”はその内の一部と考えられています。
ただ、因果関係あり(ワクチンが原因で症状発生)も、因果関係なし(ワクチンと症状は関係ない)も、証明が難しい。

例えば、
① 予防接種翌日に発熱
② 予防接種翌日に咳と鼻水
③ 予防接種翌日に交通事故(もらい事故)
④ 予防接種翌日に購入した宝くじで1億円が当たった

という事例を考えますと、

①は副反応の可能性がありますね。しかし、集団生活の場で発熱する風邪が流行していると風邪による発熱の可能性も出てきて判断が難しいです。
②はワクチンの種類(生あるいは不活化)にかかわらず、翌日風邪症状が出ることは理論的にあり得ないので、否定的です。
③関係ないでしょう。
④関係ないでしょう。ゲン担ぎのキッカケにはなるかも。

以上のように考察できますが、確定はできません。
つまり、時間関係(ワクチン接種後に〇 〇 が起きた)だけでは、
肯定も否定もできないのです。

①をワクチンのせいだと決めつけることは、
③のもらい事故をワクチンのせいだ、
④の宝くじ当選もワクチンのおかげ、
と決めつけることと同じレベルということ。

しかし、①のパターンだけ“副反応”として取りあげられることが多いのが現状です。

さて、ワクチン接種後の症状が副反応かどうかを判定する目安として、
古くは「白木四原則」なるものがありました。
その内容は以下の通り;

① ワクチン接種と予防接種事故とが、時間的、空間的に密接していること、
② 他に原因となるべきものが考えられないこと、
③ 副反応とその後遺症が原則として質量的に強烈であること、
④ 事故発生のメカニズムが、実験・病理・臨床などの観点からみて、科学的・学問的に実証性や妥当性があること

一見、もっともな判定基準に思えますが、④の証明が難しいのが現実です。

こちらの記事によると、最近、新たな基準を提唱する人が出てきました。

Myersらは、ワクチン接種と副反応について以下の有用な質問を投げかけている;
〔書籍『Do Vaccines Cause That?!: A Guide for Evaluating Vaccine Safety Concerns』(Immunizations for Public Health, 2008)〕

① 生ワクチンを使用した場合、ワクチンウイルスは分離されたか
② 病気や状態はワクチンを接種した人にのみ発生し他の人には発生していないか
③ ワクチンがどのように有害事象を引き起こす可能性があるかを説明できる既知の生物学的機序はあるか
④ ワクチン以外に有害事象について考えられる説明はあるか
⑤ 予防接種後に最初の症状が現れたか

①は「白木四原則」の④の一つの答えですが、不活化ワクチンには適用できません。
ポイントとなるのは、
②の「ワクチンを接種した人にのみ発生し他の人には発生していないか?」
だと思います。
これは“統計学”という学問の考え方を取り入れた基準であり、
因果関係が不明な事象に対して用いられる手法です。

「白木四原則」には残念ながらこの“統計学”的視点がないのが致命的欠陥です。

例えば、ワクチンを接種した1万人と接種していない1万人を比較して、
ある症状の出現率に差があるかどうか、を統計学的に検討します。

ワクチン接種群の方が非接種群より多い
 → ワクチンと因果関係有り

ワクチン接種群と非接種群で差がない
 → ワクチンと因果関係なし

と判断されます。
ワクチンをしてもしなくても症状出現率が同じ場合、
ワクチンのせいにできませんよね。

これは客観的であり、誰もが納得できる手法です。

記事の中ではこの基準に基づき、HPVワクチンの副反応問題を検討しています;

① 生ワクチンではない
② 多様な症状はワクチン非接種者にも発生する
③ 説明できる機序はない
④ 症状と発症時期からCRPSやPOTSの紛れ込みの可能性がある
⑤ 今回問題となった多様な症状は科学的に説明できなければ紛れ込みの可能性があり、それだけでは予防接種と因果関係があるとはいえない

以上より
「副反応疑い例の多くはHPVワクチンとの因果関係が認められず、
多種多様な症状が偶然にHPVワクチン接種後に見られた紛れ込みの可能性が高い」
と結論づけています。

これがサイエンスです。
自分が経験したこと、目の前で起きたことは確かにインパクトがありますが、
そのような先入観や感情を排除し、常に科学的に検証する姿勢を持ちたいものです。

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クレベリンは効果ありませんでした、嘘ついてごめんなさい <(_ _)> by 大幸薬品

2022年05月04日 13時38分58秒 | 小児科診療
当ブログでは「空間除菌は無効」と、
たびたび(しつこく)取り上げてきました。

■ ウイルスより危険な「ウイルスプロテクター」(2013.2.19
■ 再度、「エアーマスク」の安全性と効果について(2014.2.8
■ とうとう消費者庁にダメ出しされた「空間除菌」グッズ(2014.4.18
■ 消毒に使われる「塩素」に関する情報2つ(2014.12.3

もう、8-9年前になるのですねえ・・・懐かしい。

さて、この4月に消費者庁から最終通告があり、
クレベリン販売会社の大幸薬品がようやく、
と今更・・・ホントに今更ながら謝罪広告を出しました。

返金はないそうです。

このような“疑似科学”に騙されないよう、
常に情報のアンテナを張りましょう。

もう一つ話題提供を。

他にも以前から怪しいと思うCMに、
「コンドロイチン」
「グルコサミン」
があります。

コンドロイチンやグルコサミンを飲むと、
体に吸収される前に消化・分解されてしまいます。

バラバラになって体内に吸収された各成分が、
血流に乗って関節内に再集合し、
再びコンドロイチンやグルコサミンに合成されることは、
科学的にあり得ません。

ちょっと考えればわかりそうなものなのに・・・

過剰演出のCMや、
有名人がニコニコして効果を宣伝すると、
コロッと逝ってしまうファンが後を絶たないのでしょう。

実際の医療現場では、
ヒアルロン酸の局所注射が行われています。
内服ではなく、関節内に直接注射するのです。

これなら成分が分解されずに病気の場所にたどり着きますから、
効果が期待できます。

なお、コンドロイチンやグルコサミンを関節内に直接注射すると有効なのかどうか、私は知りません。

こちらの厚生労働省のHPには以下のように書かれています:

グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントの有効性について
コンドロイチンは変形性膝関節症または変形性股関節症の痛みに有効ではないことが研究結果から示唆されています。
グルコサミンが変形性膝関節症の痛みに有効かどうか、また、グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントがそれぞれ他関節の変形性関節症の痛みを軽減するかどうかは不明です。

まあ、いわゆる“健康食品”や“トクホ”は大体このレベルですね。


さて、視点を変えて、
「人間がいかに思い込みに左右されるか?」
というお話をします。

新しい薬が開発されて厚労省が認可する際に、
偽薬(プラセボ、プラシーボ)との比較試験が行われます。

外見上、区別ができないようにして新薬と偽薬を被検者に投与し、
効果を比較するのです。

新薬に6割(?)以上の効果が認められれば、
かつ偽薬と統計的に有意差があれば、
有効と判断されます。

しかし、偽薬を投与された被験者でも、
「効果があった」
と回答する人が一定数(だいたい3割くらい)います。

え? くすり成分は入っていないんですけど・・・

薬と思って飲むとニセ薬でもなぜか効いてしまう、
この現象を「プラセボ効果」と呼びます。

逆の現象も観察されています。

ニセ薬を投与されてもなぜか副作用が出てしまう現象。

新型コロナワクチンの副反応についての検討で、
①ワクチン成分の入った液と、
②ワクチン成分の入っていない液(生理食塩水)を、
どちらか本人にわからないように接種し、
副反応の発生頻度を比較したところ、
②でも①の半分の確率で副反応が発生したとの報告があります。

偽薬に反応して副作用症状が出る現象を“ノセボ効果”と呼びます。

■ 症状の多くは心理要因 コロナワクチン接種後
2022.3.15:47ニュース)より一部抜粋;
 新型コロナウイルスのワクチンを接種すると頭痛や発熱、体のだるさなどの異常が起きることがある。一般には副反応と考えられているこうした症状の多くが、薬の直接の作用ではなく、接種への不安や懸念といった心理要因によって引き起こされている可能性があるとする研究結果を、米ハーバード大のチームがまとめた。
 思い込みなどによって薬効と関係のない有害事象が起きる現象は「ノセボ効果」と呼ばれる。チームは各国で実施されたmRNAワクチンなどの臨床試験データを分析。すると1回目の接種後に起きた症状の76%、2回目の52%がノセボ効果と関係しているらしいことが示された。
 チームは米国や英国、中国などで行われた12件、約4万5千人の臨床研究データを利用。本物のワクチンの接種を受けた人と、比較対照のため生理食塩水など偽物のワクチンを接種した人で、発熱や頭痛、倦怠(けんたい)感など症状の現れ方を比較した。
 参加者は自分がどちらを接種したか知らされていないが、偽ワクチンでも1回目の接種で35%、2回目で32%の人に症状がみられた。ただ本物のワクチンの方が1回目で46%、2回目で61%と症状の割合が高かった。
 統計的な手法で分析すると、本物の接種でも症状の半分以上がノセボ効果によるものと考えられた。

前述のプラセボ効果も、このノセボ効果も、
「約30%」
と発生率が同じくらいのところが興味深いですね。

まあ、人間なんてそんなもの。

巷では“病は気から”と言われていますから、
“効いた感じがする”と本人が幸せになれば、
それはそれでよいのかもしれませんが・・・。

逆に、ワクチンを接種した際に、
“副作用が出た気がする”
となると困ります。
ワクチンがえん罪を被り、
有効なワクチンが接種できなくなることがあるからです。

これは、ワクチン成分による症状ではなく、
「注射は痛い、注射は恐い」
という心理的要素が大きい副反応であり、
注射液がワクチンではなく生理食塩水(つまり偽薬)でも同じ頻度で起こりえると思われます。

以前、ワクチンの副反応について調べたことがありますが、


<参考>
▢ 低濃度二酸化塩素による空中浮遊インフルエンザウイルスの制御 ―ウイルス失活効果の湿度依存性―
西村 秀一・林 宏行・浦 繁・阪田総一郎
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肥満の原因はアブラ(脂質)ではなく炭水化物とスイーツ

2022年05月04日 08時20分29秒 | 小児科診療
「アブラ(脂質、油、脂)を食べると体脂肪になる」
と長年信じられてきました。

しかし近年、この常識が覆されつつあります。

体脂肪の原因は「炭水化物」である
と。
もちろん、脂質も一役買いますが、
主役はやはり炭水化物。
こちらの記事のによると、脂肪肝の“脂肪”は食事の脂由来が14%、残りの86%は炭水化物・糖質由来と説明されています;

肝臓にたまる脂肪のうち、食事から摂った油や肉や魚などの脂が直接影響するのはわずか14%にすぎません。残りの86%は、体についている皮下脂肪と内臓脂肪が溶け出した脂が60%で、糖質から肝臓で合成される脂肪が26%です。

一方で、
「甘いものを食べると太る」
という常識もありますね。

甘いものは糖ですが、
なぜ糖を摂取すると太るのでしょう?

それは過剰な糖は脂肪として蓄えるシステムが、
人間の身体に備わっているからです。

その主役はインスリン
これが足らない、あるいは上手く働かない病気が糖尿病であることはご存じですね。

インスリンは血液中の糖を組織が利用できるようにしているホルモン。
そして、余った糖を脂肪として脂肪細胞に貯蔵する働きもあるのです。

これは、人類が飢餓の状態に晒されてきた歴史の中で獲得したものなのでしょう。
余った栄養分(糖)を脂肪として蓄え、
次の飢餓に備える、ということです。

炭水化物の話に戻ります。

炭水化物と言われてもピンとこない方、
炭水化物 ≒ 穀物(米、小麦、トウモロコシ)
です。

そして
炭水化物 ≒ 糖質・糖類
と切っても切れない仲です。
どういうことかというと、
炭水化物を食べると消化液で分解され、最後は“糖”として吸収されるから。

ですから、
「甘いものを食べるから太る」
と、
「ご飯やパンをたくさん食べるから太る」
は身体にとって同じことなのですね。

言葉をを変えて「白いごはんを食べるのは砂糖を食べるのと同じ」と表現する医師もいます。

肥満にならないためには、
「甘いものを控える」
だけではなく、
「ご飯やパンやパスタを食べ過ぎない」
ことも並行して実行しなければ効果が得られません。

現実世界ではどうでしょう。


・ダイエットで有名なライザップは糖質制限食です。


以上、その道のプロが行っている方法は、
脂質(油・脂)ではなく炭水化物・糖が脂肪になる
という考えが基本になっていることがわかります。

もちろん、炭水化物・糖質も栄養として必要ですから、
完全に断つ必要はありません。
ほどほど食べるのがよいということです。

日本人は縄文時代以降、
米を主食においた時点で「糖尿病」という国民病を背負うことになった、
という説があり、私は頷けます。

また、米をたくさん食べるために“しょっぱい”おかず(漬物文化)が発達しました。
これにより「高血圧」という国民病も抱えることになりました。

炭水化物の中には食物線維もあります。
これは人間が消化吸収できず、
糖としてカウントしなくてもよい炭水化物です。
食物線維は腸内細菌のエサになり善玉菌が増えるというメリットがあります。
便秘対策にもなるので積極的に食べてもOKです。

私自身、5年来“緩やかな炭水化物制限”(ロカボ)を実行してきました。
具体的には“主食を食べないだけ”、
つまり“ご飯を食べないでおかずだけ食べる”こと。

厳しい糖質制限をする方は、
とんかつや天ぷらの衣も剥がして食べますが、
そこまでやる決意や勇気がありませんので。

それまで、
「年々体脂肪がついてくるのは運動しないから仕方ないかな」
と半分あきらめていましたが、
ロカボを始めてから、
やせはしませんが体重増加が留まりました。

それから、いくつか気づいたことがあります。

・おかずだけ食べるとすべてしょっぱくて食べられない。日本食のおかずの味付けはご飯がはかどりやすい濃さに調整されている。おかずだけ食べる場合はかなり薄味になるので、高血圧対策になる。

・「おなかいっぱいで動けない」という満腹感は炭水化物による。蛋白質中心の食事を食べ過ぎると「苦しく」なる。

・糖質制限食に慣れると、炭水化物を食べると胃もたれする。胃もたれの程度により、食べたものにどれくらい炭水化物が入っているか感覚的にわかるようになる。この胃もたれが満腹感に通じることがわかった。

・蛋白質中心にすると、満腹感ではなく「もうこの辺でいいかな」と食事を終了するので、食後すぐに動ける。

・「ご飯を食べないと食事をした気にならない」という人は“炭水化物中毒”に陥っている可能性がある。

等々。


<参考>

▢ 「白いごはんを食べるのは砂糖を食べるのと同じ」脳を侵食する"糖質中毒"の恐さ薬物依存症よりずっと治療が難しい
牧田 善二:AGE牧田クリニック院長
▢ ボクサーの食事!減量ダイエット中の食事は?栄養士が教えます!

▢ ライザップ式の食事ルールは痩せる? – メニューやキツイと噂の指導・コンビニで買える商品も大公開!

▢ 医師が警鐘!「フォアグラ肝臓」引き起こす3NG習慣 「脂肪肝」の真犯人は脂肪ではなく「糖質だ」
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そろそろマスクを外しても・・・?

2022年05月01日 07時50分22秒 | 小児科診療
最近、世界各国で“マスクを外す”動きが広まりつつあります。

▢ 英イングランド、マスク着用義務を終了へ オミクロン株は収束傾向
▢ 屋外でのマスク着用義務廃止 ワクチン接種進むイスラエルで
▢ 米TSAがマスク着用義務を廃止、CDCと国務省は日本への渡航注意レベルを4から3へ引き下げ
▢ 韓国 屋外でのマスク着用義務を廃止へ「国民の不便を考慮」

いち早くマスク義務を撤廃したイギリスは屋内でのマスクも解除しており、
勇気ある決断です。
他の国々は完全撤廃ではなく、
屋外での解除に留まる傾向があります。

マスクが習慣づいている日本人にはピンときませんね。

なぜ撤廃できるのか?
様々な理由が考えられます;

1.新型コロナが制圧された
2.新型コロナが制圧できないとあきらめた
3.新型コロナを風邪レベルと捉えるようになった

私の印象は、
1→ ✖️
2→ △
3→ 〇
です。

以前の私のブログ、
を読んだ方は、なんとなく以下のようなイメージが湧くと思われます。

・新型コロナは何回も罹る感染症である
・新型コロナは感染回数を重ねると重症化しにくくなる
・ワクチン接種1回は自然感染1回と数えられる

ことが徐々にわかってきたので、

ワクチン接種あるいは自然感染を複数回経験した人は重症化しにくい
国民全体が複数回の免疫獲得の機会があれば医療崩壊を起こすほど多数の重症患者は発生しない

との判断が根底にあると推察します。

解除する国々では、
・国民がマスクを嫌い、イライラしている
・新型コロナを重症感染症ではないと受け止めている
・新型コロナのダメージよりも感染対策による社会経済的ダメージの方が大きいと感じている
という社会通念があるのでしょう。

日本でもようやく専門家から、
「マスク義務をゆるめていいのでは?」
という意見が出てくるようになりました。

▢ 「必要ない場面も・・・」一律のマスク着用に見直しの議論が 犬の散歩や図書館ではマスクを外してもいいって本当?

この中で国際福祉医療大学の和田耕治氏は、
以下の場面ではマスクを外してもよいと言及しています;


皆さんはどのように感じますか?

私の印象は・・・
マスクは本来、ソーシャル・ディスタンスを取れない場合のかわりの手段という位置づけですから、1はOK。

2と3の場面では、感染リスクはどうなのでしょう。
「会話がなければ飛沫は飛ばない」
ことはわかるのですが、
「ふつうの呼吸(呼気)でウイルスを含んだエアロゾルは排出されるのか?」
つまり、
会話をしない、ふつうの呼吸だけで感染するのか?
という疑問が湧いてきます。

検索してみましたが、「ふつうに息するだけ」のデータは見当たりませんでした。
「ふつうの呼吸」と「ふつうの会話」が一緒になって評価されている報告は散見されました。

▢ 呼吸だけで感染力 スーパースプレッダー驚きの飛沫量
▢ 新型コロナ、通常呼吸でも伝染か 米がマスク指針変更の見通し

さて、ソーシャル・ディスタンスが取れない満員電車でクラスターが発生しにくい事実は、
・みんなマスクをしている
・しゃべらない
という2つの要因が大きいと分析されています。

ではもし「満員電車でマスクを外してもしゃべらなければ大丈夫?」なのでしょうか。
解除する前に、是非この実験をしていただきたい。

さらに学校教室における会話なしの授業1コマのエアロゾル浮遊シミュレーションをスパコン「富岳」で検証していただきたいものです(先生はしゃべる?しゃべらない?)。

寒い朝に息を吐くと白くなりますから、
ふつうの呼吸でもエアロゾル(マイクロ飛沫)は出ているはず。
満員電車でタバコを吸えば、会話をしなくてもそのにおいはずっと残ります。

おっと、ここで「エアロゾルはふつうの呼吸(呼気)でも少量排出される」という記述を見つけました;

▢ 新型コロナウイルス:やっぱり空気感染するの?
坂本史衣:聖路加国際病院 QIセンター感染管理室マネジャー



「通常の呼吸」でも「エアロゾルは少量排出される」
と明記されています。
あとは「このエアロゾルが感染力とどの程度リンクするか?」を知りたいですね。

従来の“適切な換気”で解決するレベルなのか、どうか。

我々が相手にしているのは会話で飛び散る“飛沫”ではなく、数時間浮遊する“エアロゾル”です。
石橋を叩いて渡るに超したことはありません。

念を押しますが、
以上の考え方は新型コロナ感染症を“怖い感染症”と捉えたときのものです。
新型コロナを“ふつうの風邪”レベルと国民が受け入れていれば、
マスク解除に何の問題もありません。

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