徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

新型コロナ(XBB/XBB.1.5)には、やはりワクチン。

2023年07月26日 06時45分57秒 | 小児科診療
2023.5.8以降、新型コロナがジワジワと増え続けており、
「第9波到来」と呼ぶ専門家もいます。
現在主流な株はオミクロン系統の「XBB/XBB.1.5」。
2023年初頭に登場し、全世界を席巻しています。

さてこのXBB/XBB.1.5、
免疫回避能力が高いとされています。
その性質に一歩踏み込んだ報告の記事がありましたので紹介します。

XBB/XBB.1.5は、
過去に新型コロナに罹っていても罹りやすく、
一方でワクチン免疫により回避しやすい。

・・・といっても、
「ワクチンを5回以上接種している人は感染率が25%減る」
と効果は部分的ですが。

▢ XBB/XBB.1.5、ほかの変異株より再感染リスク高い
ケアネット:2023/07/26)より一部抜粋;
 
 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の多様な変異の出現は、ワクチンと感染の両方による集団免疫を回避する能力の向上と関連している。米国・カリフォルニア大学バークレー校のJoseph A. Lewnard氏らの研究によると、現在主流となっているオミクロン株XBB/XBB.1.5系統は、ワクチン由来の免疫と感染由来の免疫とで回避傾向が異なり、同時期に流行しているほかの変異体と比較して、ワクチン接種回数が多い人ほど感染リスクや感染時の入院リスクが低減する一方で、過去に感染既往がある人はXBB/XBB.1.5への感染リスクが高いことが示された。Nature Communications誌2023年6月29日号に掲載の報告。
 XBB/XBB.1.5系統は2023年1月下旬までに、ほかの変異体を追い抜き米国内で主流となった。本研究では、南カリフォルニアにおいて2022年12月1日~2023年2月23日の期間に、外来でSARS-CoV-2陽性と判定された3万1,739例のデータを解析した。これらの被験者において、XBB/XBB.1.5に感染した人と、ほかのBA.4/BA.5などに感染した人について、ワクチン接種歴と過去のSARS-CoV-2感染既往、および臨床転帰を比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・XBB/XBB.1.5系統に感染していると推定された外来患者の割合は、2022年12月1日の時点で21.1%(45/213例)であったのが、2023年2月23日の時点で77.8%(49/63例)に増加した。全被験者3万1,739例のうち、XBB/XBB.1.5症例は9,869例、それ以外のBA.4/BA.5などの非XBB/XBB.1.5症例は2万1,870例だった。
COVID-19ワクチン接種回数と感染リスクの関連は、XBB/XBB.1.5症例は、非XBB/XBB.1.5症例と比較した調整オッズ比(OR)が、接種2回で10%(95%信頼区間[CI]:1~18)、3回で11%(3~19)、4回で13%(3~21)、5回以上で25%(15~34)低かった
過去のSARS-CoV-2感染既往と感染リスクの関連は、XBB/XBB.1.5症例は、非XBB/XBB.1.5症例と比較した調整ORが、過去1回の感染既往で17%(95%CI:11~24)、過去2回以上の感染既往で40%(19~65)高かった
・・・
 著者らは本結果について、XBB/XBB.1.5系統は、オミクロン株以前の変異株を含む過去の感染によって引き起こされた免疫応答に対する回避能が、同時期に流行しているBA.5系統より優れているものの、ワクチン接種によって引き起こされる免疫応答に対してはより感受性が高く、過去の変異株とは異なる特徴を持っていると述べている。

<原著論文>


先週、私は医療関係者枠で5回目の接種を済ませました。
翌朝、接種した腕の重痛さと悪寒で目覚めましたが、
幸い微熱とだるさは午前中で治まり、
仕事も続けることができました。

これで3ヶ月は感染予防率7割、
半年は重症化予防率8割が手に入りました。
先週から連日新型コロナ陽性患者さんが外来受診されている状況ですので、
日常的に陽性者に接触している医師という職業では、
自分と家族を守るためにワクチンを接種し続けるしかありません。
コメント
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