徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

インフルエンザの話題あれこれ

2011年11月20日 06時29分57秒 | 小児科診療
 インフルエンザ関連ニュースの拾い読み。

 今シーズンは当初製薬会社のワクチンが検定で不合格となり、ワクチン不足が懸念されました。

■ インフルエンザ:ワクチン不足、増産で来月解消へ--県医療指導課 /鳥取(2011.11.19:毎日新聞)
 ◇「安心して接種待って」
 インフルエンザワクチンの出荷が一部製薬会社で予定より減った影響で、鳥取県内の一部医療機関でも先月からワクチン不足が続いている。県などによると、ワクチンの増産などで、来月には状況はほぼ改善される見通しになった。県医療指導課は「12月上旬には県内需要に対する100%の供給めどが立っている。かかりつけの医者の指示に従い予約するなどして、安心して接種を待ってほしい」と呼びかけている。


 幸い当院で採用している製薬会社ではなく、影響は受けませんでした。

 しかし、例年予約希望のすべてにお答えできない状況が続いています。これは接種の際に風邪をもらわないように時間・空間を分けているからです。インフルエンザワクチンは短期間に集中して行う必要があり、接種枠を広げれば広げるほど一般診療の時間が削られることになりますので悩ましい。

 さて、かかりつけながら当院で接種できない方(すみません)が他院で接種予定の前に風邪を引いて「ワクチンを打って大丈夫ですか?」と相談に見えます。
 軽い症状でどんどん悪化する勢いがなく、診察所見で問題がなければ私は接種していますが、この辺の考え方には医師間で少し温度差がありますので、残念ながら「打っても大丈夫ですよ」と保証することはできかねます。接種医の判断を仰いでください。
 一般論は当院HPの「風邪を引いた後はどれくらい期間を空ければいいのですか?」をご参照ください。

 なお、インフルエンザワクチンに余裕ができましたので、現在予約受付を再開しています。ご希望の方は電話・窓口で受け付けていますのでどうぞ。
11月22日で追加枠も埋まりましたので、受け付けは終了させていただきました。

 次はインフルエンザ流行のリスクを教えてくれる温度湿度計の話題;

■ インフルエンザの季節到来、感染予防に役立つ湿温度計発売(2011年11月19日:子育て支援ニュース)

◇ インフルエンザの感染予防対策に一役
健康計測機器の開発などを行っているタニタは、10月20日からインフルエンザの予防に有効な温湿度計の発売を開始した。
 今回の商品は、小児科医の研究などで明らかになった、季節性インフルエンザの発症が、温度や湿度と密接な関係があるという理論に基づき開発された。
 温度と湿度(相対湿度)の値から算出した「絶対湿度=体積1立方メートル中に含まれる水蒸気の量」をベースに、ウィルスが生存しにくい環境(ほぼ安全)、ウィルスに感染に注意が必要な環境(注意)、ウィルスに感染しやすい環境(警戒)の3段階で表示。表示に沿って湿度と温度管理を行い、インフルエンザの予防対策に繋げる。
◇ 手ごろな価格で3種類を用意
商品はデジタル表示で見やすい「TT-549」(価格3675円)、アナログ式で、据え置きと壁掛け兼用の「TT-547」(価格2100円)、アナログ式で大型の壁掛け使用の「TT-549」(価格3675円)の3種類を用意。
 「TT-549」では、「警戒」時にはアラームが鳴るように、注意を促す機能を搭載したほか、カビが発生しやすい環境にあることを知らせる表示機能なども備えている。

タニタのHP

 インフルエンザは気温と湿度が低いと活動が活発化するから冬に流行すると従来説明されてきました。それを数字で表して危険度を知らせる湿温時計が体重計で有名な「タニタ」から発売されました。

 でも、育児熱心のお母さんが乳児用体重計を購入して毎日体重測定しノイローゼになってしまう、という現象と同じことが起きないか私は心配です。

 インフルエンザは熱帯地方でも流行していますし、近年検査キットが普及するとともに沖縄県では夏にもインフルエンザ流行が発生していることが判明しましたので、この温湿度計は私の目から見るとちょっと・・・。
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インフルエンザお役立ちサイトのご紹介

2011年11月18日 07時01分37秒 | 小児科診療
 今年もインフルエンザシーズンの季節が到来。
 私は毎年HPにインフルエンザに関する項目を作成してきたのですが、最近は自作物よりも充実したHPがたくさんあるので、作る意欲が・・・とりあえず知りたい方はこちらをご参照ください;

※ 2009年に発生した「新型インフルエンザ」は2011年4月に新型扱いから季節性扱いに格下げになりました。

【流行状況チェック編】
□ 「MLインフルエンザ流行前線情報データベース」(全国の小児科医)
 ・・・小児科医の有志が情報提供して日々更新している有名なサイト。
□ 「インフルエンザの流行状況-日本」(google.org インフルトレンド)
 ・・・キーワード検索の頻度から流行状況を捉えるちょっと変わった視点。
□ 「群馬県のインフルエンザ流行状況」(群馬県HPより)
 ・・・身近な流行情報をキャッチできます。
□ 「インフルエンザ流行状況」(IDSC)
 ・・・国立感染症研究所の感染症情報センターのHP。盛りだくさんです。

【基礎知識編】
 厚労省、日本医師会のQ&Aはシンプル。製薬会社HPの方が美しく仕上がっていますね。
□ 「インフルエンザ一問一答」(厚生労働省作成の動画サイト)
□ 「インフルエンザQ&A」(厚生労働省)
□ 「平成23年度インフルエンザQ&A」(日本医師会)
□ 「なるほど病気ガイド:インフルエンザ」(アステラス製薬)
□ 「インフルエンザ情報サービス」(中外製薬)
□ 「influenza.jp」(グラクソ・スミスクライン)
□ 「インフル・ニュース」(第一三共)

【番外編】
 ・・・ちょっと変わったインフルエンザの学習サイト。
□ 「インフルエンザ・ウイルス・ミステリー」(科学技術振興機構)

【医療情報編】
□ 「インフルエンザウイルス分離・検出速報」(IASR)
□ 「インフルエンザ総合対策」(日本医師会)
□ 「インフルエンザ対策2011-2012」(厚生労働省)

 一応、自作にもトライしてみます・・・。
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ポリオワクチン、群馬県では・・・

2011年11月17日 06時20分33秒 | 小児科診療
 悩ましいポリオワクチン問題。
 生ワクチンはまれ(1/100万人)だけど副反応でポリオが発症してしまう、
 不活化ワクチンは現時点では未承認で輸入ワクチンは自費&補償なし。
 アジア~中国では野生株のポリオ患者が発生しており、日本に入ってくる可能性もある昨今、「じゃあ、どうすればいいの?」という状況です。

 そんな折、群馬県内でもポリオ生ワクチンの接種率が低下しているとの記事が流れました;

ポリオ 生ワクチン接種4093人減(2011年11月17日 読売新聞)

◇ 昨年同期比「不活化」希望者増え
 副作用への懸念から、県内でポリオ(小児まひ)を予防する生ワクチンの接種を手控える動きが広がっている問題で、今年度上半期(4~9月)の接種者は1万3403人で、昨年同期より4093人減少したことが16日、群馬県への取材でわかった。接種率は53・6%で、13・5ポイント低下。県は「生ワクチンでも副作用が出る可能性は極めて小さい。接種しない方が危険」として、接種率を向上させるよう、集団接種の実施を義務付けられている各市町村への指導を強化している。
 県によると、過去3年度間の生ワクチンの接種率は、83・0%(2008年度)、81・4%(09年度)、86・4%(10年度)で推移。10年度の上半期は67・1%で、最終的には、秋から冬にかけての集団接種によって率が上昇していた。
 しかし、今年に入ってから、副作用の危険性や、安全性が高いとされる未承認の「不活化ワクチン」の接種を行う小児科医の活動を取り上げるテレビ番組などの影響で、生ワクチンの接種を控える保護者が増加。県は10月下旬から11月上旬にかけて、35市町村に上半期の接種状況をアンケートした。
 その結果、25市町村で接種者が昨年同期から減少したことが判明。対象となる3か月から1歳半の乳幼児の人口減少は1070人だが、それを大きく上回る4093人が減り、減少幅が最も大きかったある市では40・4%減となった。推定される減少理由を尋ねると、16市町村が「不活化ワクチン承認待ちの保護者が増えている」と回答した。
 一方、県内でも今年2月以降、不活化ワクチンを海外から個人輸入して接種を行う小児科医が、太田、桐生両市に計3院出てきた。費用は6000円かかり、事故が起きた場合の公的補償制度もないが、各院とも月間30~50人程度が接種を受けている。
 先駆けとなった「こばやし小児科内科医院」(太田市)の小林道生院長は「不活化ワクチンの方が安全だと判断し、個人輸入に踏み切ったが、希望者全員の求めには応じきれない状況。中国ではポリオの感染事例が出ており、承認待ちで何もしないのが一番危ない」として、何らかの形でのワクチン接種を呼びかける。



 日本小児科学会も11月14日に「ポリオワクチン接種に関する予防接種・感染対策委員会の見解」を出しました。
 その中でも「不活化ワクチンは未承認薬で有事の際の補償が薄いこと納得した上で受けるべき」であり、一方「不活化ポリオワクチンが導入されるまでポリオワクチン接種を待つことは推奨できません」とも記述しています。
 やはり悩ましく、正解がありません。

 そんな中、話題の神奈川県では不活化ポリオワクチンが県主導での輸入が始まりました;

未承認ワクチン輸入開始 ポリオ予防接種で神奈川県(2011/11/16 共同通信)

 神奈川県の黒岩祐治知事は16日の定例記者会見で、ポリオ(小児まひ)の予防接種で現行の生ワクチンより安全性が高い未承認の不活化ワクチンの輸入手続きを始めたと発表した。県立こども医療センターの医師らの名義で計1200本を個人輸入し、12月中旬の接種開始を目指す。
 県によると、接種費用は自己負担で1回6千円かかり、当面は県内3カ所の保健福祉事務所で実施する方針。黒岩知事は「無料でやりたいが、国が承認をしないからできない。承認すれば解決する問題だ」と批判した。
 今月中に郵便はがきで予約の受け付けを開始する。予約の申込先や接種場所は近く発表する。


 
 小児科開業医の私としては、病気のリスクとワクチンの効果・副反応リスクを受ける側に考えてもらうよい機会だと感じています。
 無料の定期接種では、受けるワクチンがどんな病気を予防するのか、ワクチンの効果・副反応はどうなのか、という感心がどうしても薄れてがちですので。
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母子手帳の内容が改訂されるそうです。

2011年11月12日 19時27分18秒 | 小児科診療
 来年度から母子手帳の内容が改訂されるそうです。
 色々な要望を取り入れた内容になっています。

来年度から母子手帳の様式変更(2011.11.11:薬事日報)

 厚生労働省は、2012年4月から「母子健康手帳」の様式を変更する。直近の調査に基づいて乳幼児身体発育曲線と身長体重曲線を改訂するほか、胆道閉鎖症など、生後1カ月前後に便色に異常が現れる先天性疾患を早期発見できるように新生児の便色情報を提供する。
 母子健康手帳は、1965年に母子保健法で市町村が交付するものとして定められて以降、社会情勢や保健医療福祉制度の変化、乳幼児身体発育曲線の改訂などを踏まえ、概ね10年ごとに様式を見直してきた。
 今回は、厚労省の検討会がとりまとめた報告書に基づいて省令改正する。
 胆道閉鎖症等の注意喚起については、現行様式でも「便の色がうすい黄色、クリーム色、灰色色で、白目や皮膚が黄色~黄緑色である場合は胆汁が流れにくい状態が疑われる」として小児科等の受診を促しているが、便色調の見本はない。そのため報告書は、「便カラーカード」を手帳と一体的に利用する必要性を指摘している。
 このほか、ハイリスク妊娠の増加、妊産婦の意識変化、妊婦健康診査の充実といった現状を踏まえ、妊娠・分娩リスクに関する情報を追記し、妊婦検診の記録欄や妊産婦の自由記載欄を増やす。
 また、発達が遅れがちな子どもを持つ保護者に配慮して、成長発達の確認項目の一部について、ある時点で「できる」「できない」を回答する形式から、達成時期を記載する形式に変える。予防接種の様式も充実する。
 検討会では、父親の育児参加を促すために、手帳の名称を「親子健康手帳」に変更してはどうかとの意見もあったが、妊産婦と乳幼児の健康の保持増進を重視する考え方から、従来通りにすることにした。


 ワクチン関係の改訂には触れられていないなあ・・・と思ったら「予防接種の様式も充実する」とあります。厚労省のHPを検索したら、より具体的な内容が記されていました;

【ポイント】
○ 妊産婦及び乳幼児の健康の保持及び増進の重要性に鑑み、母子健康手帳の名称は変更しない。
○ 省令様式の分量が増加する場合、任意様式の簡略化を行うが、最低限に必要な知識は引き続き情報提供する。
○ 妊産婦の意識の変化、妊婦健康診査の充実等を受け、妊娠経過の記載欄を拡充し、自由に記入できる欄を増やす。
○ 先天性胆道閉鎖症等、生後1ヶ月前後の児の便色の異常を呈する疾患の早期発見のため、カラーカードを母子健康手帳と一体的に利用できるようにする。
○ 平成22年乳幼児身体発育調査に基づき、乳幼児身体発育曲線及び幼児体重曲線を改訂する。
○ 予防接種記載項目について、定期接種の記載欄を一連の様式とし、任意記載欄を増やすなど充実を図る。
○ 母子健康手帳以外の情報提供のあり方、健康診査等のデータの管理や活用等の課題について今後さらに検討する。

 
 小児科医が推奨する下記の予防接種スケジュールと比較してどうなるのか興味がありますね。

<参考>
日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール
VPDが推奨する予防接種スケジュール
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待合室の絵を入れ替えました。

2011年11月12日 19時05分41秒 | 日記
 先日、待合室の壁に飾ってある安藤勇寿さんの色えんぴつ画の一部を替えてみました。
 今までのものは入道雲や川遊びや虫取りなどの夏の風景。





 入れ替え後は紅葉や秋の空と秋仕様。





 (ここにコピペした色えんぴつ画は飾ってあるものと異なります)

 ちょっとは雰囲気が変わったでしょうか。
 でも、もうすぐ冬ですねえ。
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「子どものワクチン無料化を」~行動する小児科医達~

2011年11月12日 06時50分46秒 | 小児科診療
 11月10日に東京でワクチンに関するデモが行われました。小児科医も参加しています。
 「ワクチン後進国」という汚名を着せられて久しい日本のワクチン行政、まだまだ腰が重く、子ども達の健康を守るために直談判せずにはいられない状況が続いているのです。



子どものワクチン無料化を(2011年11月10日:NHK)
 細菌性髄膜炎などワクチンで予防できる病気から子どもたちを守るため、すべてのワクチンを無料で接種できるようにしてほしいと、10日、患者団体などが東京でデモ行進を行いました。
 デモ行進を行ったのは、髄膜炎やポリオの患者団体の会員や幼い子どものいる女性などおよそ100人で、「すべての子どもにワクチンを」と書いた横断幕を掲げ、東京・霞ヶ関周辺を歩きました。
 現在、国内で、高校生の年齢までに接種するワクチンは全部で13種類ありますが、国などが費用を負担する「定期接種」の対象は、「はしか」など5種類だけです。また、細菌性髄膜炎と子宮けいがんのワクチンの接種費用の一部については、国が助成を始めたものの来年4月以降も続くかどうか決まっていません。すべてのワクチンを接種した場合、負担額は最大で20万円ほどになる計算で、参加者たちは子どもたちを守るため、すべてのワクチンを「定期接種」に位置づけ、無料で接種できるようにしてほしいと訴えていました。
 デモ行進の実行委員長を務めた吉川恵子さんは、「ワクチンの接種費用は子育て世代にとっては重い負担だ。経済的な事情で接種できないとなると、親もつらいし、何よりも子どもたちが命の危険にさらされてしまう。格差が生じないよう国には一刻も早く取り組んでほしい」と話していました。


 こちらにも記事があります。
ワクチンデモ2(ロハスメディカル)

<参考> 実行委員会のHP
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インフルエンザ陽性者が出ました。

2011年11月10日 06時19分18秒 | 小児科診療
 日本全国でインフルエンザ流行による学級閉鎖のニュースがちらほら聞かれる今日この頃。
□ (11月9日)インフルエンザで学級閉鎖/香川県内、今シーズン初
□ (10月28日)神奈川県内初 新林小で学級閉鎖
□ (10月24日)練馬区の小学校でインフルエンザによる学級閉鎖 東京の公立校で今季初

 当院でも10月9日に今シーズン発のインフルエンザ陽性者が出ました。
 A型です。
 症状は40℃の高熱で全身がだるく食欲がないと典型的。
 近隣の小児科医院でも、やはりA型陽性者が出たという情報がありました。

 いよいよ流行シーズンに突入でしょうか。
 体調を整え、手洗い励行で臨みましょう。

 ちょっとずれますが、こんな話題も;

AKB48が森の大切さ訴え 国際森林年でイベント(2011.11.9:産経新聞)
 今年は国連による「国際森林年」。森林の大切さを若者にも考えてもらおうというシンポジウム「森のチカラで、日本を元気に。」が9日、東京都千代田区で開かれた。アイドルグループ「AKB48」の4人が登場し、間伐の必要性を訴え、「木を活用しながら森林を守ろう」と呼びかけた。
 国際森林年は、地球の森林が陸地の約3割まで減ったため国連が制定した。
 日本は国土に占める森林の割合が世界3位。だが、近年、細い木々が密集して荒れ果てた人工林が増えているのが現状という。
 会場では、適切に木を切り出す間伐によって太陽光が届き、太く育った森林が紹介された。一方、輸入材の台頭で間伐が進まない現状も報告された。
 切り出した木の使い道について林野庁の末松広行林政部長は「公共施設での利用が増えている」と説明。木造校舎は湿度の調整が自然に行われ、鉄筋コンクリート造りに比べてインフルエンザによる学級閉鎖が3分の1だったとする愛知教育大の研究を示した。
 間伐作業に挑戦したというAKB48の秋元才加さん(23)は「切り出した木は多くの水分を含んで良い香りがした」と感想を話した。

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錦織、世界24位!日本男子史上最高

2011年11月09日 07時03分52秒 | テニス
 男子プロテニスの日本のエース、錦織圭君がやってくれました!
 スイス室内大会において、準決勝では世界No.1のジョコビッチを接戦の末に制する快挙を達成し、決勝では残念ながらフェデラーに完敗しましたが、ランキングでは歴代日本人プレーヤーで最高位の24位を獲得(彼以前では松岡修造の46位が最高記録でした)。
 ケガに泣き、若くしてどん底を味わった彼は精神的にも鍛えられ、ブラッド・ギルバートという名コーチと組んでから着々と実力をつけてきています。
 近い将来、ベストテンに手が届くかも・・・楽しみです。

■ 錦織、世界24位!日本男子史上最高(デイリースポーツ:2011年11月8日)

「男子テニス、スイス室内・決勝」(6日、バーゼル)
 シングルス決勝で世界ランキング32位の錦織圭(21)=ソニー=は元世界1位で現在4位のロジャー・フェデラー(30)=スイス=に1‐6、3‐6で完敗した。錦織は、2008年のデルレービーチ国際選手権(米国)以来となるツアー2勝目はならなかったが、この準優勝が反映され、錦織は7日付の世界ランキングで日本男子史上最高を更新する24位に上がった。

 夢に見たフェデラーとの初対決で完敗した。錦織は決勝で、地元の声援を受ける元世界ナンバーワンに圧倒され、快進撃が止まった。1度も相手のサーブを破れないまま、1時間12分で試合終了。「予想以上だった。いつもの自分でどれだけ戦えるか、というのがあったが全然通用せず、余裕もなかった」と、悔しそうに振り返った。

 相手の強さを痛感したが「僕はこういう試合から学ぶ」と成長の糧にする。準決勝で世界ランキング1位のジョコビッチ(セルビア)に勝ち、1回戦では同7位のベルディハ(チェコ)を破った。10月のマスターズ上海大会でA・マリー(英国)と対戦。トップ選手との戦いを経験し、成長している実感がある。

 今年初めに83位だった世界ランキングは7日付で日本男子史上最高の24位にまで上昇した。「当初は50位以内を目標にしていた。今はすべてが変わった」と、来年は「20位」を目標に掲げた。日本のエースが、新たな領域に足を踏み入れた。


 ・・・この後の大会では格下選手相手に1回戦敗退だそうです・・・残念。

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「国に覚悟と用意がなければ、ワクチンプログラムは機能しない」

2011年11月09日 06時42分43秒 | 小児科診療
 という文言をアメリカ在住の感染症専門医:宮入烈さんのブログで見つけました。
 日本とアメリカの予防接種行政の違いがわかりやすい内容なので一部を抜粋します;

ワクチンの力が診療スタイルも変えた
 私がアメリカで診療してきた11年間で、風疹や麻疹の患者にお目にかかる機会はついぞありませんでした。さすがに水痘は数例診断しましたが、2回接種が一般化してからは、免疫不全患者の帯状疱疹を時折診断する程度になりました。したがって、病棟で水痘接触騒動が起こることもほとんどありませんでした。

 日本でも近年、細菌に対するワクチンが導入されましたが、既にアメリカではその絶大な効果を実感できるところまで普及しています。非ワクチン血清型の重症肺炎球菌感染症はいまだに診ますが、インフルエンザ桿菌b型(Hib)感染症に関しては、これまた経験ゼロです。b型以外の珍しいインフルエンザ桿菌による重症感染症が年間数例ある中でも、b型はゼロなので、接種後のブレイクスルーは極めてまれと言えるでしょう。

 「ワクチンで予防可能な疾患はすべて予防する」という、ごく当たり前の理念を実現するには、国家としての戦略が必須です。アメリカでは一定の強制力を持つ制度として、ワクチン行政が成り立っています。

 テネシー州のメンフィスでは、8月になると子どもたちの新学期が始まります。同州の学校や保育園に通うためには、「グリーンカード」と呼ばれるワクチン接種歴を記載した用紙をかかりつけ医から取り寄せて提出することが必須です。思想信条などを理由にワクチン接種を拒否することは可能ですが、学校に通うには相応の書類を申請する必要があります。ワクチン反対派の中には、集団教育を避けて子どもを通学させず、ホームスクール(家庭内教育)で学ばせる親もいます。

国に覚悟と用意がなければ、ワクチンプログラムは機能しない
 ワクチンを打ったら、当然、一定の割合で有害事象ないし副反応が発生します。ですから、強制力のあるシステムを導入するからには、情報を開示して、問題があれば責任を取る用意ができていることが前提となります。アメリカの有害事象報告システム(Vaccine Adverse Event Reporting System;VAERS)は、医療従事者のみならずワクチンを受けた患者や家族が有害事象を報告できるオンラインシステムで、そのデータを誰もがダウンロードできるようになっているのがすごいところです。

 このデータを基にワクチンとの因果関係が分析され、認定されれば補償を受けることができるし、重大な副反応があることが分かればワクチン接種自体が見直されることになります。システムを運営したり補償を行ったりするための資金は、ワクチン接種費用に加算することによって賄われています。

 重要なポイントは、予期せぬ事態に対する責任と賠償を国が担っていることです。接種した看護師、医師、医療機関、ワクチンメーカーも免責されることになっています。このシステムが機能した例はいろいろあります。例えば、初期のロタワクチンによる腸重積の発生例(10万人に1人)を拾うことに成功し、因果関係が疫学的に示唆されたことにより接種が中止され、問題点を改善した次世代のロタワクチンの開発につながりました。その後、ロタウイルスによる入院患者は激減しています。ワクチンプログラムには国家的なビジョンが必要で、次代の社会の担い手を感染症から守り、未来を切り開くという大義があります。
(日経メディカルオンライン:2011.10.18)

 ・・・アメリカの有害事象報告システム(Vaccine Adverse Event Reporting System;VAERS)や補償制度(医師個人やワクチンメーカーに責任を押しつけるのではなく国が補償する)が日本にはありません。うらやましい限りです。
 それがために日本では副反応に認定されない患者さんは裁判に訴えることになり、一方紛れ込み事故でも「因果関係が否定できない」レベルで有罪判決を下される不幸な接種医とワクチンメーカーが後を絶たない・・・。
 これが日本の現状であり、ワクチン行政が萎縮して世界標準から20年遅れたと指摘される根本的な原因と考えられています。

 しかし、風疹・麻疹のみならず、ヒブ感染症の経験がないとは驚きです。日本ではヒブワクチン導入前まで、ヒブによる細菌性髄膜炎が病院小児科で診療する最重症の感染症であり続けていましたので。普及に伴い現在は減少傾向です(鹿児島大学の報告)。
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タミフルの話題2つ

2011年11月08日 20時12分40秒 | 小児科診療
 抗インフルエンザ薬として定着しているタミフル。
 今シーズンも10歳台の使用制限は解除されない様子。
 また、近年耐性化が話題になっています。たくさん使われると耐性化を獲得するのは抗生物質と同じ現象ですね。リレンザも、イナビルも、ラピアクタもいずれ同じ運命かと。

 最近目についたニュースを2件紹介します;

タミフル遅れても投与を A09年型インフル(2011.11.8:朝日新聞)
 インフルエンザA09年型の感染者には、遅くなっても抗ウイルス薬タミフルの投与を――。そんなことを示す研究を国立国際医療研究センターの工藤宏一郎医師らがまとめ、米科学誌プロスワンに発表した。タミフルの投与は発症後2日以内が望ましいとされている。
 工藤医師らは、2009年に大流行したこのインフルエンザの発生国メキシコの国立病院と協力、症状とタミフル投薬後の経過を442人分の診療記録で調べた。
 その結果、発症から2日以内にタミフルを投与された患者では重症肺炎の割合は2.2%と低く、早期投与が効果的であることが裏付けられた。しかし、発症から2日以降の投与開始でも、重い症状を免れた患者が一定数いた。メキシコでは発生当時、受診が遅れ、平均的なタミフルの投与時期は発症後5日だった。
 工藤医師は「たとえ遅れても、飲んでもらう価値があることが裏付けられた」と話している。


 ・・・これは2009年当時から指摘されていたことです。データにより裏付けられました。


抗インフル薬の異常行動、2日間の注意を継続(2011.11.7:薬事日報)
 薬事・食品衛生審議会の調査会は2日、タミフル等抗インフルエンザ薬の服用と、突然の走り出しや飛び降りといった異常行動との関連について、「因果関係を示唆する結果は得られていないが、現在の予防的な安全対策を変更する積極的な根拠も得られていない」とし、引き続き罹患時の注意喚起を徹底すべきと結論づけた。
 厚生労働省は、従来通り添付文書で、▽異常行動が発現する可能性がある▽自宅療養の際に最低2日間は子供を1人にしないこと――を患者や家族に説明するよう求めると共に、情報収集を続ける。
 国立感染症研究所の分析によると、異常行動は抗ウイルス薬を服用していない患者を含めてインフルエンザ罹患者に一定の確率で認められ、ほとんどが発熱後2日目までに発生している。
 また、昨シーズンの副作用報告では、タミフルで16例、リレンザで8例、イナビルで5例、ラピアクタで1例の異常行動が起きているが、死亡に至る事例はなかった。
 タミフルについては、過去の症例を用いた薬剤疫学研究から、せん妄や意識障害の発現リスクがアセトアミノフェンに比べて高いことを疑わせる知見が得られたが、検証的なケース・コホート研究でなく、データ解析に限界があることなどを踏まえ、「因果関係が明確となったとは言えない」と判断した。


 ・・・インフルエンザという病気そのものが、高熱でうなされ、あらぬ事を口走る病気として昔から認識されてきました。ですから、抗インフルエンザ薬による影響なのか、元々の病気による症状なのか、区別判断するのは至難の業です。
 人体実験はできないので、いつになってもこの問題の結論は出ないでしょう。
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