子どもが新型コロナにかかったらどうなる?
世間の心配をよそに、ニュースではなかなか取り上げられません。
軽く済むらしい・・・
いやいや重症例の報告もある・・・
川崎病のような病態になる例も・・・
と少ないながらも情報が錯綜しています。
私の調べのつく範囲でまとめてみることにしました。
感染症専門家のWEBセミナーでは、小児に関する情報は、
発症者や重症者は少ない
10名の小児患者の経過では、発症しても24時間以内に解熱し呼吸不全はなし
(Clin Infect Dis 2020 Feb 28. pii: ciaa198. PMID: 32112072)
だけでした。
日本小児科学会HPには、一般向けに
が用意されていますのでご参照ください。
私はこちら
を読んでみました。
気になる箇所を一部抜粋します;
・COVID-19 患者の中で小児が占める割合は少なく、その殆どは家族内感染である。
・小児では成人と比べて軽症で、死亡例も殆どない。臨床症状は発熱、乾性咳嗽、全身倦怠感、嘔吐、下痢などで、発症後 1~2
週間以内に改善することが多い。
・乳児では発熱のみのこともある。
・殆どの小児 COVID-19 症例は経過観察または対症療法で十分とされている。
やはり軽症で済む傾向。
・COVID-19 は、同じパンデミックを起こす呼吸器感染であるインフルエンザとは異なる部分があることが分ってきている。妊婦がそれ程重症化しないことと、小児の感染例が少なく
重症化も稀であることである。
・現時点では、学校や保育所におけるクラスターはないか、あるとしても極めて稀と考えられる。
よくインフルエンザと比較されることがありますが、年齢層でいうと、高齢者が重症化しやすいのは共通、しかし妊婦と子どもはインフルエンザと異なり重症化しない、というのが現在の認識です。
・海外のシステマティック・レビューでは、学校や保育施設の閉鎖は流行阻止効果に乏しく、逆に医療従事者が仕事を休まざるを得なくなるために COVID-19 死亡率を高める可能性が推定されている。
・教育・保育・療育・医療福祉施設等の閉鎖が子どもの心身を脅かしており、小児に関しては COVID-19 関連被害の方が問題と思われる。
世界の中では休校措置を執らない国もありますが、それでも学校や保育園がクラスターになったという報告を耳にしません。
むしろ弊害が指摘されつつありますね。
休校措置はホントに必要なの?
と検証する必要があると思います。
・10 代では凍瘡様皮膚病変が足先に出来ることがある。
・欧米からは、毒素性ショック症候群または(不全型)川崎病を疑わせるような多臓器系炎症性症候群が、小児
COVID-19 に関連して発症するという報告が出ており注目されている 。現時点では、国内で COVID-19
流行に伴って川崎病の発症が増えたり、川崎病症例で SARS-CoV-2 が検出されたりした報告はない。
これは凍瘡(=しもやけ)様皮膚病変(COVID tue と呼ばれています)は血栓症を疑わせる所見と言われています。
川崎病は原因不明の全身の血管炎です。コロナとの関連はぜひ解明していただきたいですね。
・COVID-19 罹患妊娠・分娩において母子ともに予後は悪くなく、垂直感染は稀。しかし、新生児の感染は重症化する可能性もある。
例数が少ないので、玉虫色の表現になっています。
・SARS-CoV-2 は鼻咽頭よりも便中に長期間そして大量に排泄される。。便中のウイルスに感染性があるかどう
かはまだ証明されていないが、SARS の場合に便からの感染拡大が見られたことからも COVID-19 に関して口感染にも注意が必要となる。
便からPCRで検出されることが新型コロナの特徴とされています。
しかし、その感染性については疑問があることは前項目で述べたとおりです。
以上より、子どもは罹っても軽症で済むことは確かなようです。
また、クラスター対策としての休校措置はメリットよりデメリットの方が勝るという意見が多数派。
これから徐々に解除されていくことでしょう。
ただ注意すべきは、日本はイタリアと家族構成が似ていて、3世代同居が多いこと。
これは家庭内感染で子どもから高齢者に広がるリスクを抱えていることを意味します。
イタリアでは、3世代同居あるいは同居はしていなくても週末は3世代+αが集まって会食する習慣があり、
そこが起点となって家族内感染が広まり高齢者が多数重症化し医療崩壊を起こしたという悲劇を経験しました。
一方、スウェーデンも高齢者の死亡が多数報告されていますが、こちらはあまり騒いでいません。
イタリア以外のヨーロッパでは、子どもが成人すると親と別居するのがふつうで、
晩年は高齢者施設で過ごすのが一般的のようです。
そして、スウェーデンでは高齢者施設で新型コロナに感染して重症化しても、そこで看取るそうです。
日本のように病院の受け入れ先を探してあたふたすることはありません。
日本はイタリアの二の舞を踏まないような感染対策を講じる必要があります。
でも、家族内感染を防ぐのは至難の業です。
ただ、家庭内感染は「親から子どもへ」の報告ばかりで、
不思議なことに、「子どもから親へ」を問題視した情報は耳にしません。
なんだか、子どもは新型コロナに関しては“蚊帳の外”感がありますね。
まだ情報が不十分です。