徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

新型コロナワクチン、2023年はどうなる?

2023年03月29日 15時28分43秒 | 小児科診療
私は医療関係者枠で、すでに新型コロナワクチンを4回接種済みです。
5回目の接種券が届き、
予約しようとしたタイミングで持病が悪化したため、
保留状態になっていました。

巷では、
「いずれ年1回ペースで季節性インフルエンザと同時接種することになるだろう」
とのうわさが聞こえてきますが、
はて、いったいどうなるんだろう?

先日、公式にスケジュールが発表されましたので、紹介します。

▢ 2023年度コロナワクチン接種スケジュールを発表/厚労省
ケアネット:2023/03/09)より抜粋&整理;
   厚生労働省は3月7日、新型コロナワクチンの2023年4月以降の接種についてスケジュールの方針を発表した。2023年度も、すべての国民に自己負担なしで新型コロナワクチンを接種できる「特例臨時接種」が延長される。

<12歳以上>
・重症化リスクの高い高齢者(65歳以上)
・基礎疾患を有する人
・医療従事者
は5月8日から、オミクロン株対応2価ワクチンの追加接種を開始する。
年2回の接種が可能となる。
高齢者は春~夏に1回、秋~冬に1回の接種が推奨されている。
いずれの対象者も、最終接種からの接種間隔は少なくとも3ヵ月以上となる。

・それ以外の12歳以上の人;
2022年度秋接種開始分のオミクロン株対応2価ワクチンの追加接種を5月7日に終了し、
9月以降に、年1回の追加接種を再開する。
使用するワクチンは再度検討される予定。

<5~11歳の小児>
3月8日から、追加接種がオミクロン株対応2価ワクチンとなる。
2価ワクチンは、1・2回目接種を完了した者が対象で、最終接種から少なくとも3ヵ月以上間隔をあけて接種する。
基礎疾患を有する小児は、5月8日~8月の期間に、さらにもう1回の2価ワクチンの追加接種が可能。

<生後6ヵ月~4歳の小児>
初回免疫として従来型の1価ワクチンを随時接種することができる。

※ 参考文献・参考サイト

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「経鼻生インフルエンザワクチン」がひっそりと承認されました。

2023年03月29日 07時58分29秒 | 小児科診療
新型コロナの話題ですっかり隅に追いやられた感のある季節性インフルエンザ。
今冬も、“ツインデミック”(新型コロナとインフルエンザの同時流行)が懸念されましたが、不発に終わりました。
もっとも、現在も季節性インフルエンザ患者さんはチラホラ来院しますが。

そんな中、2023年3月に経鼻生インフルエンザワクチン「フルミスト」が、
ひっそりと日本国内で承認されました。

すでに世界数十か国で小児されているワクチンで、
小児科医にとっては「やっと、ようやく、とうとう」という印象です。

ただ、少し前に「アメリカで承認が取り消された」(※)というニュースを耳にしたことがあり、
はて、効果はどうなんだろうという素朴な疑問があります。

※ 正確には、2016/17と2017/18の2シーズン取り消され、2018/19に復活しました。

特徴は、鼻に噴霧するワクチンですから、
なんといっても「痛くない」こと。

現行の“不活化”ワクチンではなく“生”ワクチンのため、
年齢に関係なく、シーズンに1回投与で済みます。

しかし、「2-18歳」という年齢制限があります。
乳児は適応外なのが残念です。

登場は2024-5年シーズンになりそうです。

フルミストが製造販売承認を取得
2023/03/27:日経メディカル)より一部抜粋;
 2023年3月27日、経鼻弱毒生インフルエンザワクチン「フルミスト点鼻液」が国内製造販売承認を取得したことを、製造販売元である第一三共が発表した。本剤は既に30以上の国と地域で承認されているが、国内では初の経鼻投与によるインフルエンザワクチンとなる。
 効能または効果はインフルエンザの予防。用法及び用量は「2歳以上19歳未満の者に、0.2mLを1回(各鼻腔内に0.1mLを1噴霧)、鼻腔内に噴霧する」。この年齢の小児に対して国内で実施された臨床試験では、従来の不活化ワクチンとほぼ同様の発症予防効果が確認されている。なお、今回は19歳未満が対象だが、海外では成人(49歳以下)も対象とされている。
 本剤は2016年に販売申請がなされていたが、追加の臨床試験の実施などにより承認の獲得に時間を要していた。発売時期は2024年度の秋冬シーズンとなる予定。

▢ 経鼻インフルワクチン「フルミスト」承認へ対象は2歳以上19歳未満で1回噴霧
 2023年2月27日に開催された厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は、第一三共の経鼻インフルエンザワクチン「フルミスト点鼻液」の販売承認を了承した。早ければ3月にも承認される見通し。フルミストは国内初の経鼻投与型の弱毒生インフルエンザワクチンとなる。なお、本剤は既に30以上の国と地域で承認されている。
 成分は弱毒生インフルエンザウイルスのA型が2種類、B型が2種類の計4種類のウイルス。投与対象は2歳以上19歳未満で、0.2mLを1回(左右の鼻腔内に0.1mLずつ)噴霧する。確認されている副反応は鼻漏、口腔咽頭痛、咳などだ。2歳から18歳の小児に対して実施された国内の臨床試験では、従来の不活化ワクチンとほぼ同等のインフルエンザの発症予防効果が確認されている。

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モーニングアタック 〜花粉症が朝つらい理由〜

2023年03月21日 08時29分27秒 | 小児科診療
花粉症患者さんから、
「朝起きたとき、くしゃみが止まらないんです」
「朝起きてから、鼻づまりがつらいです」
という訴えを時々聞きます。

屋外活動はしていないのに、
寝室にはずっといたのに、
なぜ“朝起きる”タイミングで症状が悪化するんだろう、
と素朴な疑問が生まれます。

それに答えてくれるサイトが目にとまりました。
解説は「せたがや内科・神経内科クリニック」(東京都世田谷区)の久手堅司(くでけん・つかさ)院長。
ポイントを抜粋しますと、

1.花粉は重いので、室内に飛散しているものがやがて床の上へ落ちてくる、寝ながらそれを吸い込んでしまう。

2.起床する際、ふとんの上に積もったハウスダストが舞い上がり、それをまとめて吸い込んでしまう。

3.朝の鼻水の中に炎症を誘導する物質があり、それがアレルギー反応を引き起こす。

4.寝ているときの自律神経は、副交感神経優位になっているが、目覚めると交感神経優位に切り替わる。そのタイミングで鼻が刺激過敏に陥る。

・・・ちょっと疑問があります。

1で睡眠中に花粉を吸い込んでしまうなら、睡眠中も症状が出るはず、しかしモーニングアタックは“朝起きてから”ですから、説明に矛盾があります。

3は初めて聞きました(一応、私はアレルギー専門医です)。

4もちょっと不思議です。なぜなら、鼻づまりの治療として使う血管収縮剤は交感神経刺激剤だからです。交感神経優位な状態に刺激剤を与えると悪化するはずですが、治療薬として用いられるのはなぜ?

・・・と納得しきれていない私(^^;)。

そして対策は、

(1)夜寝る前にマスクをつけて花粉を吸い込まない。マスクは安眠の妨げになるのでできない人もいるが、実際に実行して効果をあげている人もいる。

(2)空気清浄機を使って、花粉を含むハウスダスト対策を行う。

(3)湿度が下がると花粉症が出やすくなるので、加湿器を使って室内の湿度を保つ。

(4)花粉症の薬を使って、医師の指導で治療する。

まあ、ふつうの回答ですね。


 朝から花粉症がつらすぎる…「モーニングアタック」とは?
 なぜ起きる・防ぐ方法は?
医師が解説:実は花粉症がつらい時間帯の第2位は、「朝7時ごろ」です。
・・・
ウェザーニュースが会員向けに行った調査(花粉症の方のみ対象)で、「花粉症がつらい時間帯はいつですか?」という質問をしたところ、一番多かったのが14時頃、2番目に多かったのが朝7時頃でした。(2023年3月4~5日実施、参加者:5,079人)
・・・
このように、外出前でまだ花粉と出会わない起き立ての時間帯に起こる花粉症を、「モーニングアタック」と呼びます。
症状としては、鼻水、鼻詰まり、くしゃみ、目のかゆみ、頭がボーッとしてしまうことなど。こうした症状がなぜ、朝方に起こるのでしょうか。久手堅先生に解説していただきましょう。
・・・
「モーニングアタックを引き起こす理由は、いくつかあります」と久手堅先生は語ります。
「まず、花粉は重いので、室内に飛散しているものがやがて床の上へ落ちてきます。寝ながらそれを吸い込んでしまうのが理由の一番目。
起床する際、ふとんの上に積もったハウスダストが舞い上がります。それをまとめて吸い込んでしまうのが理由の二番目。
朝の鼻水の中に炎症を誘導する物質があり、それがアレルギー反応を引き起こすのが理由の三番目。
寝ているときの自律神経は、副交感神経優位になっていますが、目覚めると交感神経優位に切り替わります。そのタイミングで鼻が刺激過敏に陥るのが理由の四番目。
このように四種類ほど考えられる理由の中で、四番目を最大の原因とする説が現在、研究者間で主流を占めているようです」(久手堅先生)
自律神経の切り替えは一年を通して毎朝行われますが、花粉が飛び始める時期は特別に「モーニングアタック」が起こりやすくなる、ということになります。
・・・
では、どのような人が「モーニングアタック」を受けやすく、どうすればそれを防げるのでしょうか。
「もともとアレルギーのある人、具体的には花粉症の人がモーニングアタックを受けやすい人です。対策としては、次のような一般的な花粉症対策と変わりません」(久手堅先生)
(1)夜寝る前にマスクをつけて花粉を吸い込まない。マスクは安眠の妨げになるのでできない人もいるが、実際に実行して効果をあげている人もいる。
(2)空気清浄機を使って、花粉を含むハウスダスト対策を行う。
(3)湿度が下がると花粉症が出やすくなるので、加湿器を使って室内の湿度を保つ。
(4)花粉症の薬を使って、医師の指導で治療する。
・・・
かかりつけ医に相談して、夜飲むタイプ(朝方に効果のピークがくるタイプ)の薬に替えてもらってもいいでしょう」(久手堅先生)

「1日2回服用する薬の効果が切れる時間帯になると症状が出る」
と訴える患者さんには、
私も1日1回で済む内服薬に切り替えています。
ただ、ちょっと効果が弱いのが難点です。

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2023年スギ花粉症襲来!

2023年03月01日 22時44分07秒 | 小児科診療
今週からスギ花粉の本格的飛散が始まりました。
小児科の当院にも、目を赤く腫らした子ども達が続々と来院してきます。

今年のスギ花粉は過去10年間で一番の大量飛散と報道されています。
tenki.jp」に分かり易い表が掲載されていたので引用させていただきます。
関東地方は例年比200%、前シーズン比210%と、目を背けたくなる数字が並んでいます。


そしてこの大量飛散は、今後1週間は続くであろうと予測されています。
ちなみに、3月はスギ花粉中心、4月はヒノキ花粉中心に飛散し、
5月のGW開け頃に飛散が終わります。


花粉症の皆さん、現在の治療に満足されていますか?
当院では抗アレルギー薬に漢方薬を併用する治療をお勧めしており、
WEB問診の回答では、満足している方が多いです。

漢方薬は西洋医学の抗アレルギー薬の弱点である、
鼻づまりや目のかゆみ、
さらに熱っぽいとか怠いとかにも対応可能です。

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