葛西紀明はスキー・ジャンプ競技の名選手。
私は昔からのファンですが、40歳になった今シーズンも現役を続けている「鉄人」です。
瞬発力が必要なジャンプ競技で40歳という年齢が通用するなんて奇跡ですね。
今季は表彰台に上る機会こそありませんでしたが、ワールドカップ終盤ではいぶし銀の活躍をしたというニュースが入ってきました;
■ 葛西が2戦連続4位 W杯ジャンプ男子最終戦
(2013/3/24 日本経済新聞)
【プラニツァ(スロベニア)=共同】ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子は24日、スロベニアのプラニツァでフライングヒル(HS215メートル、K点185メートル)による個人最終戦を行い、40歳の葛西紀明(土屋ホーム)が207メートル、217.5メートルの417.8点で22日の第26戦に続き、2戦連続の4位だった。
伊東大貴(雪印メグミルク)が188メートル、199メートルの17位、竹内択(北野建設)は182.5メートル、171.5メートルで28位だった。
■ 葛西2試合連続の惜しい4位で終了、力強さにあふれた日本チーム
(J-Sports:岩瀬孝文氏のブログより一部抜粋)
安堵の顔から、であった。
「おっかねー」
フライングジャンプは、つねに恐怖心との戦いでもある。
それは滞空時間で5秒近く、しかも飛行曲線が抜群に高くなる。
そこを我慢して、さらにしのいで220mオーバーで勝負が決まる。
変な風が吹き付けることもあり、そこは手の動きや、体軸を整えた機敏なスキー操作でなんとかバランスを保つ。
つねに気丈な葛西紀明(土屋ホーム)なのだが、ほっとした表情を垣間見せて、テレビカメラを前に、大声でそう吐いた。
というのもトライアルで転倒し、ほぼ右ひざの感覚がなくなった状況で、痛み止めを打ちながらのジャンプ。アプローチとサッツの微妙な感覚も何もかもあったものではない。しかも愛用のスキーは折れて予備スキーでの本番だ。だが葛西、少しも慌てず騒がずの心境であった。
それは、これまでの長年の感覚をベースに、さらに持ち前の強いメンタルによる、誰にも真似できない素晴らしきジャンプ技術があるから。
彼はスタート台での微笑を消し、風の安定を祈りつつ、独り言のようなつぶやきを入れて、ビシッとスタート切った。そして、やや腰高な姿勢から速やかにサッツを出た。浮いた、ひたすらに浮いて伸びていく。
金曜日の個人戦でも最後まで表彰台をかけてアタックしていた。団体戦を挟んでの日曜日、シーズンファイナル。これもラストまで表彰台に昇る可能性を秘めた好勝負。
やるじゃないか40歳のカサイ。会場はわれんばかりの拍手と大声援に包まれた。
ともすれば危険を回避して200m手前に降りる選手も現実的には存在する。そんなのジャンプじゃないだろう、と言わんばかりにシャープな空中姿勢を見せる我らが葛西だった。
世界選手権後の後半戦における日本選手の成績は、伊東大貴(雪印メグミルク)がクオピオW杯(フィンランド)2位とトロンハイムW杯(ノルウェー)の3位で表彰台、竹内択(北野建設)はクリンゲンタールW杯(ドイツ)での実力のあふれる2位があった。さらには最終プラニツァW杯(ストロべニア)のフライングシリーズで、勇者葛西が個人戦において2試合連続の4位を記録した。
シーズンの終盤にかけて、ようやく昇りへの道筋が見えてきた日本勢だ。これは完全なまでに来季に良き方向性を持つ終わり方といえよう。2014ソチ五輪に向けて、あとはこの夏場のトレーニングが重要になってくる。4月のオフ期間を挟み、各選手ともに研ぎ澄まされた集中力で望んでいきたい。
このフライングヒルはジャンプの中でも最高に危険な競技として有名です。
古くは日本の秋元正博選手が着地に失敗して足関節が180°回った事故がありました。
しかし葛西選手、ふつう転倒したら次は飛ばないだろうに・・・やはり「鉄人」としか言いようがありません。
(2013.3.24 日刊スポーツ)
(葛西紀明の話) 悔しい。転ばなかったら優勝できたかも。最高の終わり方。ソチにつながる成績で自信がついた。悔しさをばねに来季も頑張る。
引退の「い」の字も出てきませんね。
来シーズンも彼の勇姿を見ることができそうで、楽しみです。
私は昔からのファンですが、40歳になった今シーズンも現役を続けている「鉄人」です。
瞬発力が必要なジャンプ競技で40歳という年齢が通用するなんて奇跡ですね。
今季は表彰台に上る機会こそありませんでしたが、ワールドカップ終盤ではいぶし銀の活躍をしたというニュースが入ってきました;
■ 葛西が2戦連続4位 W杯ジャンプ男子最終戦
(2013/3/24 日本経済新聞)
【プラニツァ(スロベニア)=共同】ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子は24日、スロベニアのプラニツァでフライングヒル(HS215メートル、K点185メートル)による個人最終戦を行い、40歳の葛西紀明(土屋ホーム)が207メートル、217.5メートルの417.8点で22日の第26戦に続き、2戦連続の4位だった。
伊東大貴(雪印メグミルク)が188メートル、199メートルの17位、竹内択(北野建設)は182.5メートル、171.5メートルで28位だった。
■ 葛西2試合連続の惜しい4位で終了、力強さにあふれた日本チーム
(J-Sports:岩瀬孝文氏のブログより一部抜粋)
安堵の顔から、であった。
「おっかねー」
フライングジャンプは、つねに恐怖心との戦いでもある。
それは滞空時間で5秒近く、しかも飛行曲線が抜群に高くなる。
そこを我慢して、さらにしのいで220mオーバーで勝負が決まる。
変な風が吹き付けることもあり、そこは手の動きや、体軸を整えた機敏なスキー操作でなんとかバランスを保つ。
つねに気丈な葛西紀明(土屋ホーム)なのだが、ほっとした表情を垣間見せて、テレビカメラを前に、大声でそう吐いた。
というのもトライアルで転倒し、ほぼ右ひざの感覚がなくなった状況で、痛み止めを打ちながらのジャンプ。アプローチとサッツの微妙な感覚も何もかもあったものではない。しかも愛用のスキーは折れて予備スキーでの本番だ。だが葛西、少しも慌てず騒がずの心境であった。
それは、これまでの長年の感覚をベースに、さらに持ち前の強いメンタルによる、誰にも真似できない素晴らしきジャンプ技術があるから。
彼はスタート台での微笑を消し、風の安定を祈りつつ、独り言のようなつぶやきを入れて、ビシッとスタート切った。そして、やや腰高な姿勢から速やかにサッツを出た。浮いた、ひたすらに浮いて伸びていく。
金曜日の個人戦でも最後まで表彰台をかけてアタックしていた。団体戦を挟んでの日曜日、シーズンファイナル。これもラストまで表彰台に昇る可能性を秘めた好勝負。
やるじゃないか40歳のカサイ。会場はわれんばかりの拍手と大声援に包まれた。
ともすれば危険を回避して200m手前に降りる選手も現実的には存在する。そんなのジャンプじゃないだろう、と言わんばかりにシャープな空中姿勢を見せる我らが葛西だった。
世界選手権後の後半戦における日本選手の成績は、伊東大貴(雪印メグミルク)がクオピオW杯(フィンランド)2位とトロンハイムW杯(ノルウェー)の3位で表彰台、竹内択(北野建設)はクリンゲンタールW杯(ドイツ)での実力のあふれる2位があった。さらには最終プラニツァW杯(ストロべニア)のフライングシリーズで、勇者葛西が個人戦において2試合連続の4位を記録した。
シーズンの終盤にかけて、ようやく昇りへの道筋が見えてきた日本勢だ。これは完全なまでに来季に良き方向性を持つ終わり方といえよう。2014ソチ五輪に向けて、あとはこの夏場のトレーニングが重要になってくる。4月のオフ期間を挟み、各選手ともに研ぎ澄まされた集中力で望んでいきたい。
このフライングヒルはジャンプの中でも最高に危険な競技として有名です。
古くは日本の秋元正博選手が着地に失敗して足関節が180°回った事故がありました。
しかし葛西選手、ふつう転倒したら次は飛ばないだろうに・・・やはり「鉄人」としか言いようがありません。
(2013.3.24 日刊スポーツ)
(葛西紀明の話) 悔しい。転ばなかったら優勝できたかも。最高の終わり方。ソチにつながる成績で自信がついた。悔しさをばねに来季も頑張る。
引退の「い」の字も出てきませんね。
来シーズンも彼の勇姿を見ることができそうで、楽しみです。