徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

慢性便秘で悩む日本人は1000万人。

2017年04月10日 12時54分20秒 | 小児科診療
 小児科でも便秘の相談が増えてきているのを実感しています。
 当院では漢方薬も取り入れつつこんな風に指導&治療しています。

■ 患者1,000万人超の慢性便秘の考え方
2017/03/31:ケアネット
 排便頻度が著しく少なく、それが原因のQOL低下を自覚するものの、便秘が医師の治療や処方を必要な疾患であると認識している人はどれほどいるのだろうか。その証拠に、セルフメディケア商品の市場規模が300億円超といわれているのが慢性便秘である。3月23日、都内でこの慢性便秘をめぐる医療の現状をテーマにしたプレスセミナーが開かれた(主催:漢方医学フォーラム)。セミナーに登壇した中島 淳氏(横浜市立大学大学院医学研究科 肝胆膵消化器病学教室 主任教授・診療部長)は、「医師と患者の双方が、まずは便秘を『病気』として認識するとともに、適切な初療により慢性化させないことが重要だ」と述べた。
 現在、国内における全人口の約14%(2~27%)が慢性便秘であるとみられている。若年~中年層では圧倒的に女性に多いが、65歳以上の高齢層になると男女共にその割合は急激に増える。ただし、排便回数が月2回以下という重症便秘は女性に多い。また近年では、小児期のトイレトレーニングが不十分などの理由で、子どもの便秘が増える傾向があるという。
 旅行などの短期的な環境変化だけでなく、進学や就職、結婚などによる生活変化で排便習慣が乱れ、一過性の便秘となる人は少なくないが、この段階で適切な治療を行えば問題ない。適切な治療とは何か。食事指導や治療薬の処方もさることながら、医師の問診による原因究明が肝要である。
 中島氏によると、患者が排便に関する悩みを打ち明けても、「わずかでも出ているなら問題ない」「排便回数が多いのは便秘ではないので問題ない」など、多くの医師の判断基準が「回数」にあるため、訴えの本質を見逃しがちになっているという。「たとえ毎日排便があっても、過度の怒責や排便後の残便感や不快感、頻回便なども、患者にとってはQOL低下につながる切実な悩みである。これを症状として聞く姿勢がなければ、治療へとつながっていかない」と中島氏は述べる。
 先述した300億円超という膨大な便秘関連薬市場は、セルフメディケアで解消しようとする患者の多さを物語っているが、この中には医療機関で症状を打ち明けるも適切な治療を受けられず、市販薬をのみ続けた結果、慢性便秘を重症化させてしまう患者も少なくないという。
 これまで、わが国における慢性便秘治療に使われてきたのは、もっぱら酸化マグネシウムと刺激性下剤の2種であったが、新規便秘薬としてルビプロストンやリナクロチド(いずれも保険適応)が発売され、治療をめぐる潮流にも変化がみられる。
 中島氏は、さらなる選択肢として漢方薬の使用を挙げた。具体的には、(1)大黄甘草湯(2)麻子仁丸(3)潤腸湯(4)桂枝加芍薬大黄湯(5)防風通聖散(6)大建中湯の6種(作用の強い順に記載)を、患者の症状やニーズに合わせて使い分けることを勧めている。
 中島氏は現在、慢性便秘に特化したガイドライン作成委員会メンバーとして策定に当たっており、今夏を目途に発刊を目指しているという。中島氏は、「専門医のみならず、かかりつけ医においても、初療で適切な治療を行うことの重要性をガイドランに盛り込む方針。便秘の苦しみを訴える患者の声に耳を傾け、医療機関での失望経験が慢性便秘患者を増やしている現状は改めるべき」と述べた。
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ヒノキ花粉の飛散スタート(2017年春)

2017年04月03日 22時33分34秒 | 小児科診療
 春の花粉症の主役はスギからヒノキへ替わったようです。
 毎年思うのですが、スギ花粉とヒノキ花粉を分けて飛散速報を出せないものでしょうか?

■ ヒノキ花粉の飛散スタート、昨年より多い!
2017/4/ 3:J-castヘルスケア
新年度に入って気温が上がり、サクラ前線の北上が加速しているが、それとともに西からヒノキ花粉の飛散がスタートし、スギ花粉ともども注意が呼びかけられている。

◇ 九州では昨年比10倍の場所も
気象情報会社のウェザーニューズは2017年3月30日に、今季5回目の「週間花粉予測情報」を発表し、西日本から東日本にかけてはスギ花粉のピークを越えてきておりヒノキ花粉に移り変わってきていると状況を説明した。
日本気象協会も3月31に発表した「週間花粉予測情報」で、西から本格的なヒノキ花粉の飛散が始まると指摘したうえ、ヒノキ花粉症の人は対策を、と呼びかけている。
ヒノキ花粉は4月中旬ころにピークを迎えるという。東北地方では4月初めから中旬にかけてスギ花粉がピークを迎える。
ウェザーニューズによると、3月20日までに観測された花粉飛散量は、九州~東北南部にかけて昨年より多く、九州では多いところで10倍以上の量を観測した。スギ・ヒノキを合わせた今季の花粉飛散量は、各地で昨年より多くなる見通しという。


 引用されているウェザーニュースの速報。

■ 花粉飛散量、九州は昨年比10倍以上の観測も!楽になるのはいつ頃?
2017.3.30:ウェザーニュース
 3月中旬までの飛散状況のまとめを含めた、最新の花粉飛散傾向を発表します。今後の対策の参考にご活用ください。

◇ ヒノキ花粉がまもなくピーク

 西・東日本では、スギ花粉のピークは越えて、徐々にヒノキ花粉に移り変わってきており、4月に入ると中旬にかけてヒノキ花粉がピークを迎えます。
 スギ花粉も4月上旬までは多く飛ぶ可能性があるので、油断は禁物です。

◇ 3月中旬までの飛散量


◇ 九州は昨年比10倍の所も
3月中旬(3月20日)までに観測された花粉飛散量は、九州〜東北南部では、昨年の同時期に比べて多くなっています。

 特に九州では、少ない所でも昨年の2~3倍、多い所では10倍以上の花粉を観測しており、症状も昨年に比べて重い傾向が顕著です。
 東北北部では花粉の飛散が昨年よりも遅れ、3月中旬までの飛散量も昨年より少なく、半分程度の所も。そのため現時点では、東北は昨年よりもまだ症状が軽い傾向となっています。

◇ 今シーズンの特徴
 急激に飛散量が増えたのが特徴的です。2月は寒さの影響を受けて飛散は控えめでしたが、関東や九州では2月終わりから、その他の西〜東日本では3月に入って強風や昇温の影響で一気に増加しました。

◇ 今後の飛散予想〜楽になるのはいつ頃?


◇ シーズン終了は5月上旬
 スギ・ヒノキ花粉を合わせた飛散量は、今シーズンを通して各地で昨年より多くなる見通しで、多い所では昨年比10倍近く(大分県)なる所も。
 平年に比べ、九州、東北北部、北海道ではやや多い~多い飛散を予想しており、九州では平年の1.8倍(長崎県)の飛散となる恐れもあるため、引き続き万全な対策が必要です。
 なお、花粉シーズンの終了時期は、九州では4月下旬、その他の多くの地域では5月上旬になる予想です。
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