学問空間

「『増鏡』を読む会」、第9回は2月22日(土)、テーマは「上西門院とその周辺」です。

コロナ後の世界と日本の役割

2020-07-01 | 『太平記』と『難太平記』
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2020年 7月 1日(水)18時13分31秒

さて、承久の乱をめぐる「官宣旨」や「院宣」のチマチマした話から、突如としてコロナ後の世界と日本の役割という、いくら何でもデカすぎるだろう的な話題に転じたいと思います。
以前から私は、個別宗教の本質を究明するようなことは全くせず、宗教一般の歴史的な、そして深みのない表面的な観察を続けてきたのですが、その研究成果を踏まえて、日本が世界の精神的安定に寄与し、同時に経済的繁栄をもたらすことのできる具体的方策を検討してみたいと思います。
その前提としてざっと今般の世界情勢を鑑みるに、アメリカはマスク嫌いの大統領の下、パンデミックに全く対応できないばかりか、ブラック・ライブズ・マターを名目とする「紅衛兵」たちが混乱を一層拡大させ、上も莫迦なら下も莫迦、という惨状です。
他方、プーさん主席が支配する金満中国はコロナで世界に迷惑をかけたことを反省しないどころか、香港に関する国際的約束を反故にして弾圧の準備を整え、隣接諸国との国境紛争は強面一辺倒、更にどんな些細な問題でも他国から批判されると血相を変えて反論し、軍事的・経済的圧力を加えて執拗に反撃するなど、まるで凶暴な「祟り神」の様相です。
また、アメリカと中国以外にも、冷戦終結後の世界経済のグローバル化と、その鬼っ子のような宗教原理主義がもたらした精神的不安定が、コロナによって改めて活性化される状況を免れている国・地域はなさそうです。
こうした世界的な精神的不安定が、近い将来に本格的な世界戦争に転化する可能性はないのか。
二つの超大国に挟まれた日本は、仮に両国の軍事衝突が起これば擂り鉢の中の胡麻の如くに微塵にされるでしょうが、かといって、現在の日本には戦争の心配をしている人は、原子力発電所から出るトリチウムの安全性を心配する人より遥かに少なそうです。
そして、戦争反対を声高に叫ぶ人々も、憲法九条が大切です、みたいな古色蒼然たる念仏をひたすら唱えるだけで、およそ現実に戦争を防ぐ実効性のある運動を展開しているようには見えません。
右を見ても左を見ても、自己の正義を騒がしく喚き立てる人々のみが目立ち、どうにもお先真っ暗な世界の状況の中で、私が以前から感じているのは、我が日本における多数派の漠然とした人間観、特にそのヘラヘラした宗教観を世界に「輸出」できたら、世界はけっこう平和になるのではなかろうか、という予想です。
こういうと、ああ、梅原猛流の「多神教と一神教の対立」と多神教の「寛容」の話か、そんなお説教は聞き飽きたぜ、という反応が返ってきそうですが、そんなことは全然考えていません。
「寛容」という正義のお説教が無意味であることは明らかで、検討の必要もありません。
コメント
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