これってやはり化石? 私のライフスタイル!

ひともすなるブログなるものを、われもしてみむとてするなり

和裁のお稽古 事始め … 浴衣を縫う日々 ( 最初の失敗 )

2009-05-14 | 着物
セッコクの仲間? 今年もたくさんの花芽がつき、きれいに咲きました。

手入れも要らず、毎年咲いてくれる健気なランの仲間です。

窓をあけると さわかな香りが部屋に流れてきます。

香りがあるのも またいいところです。


根がはりすぎてしまいました。

今年は 根を整理してあげなければ ちょっとかわいそうみたいです。






和裁のお教室に行き始めて、すぐにしたことは、物差しを買う事でした。

私はそれまで 1mと50㎝の竹の物差しとカーブ尺を持っているだけでした。

 
和裁教室では、鯨尺が必要ということが 初日にわかりました。

そこで 早速 ユザワヤへ。


蒲田のユザワヤ本店は、複数のビルに様々な分野が分かれて 売られています。

そんなこともあって、私は、文具などがあるビルに向かいました。


物差しはいろいろあり、見ているだけで楽しくなるぐらい。

そこで 2尺の竹の物差しと 1尺の金の物差しを買ってしまったのです。


二つを並べて、目盛の刻みが違うことを確かめることもしませんでした。

なんとなく、金の物差しのほうが 丈夫で後々まで使えるような気がしたのでしょう。

持ち帰った後も 二つを並べることさえしませんでした。

ただ、名前をそれぞれに記しただけ。




次のおけいこ日に早速 1尺の金の物差しを持って行きました。

たしか、その時は 皆さん出だしが遅く、

私と先生だけで 午前中のお稽古が始まりました。


そして 

「先生、物差しを買ってきました。」 と言って 大きなお稽古バッグからその金の物差しを出しました。


すると、先生

「ちょっと、これねぇ あなた 違うんじゃない!」と言われるのです。

そして、お教室にある物差しを物差し入れから1本取り出して 私の前に並べられました。


あらら びっくり!

二つの物差しの刻みが違うではありませんか。



「あなたが 買ってきたのは 大工さんが使う曲尺(かねじゃく)ですよ。和裁を仕立てるものさしとは 違うのです」

と 説明されました。


私は 恥ずかしいことに 鯨尺とか曲尺とかの違いについて その時まで知らなかったのです。


その後、次々におけいこにいらした方々に 私は自嘲気味に この失敗の話をしたのですが、

どなたも 優しく慰めてくださるばかりでした。

そして みなさん 鯨尺の歴史? について それぞれ知っていることや 

ご自身の思い出話などをしてくださいました。


失敗はしてしまったけど、それが嫌でお稽古をやめてしまおうとう流れではなく、

一杯勉強をして 知識と技術を学んでいこうという雰囲気でした。


なんだか 私は いいお教室に出会えたな と思う事でした。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

盛り上げてもらいました 母の日

2009-05-14 | 日々の雑感
先週の土曜日から 喉が痛くなり、熱も少々でて 辛い週末になってしまいました。

しかも 世の中は 新型インフルエンザで騒々しく、

まずはあり得ないと思いながらも 不安ゼロというわけでもなく。

そんな中でも 愚息一家三人も 久々にそろい、プーサンとお嫁ちゃんと二人で 母の日を盛り上げてくれました。

感謝を込めて、我がブログに記録しておきましょう。



料理に特にテーマはないようで、テキストは いくつかのウェブサイト?

お嫁ちゃんとプーサンそろって 買い物に行き、昼過ぎから 台所でがんばってくれました。


ソラマメのトマトマリネ トトの母さまから届いた ソラマメです。

前菜?でしょうか。

トマトの水煮とニンニクとで和えてありました。



私は 塩ゆでにしかしたことがありません。

昨年は 一度だけ、ポタージュにしてみました。









新ジャガのソテー
 新ジャガを ベーコン・アンチョビ・ニンニク・

黒コショウを使って ソテーしてありました。

こちらも 初めていただく味付けです。




前日 私は もうちょっと小ぶりの新ジャガをまるのまま

ベーコンとコンソメでたいて 青みにオグラを添えました。

新ジャガの今の季節に 毎年一度は作っているものです。






ラタトゥユ こちらは 私の好物。

ラタトゥユです。

たっぷり おかわりさせてもらいました。



毎年 夏になると プーサンと私で交代で

何回も作っています。









アスパラガスのキッシュ
極太のアスパラガスゴロゴロのキッシュ。

他には キノコと玉ねぎとベーコン。

若い人もトトも大好き。


バターを折り込んだパイ生地に 生クリーム 卵 

牛乳 チーズをたっぷり流してオーブンで焼いてあります。

だから 体のことを考えると 

そうそう たくさんは食べれません。

十年ほど前までは 気にしてませんでしたが、

やはり人間ドッグなどの結果が気になる歳になってしまいました。



鯛の香草焼き大きな切り身の鯛を 

ローズマリーなどの香草をいくつか使ってソテー。 

いわゆる ポワレにするはずだったらしいのですが、

ちょっと焼きが足りなかったかな?


最近の私は 鯛を使うなら、お刺身か塩焼き、お吸い物。

ワンパターンになってます。






 

イラスト入りケーキ
そして ハイライトはケーキ

手に持っているは 写真を送り(インターネットで?…多分)

イラストを描いてもらったとかいう チョコレートケーキです。

秋田のお店にプーサンが オーダーしたのだとか。

ちょっとびっくりしました。

眼の下のしわまで リアルに表現してあり、

チビチャんまでが、ケーキを見てばぁばだと言うのですから。

並んでいる子供のイラストは 星の王子様。

先月末 ETC千円の恩恵を受けようと プーサンと二人で箱根まで ドライブ。

目的地は 星の王子様ミュージアムでした。

楽しかったので その時の思い出も兼ねて 小さなプリンスも描いてもらったのでしょう。

そして 私の首から 下がっているのは お嫁ちゃん手作りの アクセサリー。

ウッドビーズを布でくるんで キャンディーのような感じに作ってあります。

とても 手がこんでいます。

さらに もう一点 手作りのネックレスも いただきました。



さらに うれしかったのは、力を合わせて 仲良く料理したことでしょうか。

いつまでも 仲の良い関係であってほしいと願っています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

母さまのギャザーパンツ

2009-05-08 | 
今度の日曜日は 母の日。

プーサンが いつものごとく 3月あたりから 騒いでいます。

なのに 私は いつもぎりぎり

私にとっては 今日8日が タイムリミットです。

宅配は 鹿児島までだと二日要します。


トトの母さまは、80歳を超えました。

が、今だ現役で ちょこっとだけ社会と関わっている素敵な女性。

経済的にもしっかり自立しているので、母の日は、子どもたちからの気持ち()を欲しがっています。(たぶん)

以前、一度だけ、(お好きなものを買ってください)という内容で 現金とカードをお送りしたら、

(プーサンのお小遣いにしなさい。)とUターンしてきたことがあり 

例年 母の日は に頭を悩ませています。


今年は マギーでニットのトップを買い求め、それに合わせて、

ギャザーパンツを縫ってみました。


母さまのギャザーパンツ ボディに着せてみました。

パンツ丈は くるぶしがちょっと見えるぐらいです。

素材は 綿100%。

ウエストは オペロンの15㎜幅のゴムを2本通したウエストフリー仕立てです。

ボディでは あまりパンツのデザインの良さが出ていません 

 私が試着してみた方が ずっとよかったのですが 

 このパンツのパターンは なんと とてつもなく古い雑誌の付録です。



 パターン

1993年の服飾雑誌 SO-EN の付録なのです。

使わずに パターンだけがとってありました。

サンプル画像からは、フレアパンツに見えますが、裾幅は66㎝です。

この裾幅だと 自転車にも乗れそうです。

もし このデザインが 気に入ってもらえれば、もう一枚 

ポリエステル素材で お出かけ用を縫ってさしあげたいと思っています。


パンツ製作の難易度は、/☆☆☆☆☆ ぐらいでした。

ポリエステル素材で このデザインで作ると /☆☆☆☆☆ になるでしょうか。


最近ちょこちょこ作っているエコバッグのほうがどれほど面倒で、時間を要したことか。


これからしばらくは 小物作りからギャザーパンツ作りへシフトしそうです。

自分用とか 妹用とか、友人用とか 

一つのパターンで色んな表情のギャザーパンツを作ってみたいと。 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Womanizer その後 … 一曲が波及させる 我が家の支出

2009-05-07 | 日々の雑感
スポーツクラブのスタジオ用のCD別にして、ブリトニー・スピアーズのウーマナイザー(womanizer)は、

プーサン知っていました。

そして なんと YouTubeの映像よろしく 私の前で踊ってみせる始末。

プーサン曰く
「知らない人いるの ユーメイよ


次は お嫁ちゃんにメールです。

『ウーマナイザーって曲、知っている?』 と私。

『プリトニーのですか? 携帯に入れています 。』とお嫁ちゃん。
 

うーん、やはり 世代の違いだわ

新しいことは 若い人に聞くに限ります。


加えて、お嫁ちゃん 私とのやり取りを 色々した後、

『もし、おかあさんもダウンロードされたいなら、

私が、一曲分 フリーでダウンロードできる アクセスナンバーを持っています。

使ってください。 』とアクセスナンバーが写メールで添付されてきました。


何でも 話題にしてみるものです。

これで ブリトニーのオリジナルはゲットできることになりました。


次に アレンジしてある方の入手が ちょっと問題です。

プーサンに Hi-Lo Radio Hits 2 のwomanizerを聴かせたくて、ウェブサイトで アクセスして、

視聴させると、

「ビートが利きすぎよ!」 とあまり乗ってくれませんでした。


ところが、一応レコードショップで 予約を試みてくれました。 しかし 日本では未販売らしく このプランは没。


諦めきれない私は まずイギリスのレコードショップへアクセス。

ポンド£だと高い! 国内販売を目的としているからでしょうか、VAT込み?

次にアメリカのウェブサイトへ。

ネットで海外通販なんて やったことがありません。


それでも 国内のサイトと同じように、お買い物かごへ入れていき、支払のところで、びっくり。

海外発送をリクエストすると CD1枚の価格の2倍以上のデリバリー費用が計上されるのです。

英文を全部読んで理解するほど 知力に語学力に気力もなく、プーサンにSOSです。


プーサンも 最初は嫌がっていましたが、日頃 口にしないことにしている

「親は必死になって 子に学問させているのよ。日頃のお返ししなさい!」 であっけなく落城です。

しかし、プーサンがやろうとしてもやはり、同じような配送料が出てしまいます。


「しょうがない! CD一枚分 ダウンロードして お母さんのクレジットカードで」 と発してしまいました。

そして ダウンロードはあっけなく完了


プーサンが最初にやったこと。自分のアイポッドへコピーです。

一日おいて やっとこ 私用へ、CD-ROMにコピーして を作ってくれました。

しかし、我が家のCDコンポ。 MP3は 再生できません。

十年以上も古いものです。

私のノートパソコンは 保証期間内なのに、ディスクすべての再生ができません。

DELLの のらりくらりの電話対応に 諦めました。…余談ですが。


しょうがなく、トトのデスクトップパソコンで 再生しながら、フラフープくるくるさせていると……

「なぜ、ステレオで再生させないのか」 とオジサンらしい表現でのたまう。


説明面倒だから、「壊れているの。買い直さなきゃ!」と言い、

「財源に定額給付金はどう?」 と ほのめかしてみました。

 すると

「給付金で買っちゃいなさいよ。だけど、そんなに安いの?」 と引っかかってくるではありませんか。

「ピンキリの世界だから 適当なところで手を打つのよ」と答えましたが。

はてさて 我が家の給付金の使い道はどうなるのやら。

といっても 給付金 まだ 手にしたわけではありません。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

本日のデート…お茶:◎  映画:×  食事:◎ おしゃべり:◎  

2009-05-04 | 日々の雑感
ゴールデンウィークも後半。

いつも近場で過ごすこの時期です。

今日は、友人と川崎で 待ち合わせ。

昨夜、『映画でもどうかしら?』とメールがあり、二人の好みの合いそうなものをピックアップしました。

映画の好みは 70% 一緒です。

違うのは、私は 韓流に興味がないところ。

レイチェルの結婚 と バーンアフターリーディング の2本が 見やすい時間帯でした。

私から送ったメールの『ブラピのコメディ?』という一文に惹かれたのか、

バーンアフターリーディングにしようとありました。

チネチッタでまず、座席を予約。

その後、軽くお腹を満たそうと。

ラ・チッタデラの中でクリスタルジェィドを発見。

映画館と反対側の建物なので、私も初めてです。

5年ほど前、二人でシンガポールに旅行した時に、一緒に入った店の姉妹店?

と二人で話しながら 懐かしさもあり こちらに決定。

ここで アフタヌーンティ(飲茶)を注文。

眼鏡入れと小物入れ色々とお互いに渡したり、受け取ったり。

楽しいひと時です。

こちらは、彼女からのリクエストで作った

私とお揃いの小物入れ二点。

色はペパーミントグリーンで 彼女の好きな色です。


私が アマガエル色と伝えていて 

多少の不安があったらしいのです。

まさに彼女のお好みカラーだったようで、お互いに安心しました。



ゆっくりと美味しく過ごし、時間がきて、チネチッタへ。

ところが映画は 残念ながら、なんとも中途半端な 出来というか、お粗末な出来でした。

二人とも

「後味悪いから、もう一本お口直しがしたいわね。」

「久々にB級映画を観たわね」など、珍しく辛口。


このあと、もう一度 軽くお腹を満たしたくて、ラゾーナ川崎へ。

ここは、オープン以来、いつも混んでいます。

その中で、私が選んだのは、丸善ショップの奥まったところにある、M&C カフェ 。

こちらは、書店のさらに奥にあるので、ラゾーナの中であることを忘れてしまうほど、ゆったりできます。

一日の疲れをとるのに心地よい 喧噪のない空間と好みの音楽。

大人のカフェです。

二人で一人前のスペシャルハヤシライスを注文。

とてもスパイシーでいいチョイスでした。

そして カップやプレートが ちょっと贅沢なものが使われています。

それも うれしいことです。


今日も二人で楽しく過ごせたことを喜びながら また近いうちに会うことを約束して 別れたのでした。







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

和裁のお稽古 事始め … お稽古初日 午後の部

2009-05-02 | 日々の雑感
初めてプロに習った浴衣 柄

初めてのお教室での ランチタイム。 思い出深いものがありますが、ここでは割愛。

二階に戻り、裁断の続きに入りました。

まず、袖のへら付け。 その日、家に戻り整理してまとめ、書き直したノートがあります。



女物単衣長着(綿の場合)

寸法について
   3分 … 縫い代
   5分 … くけ代(裾・褄下)

ヘラつけの前に

① 断ち切った部分の横糸を1本抜いて地の目を通す。(片側2枚)

② 2枚の袖布を中表に重ね、裁ち切り部分をそろえて、広げる。
(無理にひっぱらない)


③ 2枚の長さをそろえるようにして、横糸の糸目を通して、切りそろえる。
(もう片方の裁ち目)


④ 2枚重ねた布をさらに二つに折り、裁ち目を4枚きっちりと揃えて、マチ針を5か所に打つ。

⑤ 端から2分のところを、しつけ糸1本どりで、並み縫いをする。

⑥ 左側にわがくるようにヘラ台に袖布をおき、地の目を通す。

⑦ 平らにおいた袖布のなかほどに5か所、マチ針を打つ。
(最初に中央、次に耳近く2か所、残りをその間に。)





このメモのあと、袖の印つけの図が書いてあります。

その図は 先生の口頭での説明と 

私の袖布へ先生がヘラ付けしていく過程を記録してあるのですが、

例えば、一番最初は

「まず、布の手前の輪の部分に山べらをつけます。」

「袖丈寸法にきせ分を足したものを、袖山から5か所へらで印しなさい」

「きせ分は5リンだよ」

といった感じでした。

私は先生に言われたことを 時にへらを持ちながら、

時にノートにメモを取りながら ヘラ付けをしていきました。

そして きせ分5リンとメモをとる時、リンの漢字が思い出せないのです。

「先生 リンって どういう漢字書くのでしたっけ 

先生は

書いて 中はですよ。 


色々なとまどいがありました。

一番のとまどいは、鯨尺の物差しを初めて扱うので、すぐに寸法をあたれないことでした。

というのは 自分の中で 尺 寸 分という単位の大きさの概念がなく、尺で言われて、寸の寸法あたりで数えてみたり 

物差しひとつに右往左往といった感じでした。

袖の印つけが終わり、身頃の印付けです。

ここで 初めて衿肩あきが 身頃の中央で開ける衿繰り越しを習いました。

知識としては 知っていましたが、自分でこのやり方でへら付けするのは 初めてでした。

身頃のへら付けは、

衿肩あき 肩幅 袖付け 身八つ 後ろ幅 繰り越し揚げの印 おくみ下がりの印 これだけです。

後ろ幅は 身八つの印をつけた場所一カ所のみの幅印を付けただけでした。

そして 先生は

「おくみのへら付けしますよ」 と言われました。

私は 下手に知識があるものですから、

「先生、後ろ幅は裾まで付けないのですか?」 と 疑問をぶつけます。

すると

「後ろ幅は通しだから、一カ所つけとけば いいのです」 と言われるのみ。

次に

「前幅の印は付けないのですか? 」と 尋ねますと、

「前幅は まだつけません!」 とのお返事。

私の頭の中で ?マークがいくつも渦巻いていました。

その後 おくみのへら付け。

これは、さほど 混乱なく終了。

そして なんと 午後のお稽古は ここで時間切れとなったのです。

あまりの進度の遅さには がっかりしたのですが、

今までやったことのない ほんとに私が知らない事を習うことになったのだということはわかり、

とまどいながらも うきうきした気分になったのでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

和裁のお稽古 事始め … お稽古初日 午前の部

2009-05-01 | 着物
初めての浴衣

私の和裁のお稽古は 今から5年前の1月最後の週の木曜日にスタートしました。(ノートの記録です)

前日の夜、反物、裁縫道具 筆記用具 などを 準備し、当日の朝は、弁当作り。

新しいことにトライすることが めったにない 私にとっては、久しぶりのお稽古です。

朝十時から始まるお稽古ですが、自転車で 5分とかからぬ距離なのに、9時半前には家を出ました。

少し早めに行き、準備したりしなければならないと思っていたからです。


ところが、その家に着き、玄関のベルを鳴らしても シーンとして 応答がないのです。

 先生は ご高齢です。 何かあったかしら? と 急に不安になりました。

家の前で、15分ほど、待ちました。 ほかのお稽古する生徒さんもいらっしゃいません!

もう一度ベルを鳴らしました、数回。

すると ようやく 返事があり、先生ご本人が出てくださいました。


お稽古場所に 二階の和室二間を続けて使うことは、あいさつに伺ったときに説明を受けていました。

二階に上がり、和裁台を出したりしていると、もう一人の方がお見えになりました。(ほっと安心!)

二人でお話しながら、雨戸をあけ、ヘラ台や座布団 コテ(ミニアイロン)や物差しを人数分準備し始めました。

10時過ぎたころ、もう一人 さらにいらっしゃいました。

でも 先生は 二階には あがっていらっしゃいません。

お二人は 銘々ご自分の着物を出して 準備を始めたり 針を持ったりしてます。

お二人とも 袷を仕立てているところでした。

私が、

「一年に何枚ほど 仕立てられるのですが?」 と 尋ねると、二人で顔を見合せて、ほぼ同時に

「何枚って、やっと一枚ですよ」 と。

これには かなりびっくりしました。

お二人ともその教室に通い始めて十年以上ということだったからです。

先生のお歳は八十が近いと伺っていました。

お二人の話から 

『私が袷を仕立てられるようになるまで このお教室は 続くのかしら?』 とか 

『まあ、お月謝×12か月>お仕立て代 で とても不経済な世界だわ』 とか、

『先生のお話では プロの仕立て師になれる知識と技術を指導しますとの説明だったけど、

ほんとは 趣味のお教室かしら?』 とか

まぁ 私の心の中で いろんなことがぐるぐる回ってしまいました。




10時半ぐらいに 先生が二階に上がっていらっしゃいました。

そして お二人の生徒さんと おしゃべりがしばらく続くのです。



やっと私の方をむいて、

「反物は持ってきましたか」 と声をかけてくださいました。

「はい 古いものですが、持ってきました。」 とお答えすると、

「では、反物を広げてみなさい」 と言われました。

浴衣の生地を荷物の中から出すと 反物の裏表を確かめられた後、黄色い三角チャコを出して、

「この浴衣は 藍染だから、裏表がわかりにくいです。

後から、困らないように、裏側の片方の耳のきわにチョークで1尺ぐらいの間隔で このように印をつけなさい」 と

2回ぐらいチョークで印をつけられた後、私に手渡しです。

一反分の片方とは言え、1尺ごとに印をつけていくのは 大変な作業でした。


裏の印を付け終わると、また 反物を手にとられ、長い物差しで持って 長さを改め始められました。

その時から 急に先生の態度というか、姿勢が変わりました。
プロのオーラが出たのです。(と 私にはそのように見えました)

反物を2尺ものさしで 検められた後、私にむかって

「着丈はいくらですか?」 と言われました。

(この時でさえ、私は 先生が使い始めたものさしが2尺さしとは気づいていませんでした)

私は

「今までは 身長が165㎝なので、そのぐらいになるように していました」 と答えました。

すると、先生

「センチで言われてもわからないよ! 尺で言わなきゃ。」 とおっしゃるのです。

ところが 私は、和裁の寸法の表し方というか 仕立て方について、

鯨尺を使いたいとか 使っていたとかいうことに関しては 
大学卒業後にクロワッサンという雑誌などで数回読んだ程度の知識しかありませんでした。

そこで

「私は尺で着物の寸法を計算したりしたことがありません」 と答えるしかありません。

すると先生は 165㎝を鯨尺に換算し始められました。

その後、

「この浴衣地は最近のものでないから、あなたのように身長のある人にはちょっと足りないよ。

でも 柄合わせの必要がないから、一杯一杯とっていこうかね」 と言いながら、

ヘラ台に反物を まず袖から、次に身頃2枚 最後に衽と衿分をびょうぶ畳みに置いて行かれました。

そして

「ノートに書きなさい」と言われ、その言われた寸法を書きとめることが、

私の先生から習った初めての裁ち方でした。

袖丈:1尺2寸
袖幅:9寸
肩幅:8寸5分
後ろ幅:8寸
総丈:4尺3寸6分
裁ち切身丈:4尺3寸6分
上がり:4尺2寸6分

ヘラ台に置かれた浴衣は 残り布が私を広げたおおきさの幅ほども残っていません。

「先生、居敷あてはとらなくてもいいのですか」 とふと思って尋ねてみました。

すると先生 
「居敷当ては最近は付けません。居敷当てを付けると、くけ跡が表にひびいて見苦しいだろ

それに 昔ほど、頻繁に浴衣を着て、洗ったりすることもなくなったから、

背縫いを二度したら、十分なんです 」と説明されました。

確かに、あの居敷当てのくけ跡は 現代の美意識からずれています。 『なるほど』と思いました。

寸法を書きとめると、先生が裁ちばさみで身頃と衽分と袖を切り離してくださいました。

「おや もうお昼だよ。お腹すいたね。ごはんにしようか。あなた、お昼持ってきましたか?」

『えーっ そんな まだ大したことしてないのに…… ちっとも進んでいないのに』

とお腹の中で嘆きつつ、

「ハイ お弁当を作ってきました」 とにっこりとお返事して、午前中のお稽古終わりとなりました。

              
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする