Ⅰ
7月5日投票の東京都知事選。候補者と支持勢力が5日後の告示を前に固まりつつある。
主な候補者は、宇都宮けんじ、小池百合子、小野泰輔の三人に集約されよう。6月18日ぎりぎりまでにもしかしたら、れいわ新選組の山本太郎があるかも知れない。
小野泰輔は日本維新の会、小池百合子は自民党公認になったり、支持を受けないと言ったり、微妙な関係だが自民党本部はかなり力を入れる。場合によっては、自民党都連は大阪維新の松井一郎、橋下徹、吉井洋文府知事らと連携して小野泰輔に回ることも想定できる。小池百合子が前回の都知事選と当選後に示した対応と都議選によって、自民党都連は最後まで別の候補擁立にこだわっていた。
宇都宮けんじは、最初から市民選挙として、政党の援助を頼らず、市民の要請行動によって出馬を決めていた。前回の立候補はずしに相当違和感を感じたと思える。結果的に共産党、立民、社民、新社、緑の党、生活クラブ東京ネットワークの推薦・支持を得ている。
Ⅱ
東京都の直近の国政選挙の得票を総理府調査統計から見てみたい。
最新の参院選東京の得票率と得票である。(得票の端数切捨て)
❶比例区
自民党 34.50% (1、768、318票)
民主党 16.2% (831、987票)
公明党 14.8% (762、476票)
共産党 10.6% (546、073票)
(合計は76.1%なのは、他党の得票分が上に入っていないためだろう)
自民党+公明党=50.7% 民主党+共産党=26,8%
情勢も分母も異なるので、おおまかな基礎票は2:1ほどの差がある。
しかし、民主党は立民党と国民党に分かれ、維新の会は未知数であり、浮動票や無党派層の動きもあるので、数値から導き出せないものが多い。
❷選挙区党派別 今回 (前回)上段得票率 下段得票数
自民党 41.04% (30.45%)
22、299、825票(17、033、851票)
民主党 18.53% (16.20%)
10、066、552票 (9、063、939票)
公明党 6.38% (3.30%)
3,466,664票 (1,635、185票)
共産党 9.87% (15.66%)
5,362,958票 (8,758、759票)
社民党 3.45% (4.30%)
1,874,299票 (2,403、649票)
自由党 5.54% (1.75%)
3,011、787票 (980、249票)
*新社会党 386,966票
0.71%
*自由党と新社会党の間に「自由連合」「維新政党・新風」「女性党」があり、新社の後に諸派、無所属。
Ⅲ
宇都宮けんじ氏は2度出馬している。
❶第18回都知事選2012年12月16日 投票率 62.60%
当選 猪瀬直樹 4,338,036票 得票率66.2%
2位 宇都宮けんじ 968,960票 得票率14.58%
*次点宇都宮氏と1位との差 51.72%
❷第19回都知事選2014年2月9日 得票率46.14%
当選 舛添要一 2,112,979票 得票率43.40%
2位 宇都宮けんじ982,594票 得票率20.18%
*次点宇都宮氏と1位 との差 23.22%
この変化➀➁は有意味である。
➀宇都宮候補の得票率14.58%→20.18%
➁宇都宮候補と当選者との差 51.72%→23.22%
また第20回都知事選では 投票率59.73%
当選 小池百合子 得票率 44.49%
次点 増田寛也 得票率22.40%
第3位 鳥越俊太郎 得票率20.56%
第4位 上杉隆 2.74%
5位 桜井誠 1.74%
6位 マック赤坂 0.78%
7位 七海ひろこ 0.44%
8位 立花孝志 0.42%
以下5人ほど候補者がいます
Ⅳ 私見
まだ告示日以前4日前なので、簡潔に。
前回の小池旋風は、今回は吹かない。むしろ、自民党内の安倍総理失政下の本部と都連の対立と維新の会候補とがリンクするか、しないか。宇都宮けんじの長期の市民運動と共闘をくむ野党政党とのコンビネーションが宇都宮氏をひっぱるか、おしだすか。この2点をあげるにとどめる。<続>