未必の故意という言葉は聞かれたことはあるでしょうか?
私が初めて知ったのは、公務員試験を受ける時の常識問題の参考書を勉強していた時でした。わからなかったので、研究室にいた助手のご主人が弁護士だったので尋ねて貰いました。参考書に上がっていた例は下記でした。
相手に石を投げて、相手が石に当たって死んだとします。その時、投げた人の気持ちがどちらの時が未必の故意に相当するかが問題でしょうした。
①石を投げて当たって相手が死ぬかもしれないと思って投げた。
②当たることはないし万が一当たっても死ぬことはないと思って投げた。
①が未必の故意でした。助手のご主人から罪の重さが違ってくることを教得て貰いました。
②では認識ある過失との判断になり、①では故意があったとして殺人罪が問われることにもなります。罪の重さが大きくことなります。
殺人が起きた時に、犯人が相手が死んでしまうかもしれないと思ってやったと言うと未必の故意が採用され殺人の意図があったと判断されます。痛い目に合わせる目的で死ぬなどとは思いもしなかったと言うと殺人の意図はなかったことになります。本人がどう思うかで、実際はわからないところですが、自供と状況で裁判官が判断するのでしょう。
未必の故意は本人がどう思っているかわからないので、状況で判断されるようです。凶器を前もって用意していると故意が疑われますし、凶器が現場のものであれば、衝動的な行動であったと判断されます。
先日も殺人事件がありました。犯人が殺すつもりで刺したと発言していました。明らかな殺意です。一方、殺すつもりはなかったし、この程度では死ぬとは思わなかったと言うと、未必の故意があったかどうかが焦点になります。
柏の通り魔犯は、捕まった時には殺意をにおわす発言をしていました。未必の故意の言葉を知ってから、犯人がどう言っているかが気になっています。