幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

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いのちの電話全く繋がらない 統計データより理由を考察

2014-03-17 00:15:44 | ブログ

Webサイトに、”いのちの電話”が全く、ぜんぜんつながらないとの声が多く寄せられています。いのちの電話連盟と東京いのちの電話、埼玉いのちの電話統計データおよび各いのちの電話をWebで検索して、理由を考察してみました。

受信件数(2012年);

 全国のいのちの電話の受信件数(一般電話、フリーダイヤル、震災ダイヤル)は約80万件、その内自殺念慮は約12%でした。埼玉2.9万件、東京2.8万件、佐賀2.7万件、京都2.6万件、仙台2.5万件が上位でした。

相談員数(ボランティア);

全国のいのちの電話の相談員数は約7,100人。よって、年間110/相談員1人受けていることになります

1件当たりの平均通話時間;

 相談電話1件当たりの平均相談時間を幾つかのいのちの電話が掲載していました。

 33分(東京)/29分(埼玉)/24分(京都)/18分(福島)/30分(北海道)/40分(香川)

労働費用に換算すると;

ボランティア(無償)で行われていますが、労働費用に換算してみました。

1件当たり30分、人件費700円/時と仮定すると、2.8億円の人件費がかかることになります。

30/60分)×80万件=40万時間

 700/時)×40万時間=約2.8億円/年

活動は無償でも運営費がかかっています。その費用はほとんどが寄付で運営されていますが、センターによってはバザーや映画会、チャリティコンサートなどを自ら行って運営費を補っているようです。

1人の相談員が費やしている時間は(30分×110件/1人=)55時間/年になります。センターまでの往復に費やす時間もありかなりの負担のようです。さらにそれ以外に、相談員になっても研修や運営の活動があるようです。

インターネット相談(2012);

相談返信件数3,051件(男1,230件・女1,821件) 

 *内東京センター返信件数1,534件(男639件 女895件) 

 自殺志向 1,316 件(男 503件・女813 件)  自殺志向率 43.1 

相談利用者は、例年同様10代~30代の若年層が多く70%を占めている状況だそうです。若い人は電話よりもネットが活用し易いようです。

まだ、ネット相談事業は盛岡、仙台、東京、奈良、福岡、愛媛センターの6センターが参加しているので、返信できる件数は限られているようです。

Samaritans(世界で最初に自殺予防の電話を1953年開始);

メールは600/日返信しています。なお電話は9件中8件がつながっています。日本と比較すると相談員数が多いようです

日本のいのちの電話のつながり易さ;

日本のいのちの電話がどの程度繋がるかはデータは公表されていませんが、フリーダイヤル(毎月10日)ではかかって来た電話の4%を受信しているとのデータが公表されています。フリーダイヤルの日は一般電話も受け付けていますので、フリーダイヤルのない日はもっとつながりにくいかと思います。

京都いのちの電話が昔調査したところ、通話できた電話はかかって来た電話の2008年6月調査で2~5%だったそうです。http://ameblo.jp/nyaonnyaon/entry-10181523126.html 

埼玉いのちの電話が相談員がフル稼働の状況で3.47%(2014年)とのことで、通常はこれより低いものと推定されます。

ネット上から、東京いのちの電話が一番つながらない状況のようで、もっと低いものと推定されます。

相談員数が増えないのが一番のつながらない理由のようです。相談員になるためには1年半から2年の研修を受ける、研修費用は自己負担なども相談員が増えないハードルのようです。

Webサイトのつながらないことへの声;

・何度かけてもつながらない。

・いのちの電話にも見放された思いがした。

つながらないことで悲しい思いをされた方からの多くの投稿があります。

下記のサイトもその一つで利用者の声もあります。

http://matome.naver.jp/odai/2134033053593329801

年間80万件を受信している。つながっているのは4%より低い。何度もかけておられる方もいらっしゃるかと思います。それだけ、話をしたい、聞いて欲しい方がいらっしゃるということなのだと思います。

人は人により傷つけられこともあるが、人により癒され支えられている

 人とのつながりが大切なのだと思いました。

いのちの電話はボランティアの活動ですが、多くの人が期待されています。ぜひ、大変でしょうが今より少しでもつながりやすい電話やネット相談に取り組んでいただきたいと思います。

「一度も愛してくれなかった母へ一度も愛せなかった男たちへ」 遠野なぎこ著
この本に、遠野なぎこさんがいのちの電話にかけていたお話が掲載されていました。
http://www7.ocn.ne.jp/~inorihi5/book10.htmlより

 自殺しようと思い、遺書まで書いた。それなのに夜になると急に死ぬのが恐くなる。
「なんで私が死ななきゃいけないの・・・?」
死ぬ理由を見失って、苦しんだ。そんなときは電話をかける。携帯電話に登録してある、いくつものいのちの電話に。
そこで話を聞いてくれるのは、ボランティアの方たちだ。回線はいつもつながりにくい。 私以外に死にたいと思っている人は、日本全国に大勢いるのだと知る。

 電話がつながり、第一声が聞こえてくるのを待たずに私は吐露する。
死にたいんです、生きていたくないんです・・・。
そして、自分がこれまでどう生きてきたかを、一方的に告白する。
医師に話したときと違って説明する必要はない。
気持ちを垂れ流す。甘えたかった。「辛かったね」といって欲しかった。
「うん、うん」という相づちが心にしみた。

 死ぬのはやめなさいとはいわれない。命を粗末にするなと、説教めいたことをいわれたこともない。でも話しているうちに、台風のように荒れていた気持ちが、次第に凪いでいくのを感じた。
「今日は死なないでいいよ」
 いつも耳でなく心で、そんな言葉を聞いていた。今夜はもう考えるのをやめにしよう。 外が明るくなるころに、やっとそう思える。私は携帯電話を握ったまま眠りにつく。
 そして、数時間後にまた、振り出しに戻る。目覚めた瞬間から、死にたくて気が狂いそうになる。早く自分で自分の命を絶って、この苦しみから逃れたかった。

ご参考まで;

「いのちの電話の役割と果たしてきたこと・今後の働き」 斎藤友紀雄氏

 http://www.sainet.or.jp/~sai-id/interview.html