http://www.sankei.com/life/news/150825/lif1508250005-n1.html
発達障害の一つであるアスペルガー症候群の夫やパートナーを持つ女性が、コミュニケーションがうまく取れずに苦しむ「カサンドラ症候群」への関心が高まっている。悩みが周囲に理解されず、孤立感から抑鬱状態になる人も多い。家族に対するケアの重要性が指摘されている。(油原聡子)
◆深まる孤立感
カサンドラ症候群とは、アスペルガーの人と情緒的な相互関係が築けないため、主に妻に起こる心身の不調だ。「相手の立場を想像することが苦手」といったアスペルガーの特徴が、家庭を営む上で、妻に心理的な負担を与える。深刻な場合は、不眠や鬱などの状態に陥る。
どんぐり発達クリニック(東京都世田谷区)の宮尾益知院長は「アスペルガーの人は会社など外では問題がない場合もあり、パートナーの苦しみが周囲に理解されづらい。実際に一緒に暮らしてみないと分からない問題がある」と指摘する。外で気を張っている分、家庭内で緊張感がなくなり、より特徴が強く出てしまうことがあるという。
◆共有できない
「悩んだり困ったりしているときに、夫と話し合いができなかった。大切なことを共有できない生活に疲れました」
漫画家の野波ツナさんは、コミックエッセー「旦那(アキラ)さんはアスペルガー」シリーズ(コスミック出版)で、約20年前に結婚し、18年間生活を共にしたアスペルガーの夫との関係を描いてきた。
他人との距離が分からず、物事の優先順位が付けられない、思ったことをそのまま言ってしまう…。そんな夫に振り回された。
自宅の購入の際には野波さんに全てを任せきり。突然、仕事を辞めたときも、将来の話し合いはできなかった。揚げ句の果てには、300万円の借金が発覚した。
夫の言動を周囲に訴えても「男の人ってそんなもの」などと言われて終わり。「自分が悪いのかもしれない」と思い詰め、抑鬱状態になった。離婚が頭をよぎる中、インターネットを検索していると、夫の言動がアスペルガーの人と一致していることに気づき、医療機関を受診。すぐに、診断がついた。
自身も「カサンドラ症候群」であることに気づき、心がすっと軽くなった。「自分が特別に駄目だから、こうなったわけじゃない」と思えたからだ。
夫と別居すると体調も回復し、これまでの出来事や将来を冷静に考えられるようになった。「私も夫も悪くない。夫の良いところも思い出せた。結婚は間違いではなかったと過去も肯定できました」。別居は続けているが、離婚はしておらず、「いい距離感」という。
◆分かち合いたい
カサンドラ症候群の苦しみを分かち合う方法の一つが自助グループだ。「フルリールかながわ」(横浜市)では、同じ悩みを持つ女性同士が交流。個別相談にも応じている。代表の真行結子さんもカサンドラ症候群の経験者だ。真行さんは「悩みを共有しつつ、今後の道を探していけたら」と話す。
臨床心理士の滝口のぞみさんは「アスペルガーの人が悪いわけではない。特徴を理解することで、関係性が改善されることもある」と指摘。「アスペルガーの人は、人間関係を学習することで変わっていきます。一人で悩まずに、専門の機関などに相談してほしい」としている。
【用語解説】カサンドラ症候群
2003年にイギリスの心理学者が名付けた。米精神医学会の診断基準に含まれておらず、正式な病名ではない。抑鬱のほか、自律神経失調症、自己喪失感、困惑感、罪悪感などがみられる。ギリシャ神話の神、アポロンに、予知能力を周囲に信じてもらえない呪いをかけられた女性、カサンドラの名前に由来。
【用語解説】アスペルガー症候群
「自閉症スペクトラム障害」に含まれる。生まれつきの脳機能障害が原因とされている。基本的に「社会性」「コミュニケーション」「想像力」に困難があるとされる。言語能力や会話能力には明らかな問題がないため発見されにくい。
感想;
カサンドラ症候群というのを初めて知りました。
アスペルガーの方は、自分に合った仕事を見つけられる人並み以上の力を発揮されますが、合わない仕事、人との調整が多いなど、では辛い思いをされています。周りも困っているケースがあります。アスペルガーを周りが知ることが少しでも上手くする第一歩だと思います。
アスペルガーの人の配偶者の人も、上手くコミュニケーションする方法を身に付けことが大切なのでしょう。
ウィキペディアより;
「カサンドラ症候群;カサンドラ情動剥奪障害(カサンドラしょうこうぐん;カサンドラじょうどうはくだつしょうがい)」とは、アスペルガー症候群(AS)の夫または妻(あるいはパートナー)と情緒的な相互関係が築けないために配偶者やパートナーに生じる、身体的・精神的症状を表す言葉である。アスペルガー症候群の伴侶を持った配偶者は、コミュニケーションがうまくいかず、わかってもらえないことから自信を失ってしまう。また、世間的には問題なく見えるアスペルガーの伴侶への不満を口にしても、人々から信じてもらえない。その葛藤から精神的、身体的苦痛が生じる。
症状としては偏頭痛、体重の増加または減少、自己評価の低下、パニック障害、抑うつ、無気力などがある。カサンドラ症候群の悩みを訴える者のブログも多く見られ、アスペルガー症候群の伴侶を持つ者の二次障害として深刻な問題となっている。 家族に対するケアの重要性が指摘されている。
発達障害の一つであるアスペルガー症候群の夫やパートナーを持つ女性が、コミュニケーションがうまく取れずに苦しむ「カサンドラ症候群」への関心が高まっている。悩みが周囲に理解されず、孤立感から抑鬱状態になる人も多い。家族に対するケアの重要性が指摘されている。(油原聡子)
◆深まる孤立感
カサンドラ症候群とは、アスペルガーの人と情緒的な相互関係が築けないため、主に妻に起こる心身の不調だ。「相手の立場を想像することが苦手」といったアスペルガーの特徴が、家庭を営む上で、妻に心理的な負担を与える。深刻な場合は、不眠や鬱などの状態に陥る。
どんぐり発達クリニック(東京都世田谷区)の宮尾益知院長は「アスペルガーの人は会社など外では問題がない場合もあり、パートナーの苦しみが周囲に理解されづらい。実際に一緒に暮らしてみないと分からない問題がある」と指摘する。外で気を張っている分、家庭内で緊張感がなくなり、より特徴が強く出てしまうことがあるという。
◆共有できない
「悩んだり困ったりしているときに、夫と話し合いができなかった。大切なことを共有できない生活に疲れました」
漫画家の野波ツナさんは、コミックエッセー「旦那(アキラ)さんはアスペルガー」シリーズ(コスミック出版)で、約20年前に結婚し、18年間生活を共にしたアスペルガーの夫との関係を描いてきた。
他人との距離が分からず、物事の優先順位が付けられない、思ったことをそのまま言ってしまう…。そんな夫に振り回された。
自宅の購入の際には野波さんに全てを任せきり。突然、仕事を辞めたときも、将来の話し合いはできなかった。揚げ句の果てには、300万円の借金が発覚した。
夫の言動を周囲に訴えても「男の人ってそんなもの」などと言われて終わり。「自分が悪いのかもしれない」と思い詰め、抑鬱状態になった。離婚が頭をよぎる中、インターネットを検索していると、夫の言動がアスペルガーの人と一致していることに気づき、医療機関を受診。すぐに、診断がついた。
自身も「カサンドラ症候群」であることに気づき、心がすっと軽くなった。「自分が特別に駄目だから、こうなったわけじゃない」と思えたからだ。
夫と別居すると体調も回復し、これまでの出来事や将来を冷静に考えられるようになった。「私も夫も悪くない。夫の良いところも思い出せた。結婚は間違いではなかったと過去も肯定できました」。別居は続けているが、離婚はしておらず、「いい距離感」という。
◆分かち合いたい
カサンドラ症候群の苦しみを分かち合う方法の一つが自助グループだ。「フルリールかながわ」(横浜市)では、同じ悩みを持つ女性同士が交流。個別相談にも応じている。代表の真行結子さんもカサンドラ症候群の経験者だ。真行さんは「悩みを共有しつつ、今後の道を探していけたら」と話す。
臨床心理士の滝口のぞみさんは「アスペルガーの人が悪いわけではない。特徴を理解することで、関係性が改善されることもある」と指摘。「アスペルガーの人は、人間関係を学習することで変わっていきます。一人で悩まずに、専門の機関などに相談してほしい」としている。
【用語解説】カサンドラ症候群
2003年にイギリスの心理学者が名付けた。米精神医学会の診断基準に含まれておらず、正式な病名ではない。抑鬱のほか、自律神経失調症、自己喪失感、困惑感、罪悪感などがみられる。ギリシャ神話の神、アポロンに、予知能力を周囲に信じてもらえない呪いをかけられた女性、カサンドラの名前に由来。
【用語解説】アスペルガー症候群
「自閉症スペクトラム障害」に含まれる。生まれつきの脳機能障害が原因とされている。基本的に「社会性」「コミュニケーション」「想像力」に困難があるとされる。言語能力や会話能力には明らかな問題がないため発見されにくい。
感想;
カサンドラ症候群というのを初めて知りました。
アスペルガーの方は、自分に合った仕事を見つけられる人並み以上の力を発揮されますが、合わない仕事、人との調整が多いなど、では辛い思いをされています。周りも困っているケースがあります。アスペルガーを周りが知ることが少しでも上手くする第一歩だと思います。
アスペルガーの人の配偶者の人も、上手くコミュニケーションする方法を身に付けことが大切なのでしょう。
ウィキペディアより;
「カサンドラ症候群;カサンドラ情動剥奪障害(カサンドラしょうこうぐん;カサンドラじょうどうはくだつしょうがい)」とは、アスペルガー症候群(AS)の夫または妻(あるいはパートナー)と情緒的な相互関係が築けないために配偶者やパートナーに生じる、身体的・精神的症状を表す言葉である。アスペルガー症候群の伴侶を持った配偶者は、コミュニケーションがうまくいかず、わかってもらえないことから自信を失ってしまう。また、世間的には問題なく見えるアスペルガーの伴侶への不満を口にしても、人々から信じてもらえない。その葛藤から精神的、身体的苦痛が生じる。
症状としては偏頭痛、体重の増加または減少、自己評価の低下、パニック障害、抑うつ、無気力などがある。カサンドラ症候群の悩みを訴える者のブログも多く見られ、アスペルガー症候群の伴侶を持つ者の二次障害として深刻な問題となっている。 家族に対するケアの重要性が指摘されている。