http://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%e7%b5%90%e5%a9%9a%e3%81%af%e3%83%93%e3%82%b8%e3%83%8d%e3%82%b9%e3%80%81%e5%a4%ab%e3%81%af%e9%87%91%e3%83%85%e3%83%ab%ef%bc%81%e3%80%8c%e3%83%97%e3%83%ad%e5%a6%bb%e3%80%8d%e3%81%ae%e8%b1%aa%e8%83%86/ar-BBw6qfq?ocid=spartandhp#page=2 ダイヤモンド・オンライン 秋山謙一郎 [フリージャーナリスト]
結婚に愛情は不要。夫=企業と見立てて、優良企業(夫)への入社(結婚)に余念がない「プロ妻」が増えている。中には転職(離婚と再婚)も視野に入れて、退職金(慰謝料)がもらえるようにがんばるという猛者も。プロ妻たちの世界観を取材した。
専業主婦は夫育成ビジネス!「結婚相手決定に恋愛感情は不要」
「早く結婚を決めて、寿退社して、家庭におさまりたいです」――。
平成の時代にあって、「寿退社」という昭和の香りがする言葉を使って結婚願望を露わにするのは、大阪府内の地場金融機関に勤めるミサキさん(24)だ。そんな彼女にとって、今の勤務先はあくまでも「腰掛け」に過ぎないという。
「専業主婦とは究極のマネージメント業だと私は考えます。ひとりの男性を企業と見立ててその可能性を引き出し、育て、伸ばしていく。そう考えると、専業主婦はとても大きな可能性を秘めたビジネスではないでしょうか?」
茶色のワンピースに、今年流行のカーキグリーンのサマーカーディガンを羽織るミサキさんは、結婚を夢見る女性というよりも、「やり手の若手女社長」といった雰囲気だ。今は仕事の傍ら、大阪市内の結婚相談所に登録し、専業主婦となるべく“婚活”に励んでいる。
「登録して半年です。最初の2ヵ月間は毎週、土日に1人ずつ会っていました。でも、さすがにスケジュール的にもきつくて。今は毎週金曜日の夜に1人会っています。これまでに50人くらい会いました。今、ひとりお付き合いしようと思っている方がいます」
大学では音楽系の部活で活躍し、所属ゼミではゼミ長として頑張っていたという活発なミサキさんなら、なにも相談所に登録しなくても結婚相手に恵まれるのではないか。そんな疑問をぶつけると、彼女は冷静な口調でこう語った。
「恋愛はたくさんしてきました。でも、彼らを“企業”として考えると難ありでした。預貯金が少ない、もしくはない。勤務先の企業規模や安定性、家族構成などなどを査定すると、とても優良“企業”に育つだけの基本的要素がありません。恋愛は結婚のきっかけにはなりますが、愛だけで結婚生活が維持できるとは、到底思えません。なので結婚はまず条件面から入ろうと。恋愛は結婚した相手と、結婚後にすればいいわけですから」
係累がない孤独さが良い夫の条件!?プロ妻志望者の目のつけどころとは
ミサキさんがいくつか挙げた結婚相手の条件は、「旧帝国大学もしくは、それに準じる国立大学、早稲田・慶応クラスの大卒以上の学歴で公務員、または一部上場企業勤務」「親が無借金企業の経営者、または医師、弁護士といった職業に就いている、もしくは遺産を残して死亡している」「係累がなく、親戚づきあいの必要がない」などが主立ったところだ。
なぜ結婚相手の親に企業経営者や医師、弁護士といったいわば自営業者を選びながらも配偶者自身は公務員や一部上場企業勤務なのか。これについてミサキさんは次のように語った。
「士師業や経営者だと、働けば働いた分、収入となります。でも不安定な側面もあります。結婚相手が士師業や経営者だと収入面で心配です。やはり安定した収入のある公務員か、一部上場企業勤務のほうが好ましいですよね。士師業に就いていたり、経営者だった両親がすでに死亡し、遺産を相続しているという人がもっとも優良です」
あまりにも自分にばかり都合のいい条件なのでは?思わず記者がそう問いかけると、「こうした優良男性に見初められるべく、私だって自分磨きに全力を投じていますから」と、真剣な眼差しで切り返された。続けてミサキさんが語る。
「男性を惹きつけて離さないためには、まずは『容姿』、それから『聞く・話す』『料理』『ベッド』の3つです。だから大学時代は、学部も違うのにわざわざ『カウンセリング論』の授業を履修したり、料理教室に通ったりもしました。ベッドのほうは、大学時代の友達に風俗店で黒服をしていた男の子がいたので、そこの『お仕事マニュアル』というDVDをもらい受けて研究を重ねました」
学生時代の恋愛は、男性という企業研究、いわばインターンシップだったと語り、その経験は20人弱。実に勉強熱心なことである。
さて、相談所での紹介では、相手男性と性交渉を持った時点で「結婚退会」もしくは「退会」しなければならない。これはIBJ(日本結婚相談所連盟)加盟の相談所カウンセラーによると「相談所には結婚という社会的責任を負う相手を紹介する責任」と「性感染症を罹患した場合、紹介者として責任を追いかねる」という理由からだという。
そのためミサキさんの折角の研究結果も、相談所での見合いでは、そのすべてをアピールする場に恵まれない。これにミサキさんは不満顔を隠さない。
「就職でも実際に入社して仕事をしてみなければ、企業と就職したい人、互いの相性はわからないはず。結婚生活でも大事な体の相性を打ち合わせる機会がないのは、正直、不安なところもあります」
転職(離婚)も視野に入れて工作!やり手プロ妻の恐ろしいしたたかさ
これ以上ないほどに合理的に思えるミサキさんは、惚れた腫れたを一切抜きにして、“妻業”ビジネスを追求する「プロ妻」候補と言えるだろう。
しかし、結婚歴4回、いずれも年収1200万円以上の男性だったという凄腕「プロ妻」・ヨシコさん(45)の目には、ミサキさんは「まだ甘い」と映る。ヨシコさんの元夫たちは歯科医師、外資系金融機関社員、一部上場企業社員、弁護士だった。
「ずっとひとつのところにいるのなら問題ありません。でも“転職”、すなわち離婚を考えていないところに甘さを感じます。妻として四六時中働くのは激務。せいぜい2年か3年しか持ちません。だから離婚も視野に入れて採算性を考えるべきですね」
彼女が語る採算性とはなにか。それはずばり、「慰謝料」だ。この慰謝料は、大きく分けて(1)離婚時にもらうもの、(2)夫の不貞行為時に、その相手女性からもらうもの――の2つがある。
「離婚時にいただく慰謝料、これは企業でいうところの退職金に相当するものです。自己都合退職では退職金なし、つまり慰謝料をいただけないこともあります。でも会社都合ならそんなことはありません。だから夫の側から離婚を切り出してもらう必要があります」
こう語るヨシコさんだが、過去3度の結婚での経験則上、3年も一緒に暮らせば互いに相手と生活に飽きてくるという。そうなると転職、すなわち離婚と再婚に向けた行動を起こす。
「だからといってハードランディングではお互いに疲弊するだけです。まずは夫とのコミュニケーションをとり、家事も一生懸命行います。温かい家庭をつくる努力は決して怠らず。ただし夫の望むこととは、少しズレたものにすること。ここがポイントです」
こう語るヨシコさんが、過去、夫との離婚を考えた際、実践したことをこっそり教えてくれた。
「たとえば綺麗好きな夫なら、敢えていつも食器や洗濯物が散らかっている状態にします。逆に大雑把な夫の場合は、部屋にはチリひとつない状態にし、食器類や洗濯物は整然と並んでいる環境を常に整えておくのです。料理は夫の好みの味付けには絶対にしない。コミュニケーションは、私が一方的に自分だけです。些細な日常生活の愚痴や、お友達の悪口だけを話し続けます。もちろん夫の話はすべて聞き流し、言われたことも忘れたふりです。セックスは夫が疲れているときに私が求め、夫が求めてきたならば拒む。これをずっと続けるのです」
そうすると、やがて夫のほうから、「大変申し訳ないが、君とはどうにもやっていけない」となり、感謝の気持ちと共に離婚を切り出されるという。
失業給付金を狙い、会社都合での解雇を企業から引き出すべく、定時に出勤。意図的に3時間かけてコピーを1枚だけ取る、5時間かけて80文字のタイピングしか行わないなどの「モンスター社員」によるサボタージュ行為を、どこか彷彿とさせるものがある。
結婚カウンセラーが説く「離婚の3条件」を地で行き、夫都合離婚を引き出す
IBJ加盟の相談所のカウンセラーによると、夫が離婚を考えるのは、「夫の話を聞かない、しかし自分のことは一方的に話す」「料理が下手、不味い」「体の相性が合わない、セックスレス」の3つが揃った時だという。ヨシコさんが離婚を視野に入れた際、夫に接する態度とぴたりと符合する。また冒頭部で紹介した、ミサキさんが結婚相手候補にアピールする3つの項目と真逆であることがわかる。
「家事もきちんとして、私のほうに不貞行為もなければ、夫側が慰謝料を支払っての離婚になります。そのときも派手なトラブルは避けたいですね」。こう語るヨシコさんは、夫に不貞行為が発覚した場合、相手女性には慰謝料を請求することはないという。その理由をヨシコさんはこう明かす。
「示談交渉にしろ、訴訟での勝訴にしろ、相手方に資金力がなければ実質的には回収できません。無理して回収しても恨みを買うだけです。慰謝料請求は離婚時に夫にのみ行います。それに、離婚理由をつくってくださった相手女性は、私にとっては追い風を吹かせてくれた方。感謝の気持ちしかありません」
さて、ここまでヨシコさんの話を聞き、どうしても聞いてみたくなった問いがある。もしずっと一緒に居たいという相手がいれば離婚はしないのか――この問いにヨシコさんはこう答えた。
「そんな相手とは結婚はしません。互いに自由恋愛のほうが長続きしますから。結婚生活では、最初の2年ほどは妻として、夫に溢れんばかりの愛情を注ぎます。別れても夫に感謝されるほど尽くすのですから、こちらも燃え尽きてしまいます」
なるほど。確かに「ほんの数年の辛抱」と思えばこそ、計算し尽くした結婚生活を維持できるというわけだ。手練のプロ妻とて、人に惚れるという感情がなくなったわけではないらしい。この返事に少しだけホッとした。
結婚相談所関係者たちは、口を揃えて「この十数年でプロ妻や、その候補者が増えた」と話す。共に結婚相手の男性を企業と見立てる点は、ミサキさん、ヨシコさんに共通しており、多くのプロ妻たちの考え方なのだろう。だが、そのスタンスには大きな隔たりがあるようだ。
永久就職を目指しスキルアップに励む「社員型」のミサキさんに対して、結婚当初から離婚を視野に入れ、2年から3年は妻として全力投球、次から次へとセレブ妻として渡り歩くヨシコさんは、「フリーエージェント型」といったところか。どちらの「プロ妻」の話も、結婚とは何なのかと考えさせられるものであった。
感想;
見合いの時の判断基準と考えるとリスクの少ない選択肢になるのでしょう。
恋愛だと、惚れてしまうと周りが見えなくなり、ダメ男にもひっかかることもありますから。
昔から男を掴むためには、3つのふくろを掴めと言われています。
お袋、胃袋、金玉袋(代わりにお給料袋、あるいは堪忍袋)。
結婚に愛情は不要。夫=企業と見立てて、優良企業(夫)への入社(結婚)に余念がない「プロ妻」が増えている。中には転職(離婚と再婚)も視野に入れて、退職金(慰謝料)がもらえるようにがんばるという猛者も。プロ妻たちの世界観を取材した。
専業主婦は夫育成ビジネス!「結婚相手決定に恋愛感情は不要」
「早く結婚を決めて、寿退社して、家庭におさまりたいです」――。
平成の時代にあって、「寿退社」という昭和の香りがする言葉を使って結婚願望を露わにするのは、大阪府内の地場金融機関に勤めるミサキさん(24)だ。そんな彼女にとって、今の勤務先はあくまでも「腰掛け」に過ぎないという。
「専業主婦とは究極のマネージメント業だと私は考えます。ひとりの男性を企業と見立ててその可能性を引き出し、育て、伸ばしていく。そう考えると、専業主婦はとても大きな可能性を秘めたビジネスではないでしょうか?」
茶色のワンピースに、今年流行のカーキグリーンのサマーカーディガンを羽織るミサキさんは、結婚を夢見る女性というよりも、「やり手の若手女社長」といった雰囲気だ。今は仕事の傍ら、大阪市内の結婚相談所に登録し、専業主婦となるべく“婚活”に励んでいる。
「登録して半年です。最初の2ヵ月間は毎週、土日に1人ずつ会っていました。でも、さすがにスケジュール的にもきつくて。今は毎週金曜日の夜に1人会っています。これまでに50人くらい会いました。今、ひとりお付き合いしようと思っている方がいます」
大学では音楽系の部活で活躍し、所属ゼミではゼミ長として頑張っていたという活発なミサキさんなら、なにも相談所に登録しなくても結婚相手に恵まれるのではないか。そんな疑問をぶつけると、彼女は冷静な口調でこう語った。
「恋愛はたくさんしてきました。でも、彼らを“企業”として考えると難ありでした。預貯金が少ない、もしくはない。勤務先の企業規模や安定性、家族構成などなどを査定すると、とても優良“企業”に育つだけの基本的要素がありません。恋愛は結婚のきっかけにはなりますが、愛だけで結婚生活が維持できるとは、到底思えません。なので結婚はまず条件面から入ろうと。恋愛は結婚した相手と、結婚後にすればいいわけですから」
係累がない孤独さが良い夫の条件!?プロ妻志望者の目のつけどころとは
ミサキさんがいくつか挙げた結婚相手の条件は、「旧帝国大学もしくは、それに準じる国立大学、早稲田・慶応クラスの大卒以上の学歴で公務員、または一部上場企業勤務」「親が無借金企業の経営者、または医師、弁護士といった職業に就いている、もしくは遺産を残して死亡している」「係累がなく、親戚づきあいの必要がない」などが主立ったところだ。
なぜ結婚相手の親に企業経営者や医師、弁護士といったいわば自営業者を選びながらも配偶者自身は公務員や一部上場企業勤務なのか。これについてミサキさんは次のように語った。
「士師業や経営者だと、働けば働いた分、収入となります。でも不安定な側面もあります。結婚相手が士師業や経営者だと収入面で心配です。やはり安定した収入のある公務員か、一部上場企業勤務のほうが好ましいですよね。士師業に就いていたり、経営者だった両親がすでに死亡し、遺産を相続しているという人がもっとも優良です」
あまりにも自分にばかり都合のいい条件なのでは?思わず記者がそう問いかけると、「こうした優良男性に見初められるべく、私だって自分磨きに全力を投じていますから」と、真剣な眼差しで切り返された。続けてミサキさんが語る。
「男性を惹きつけて離さないためには、まずは『容姿』、それから『聞く・話す』『料理』『ベッド』の3つです。だから大学時代は、学部も違うのにわざわざ『カウンセリング論』の授業を履修したり、料理教室に通ったりもしました。ベッドのほうは、大学時代の友達に風俗店で黒服をしていた男の子がいたので、そこの『お仕事マニュアル』というDVDをもらい受けて研究を重ねました」
学生時代の恋愛は、男性という企業研究、いわばインターンシップだったと語り、その経験は20人弱。実に勉強熱心なことである。
さて、相談所での紹介では、相手男性と性交渉を持った時点で「結婚退会」もしくは「退会」しなければならない。これはIBJ(日本結婚相談所連盟)加盟の相談所カウンセラーによると「相談所には結婚という社会的責任を負う相手を紹介する責任」と「性感染症を罹患した場合、紹介者として責任を追いかねる」という理由からだという。
そのためミサキさんの折角の研究結果も、相談所での見合いでは、そのすべてをアピールする場に恵まれない。これにミサキさんは不満顔を隠さない。
「就職でも実際に入社して仕事をしてみなければ、企業と就職したい人、互いの相性はわからないはず。結婚生活でも大事な体の相性を打ち合わせる機会がないのは、正直、不安なところもあります」
転職(離婚)も視野に入れて工作!やり手プロ妻の恐ろしいしたたかさ
これ以上ないほどに合理的に思えるミサキさんは、惚れた腫れたを一切抜きにして、“妻業”ビジネスを追求する「プロ妻」候補と言えるだろう。
しかし、結婚歴4回、いずれも年収1200万円以上の男性だったという凄腕「プロ妻」・ヨシコさん(45)の目には、ミサキさんは「まだ甘い」と映る。ヨシコさんの元夫たちは歯科医師、外資系金融機関社員、一部上場企業社員、弁護士だった。
「ずっとひとつのところにいるのなら問題ありません。でも“転職”、すなわち離婚を考えていないところに甘さを感じます。妻として四六時中働くのは激務。せいぜい2年か3年しか持ちません。だから離婚も視野に入れて採算性を考えるべきですね」
彼女が語る採算性とはなにか。それはずばり、「慰謝料」だ。この慰謝料は、大きく分けて(1)離婚時にもらうもの、(2)夫の不貞行為時に、その相手女性からもらうもの――の2つがある。
「離婚時にいただく慰謝料、これは企業でいうところの退職金に相当するものです。自己都合退職では退職金なし、つまり慰謝料をいただけないこともあります。でも会社都合ならそんなことはありません。だから夫の側から離婚を切り出してもらう必要があります」
こう語るヨシコさんだが、過去3度の結婚での経験則上、3年も一緒に暮らせば互いに相手と生活に飽きてくるという。そうなると転職、すなわち離婚と再婚に向けた行動を起こす。
「だからといってハードランディングではお互いに疲弊するだけです。まずは夫とのコミュニケーションをとり、家事も一生懸命行います。温かい家庭をつくる努力は決して怠らず。ただし夫の望むこととは、少しズレたものにすること。ここがポイントです」
こう語るヨシコさんが、過去、夫との離婚を考えた際、実践したことをこっそり教えてくれた。
「たとえば綺麗好きな夫なら、敢えていつも食器や洗濯物が散らかっている状態にします。逆に大雑把な夫の場合は、部屋にはチリひとつない状態にし、食器類や洗濯物は整然と並んでいる環境を常に整えておくのです。料理は夫の好みの味付けには絶対にしない。コミュニケーションは、私が一方的に自分だけです。些細な日常生活の愚痴や、お友達の悪口だけを話し続けます。もちろん夫の話はすべて聞き流し、言われたことも忘れたふりです。セックスは夫が疲れているときに私が求め、夫が求めてきたならば拒む。これをずっと続けるのです」
そうすると、やがて夫のほうから、「大変申し訳ないが、君とはどうにもやっていけない」となり、感謝の気持ちと共に離婚を切り出されるという。
失業給付金を狙い、会社都合での解雇を企業から引き出すべく、定時に出勤。意図的に3時間かけてコピーを1枚だけ取る、5時間かけて80文字のタイピングしか行わないなどの「モンスター社員」によるサボタージュ行為を、どこか彷彿とさせるものがある。
結婚カウンセラーが説く「離婚の3条件」を地で行き、夫都合離婚を引き出す
IBJ加盟の相談所のカウンセラーによると、夫が離婚を考えるのは、「夫の話を聞かない、しかし自分のことは一方的に話す」「料理が下手、不味い」「体の相性が合わない、セックスレス」の3つが揃った時だという。ヨシコさんが離婚を視野に入れた際、夫に接する態度とぴたりと符合する。また冒頭部で紹介した、ミサキさんが結婚相手候補にアピールする3つの項目と真逆であることがわかる。
「家事もきちんとして、私のほうに不貞行為もなければ、夫側が慰謝料を支払っての離婚になります。そのときも派手なトラブルは避けたいですね」。こう語るヨシコさんは、夫に不貞行為が発覚した場合、相手女性には慰謝料を請求することはないという。その理由をヨシコさんはこう明かす。
「示談交渉にしろ、訴訟での勝訴にしろ、相手方に資金力がなければ実質的には回収できません。無理して回収しても恨みを買うだけです。慰謝料請求は離婚時に夫にのみ行います。それに、離婚理由をつくってくださった相手女性は、私にとっては追い風を吹かせてくれた方。感謝の気持ちしかありません」
さて、ここまでヨシコさんの話を聞き、どうしても聞いてみたくなった問いがある。もしずっと一緒に居たいという相手がいれば離婚はしないのか――この問いにヨシコさんはこう答えた。
「そんな相手とは結婚はしません。互いに自由恋愛のほうが長続きしますから。結婚生活では、最初の2年ほどは妻として、夫に溢れんばかりの愛情を注ぎます。別れても夫に感謝されるほど尽くすのですから、こちらも燃え尽きてしまいます」
なるほど。確かに「ほんの数年の辛抱」と思えばこそ、計算し尽くした結婚生活を維持できるというわけだ。手練のプロ妻とて、人に惚れるという感情がなくなったわけではないらしい。この返事に少しだけホッとした。
結婚相談所関係者たちは、口を揃えて「この十数年でプロ妻や、その候補者が増えた」と話す。共に結婚相手の男性を企業と見立てる点は、ミサキさん、ヨシコさんに共通しており、多くのプロ妻たちの考え方なのだろう。だが、そのスタンスには大きな隔たりがあるようだ。
永久就職を目指しスキルアップに励む「社員型」のミサキさんに対して、結婚当初から離婚を視野に入れ、2年から3年は妻として全力投球、次から次へとセレブ妻として渡り歩くヨシコさんは、「フリーエージェント型」といったところか。どちらの「プロ妻」の話も、結婚とは何なのかと考えさせられるものであった。
感想;
見合いの時の判断基準と考えるとリスクの少ない選択肢になるのでしょう。
恋愛だと、惚れてしまうと周りが見えなくなり、ダメ男にもひっかかることもありますから。
昔から男を掴むためには、3つのふくろを掴めと言われています。
お袋、胃袋、金玉袋(代わりにお給料袋、あるいは堪忍袋)。