幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

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「Good Morning」最果タヒ著 "哲学的な詩集”

2017-10-16 03:22:22 | 本の紹介
中原中也賞に輝いた鮮烈なる第一詩集

十代の作品にはつねに攻撃的な自分が存在していた。
そしてそれが染み渡るようにして世界は色鮮やかに鋭く光った。
わけもなく悲しく、わけもなく悔しい。そんな自分がにらむ世界は一気に強く輝いて見えていた。
おもしろおかしい10代がすぎると、社会がこちらに駆けてくる。
それが発する光はあまりにもやさしく、それによって鈍くも見えた。
へいたんで、作品にしたことのないその静寂に、書けば書くほど虚無感がつのっていた。
自分は夜行性だ、真っ暗な中で叫びたいことがある、そう、信じていた、でもそとのき見たものは、真っ白な世界を染め替えるような朝日、西を向いて部屋にとじこもり、伝統を消していても染み込んでくる光だった。
振り向けばなにか、恐ろしかったのだろうと思う。
十代は去っておらず、私の血はその十代でできていた。
世界は変わらず輝いていて、わたしはそれをただ、また直視すればよかったのだ。
いつまでも、これは変りやしないのだ。
だから、これまでのためにこれからのためにこの詩集はあるのだろう。そのためにも、決して私は彼らを、遺物にしない。

「もうあんなの書けない」って未来の自分に言われるものじゃないと、今、書く意味がない。
過去には未来の自分を轢き殺していくぐらいでいてほしい。
確定した時間というものが、不確定でしかない未来なんかより弱いはずがないんだ。
私の体とこころをつくっているのは明らかに過去の私であって、だからこそ、過去の私は永遠に私を痛みつける存在でいてほしい。
今なんかに、未来なんかに、屈しないで、理解できないあの日として、図々しく私の一部に居座り続けて、自分の中に相容れない存在が増えていく。
それが、生きることだと、生きたい理由だと、信じている。

過去には、今より未来より、強くて残酷であってほしい。未来なんかに、生きてきた時間を、過去を、否定させないで。
グッドモーニング。
これからも、どこまでも、いつまでも、私に生きてきた数十年を突きつけてください。

感想
感情が理解できなかった。
それはもう、若者でなくなっているのだろうか?
10代から20代初めにかける、不安、何とも言えない心の動き、自分の心なのにどうしようもない状況。
もう忘れてしまっているのかもしれない。
気になる人である。
話してみたい人である。