幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「ストーカー『普通の人』がなぜ豹変するのか」小早川明子著 ”脳が変わっていく”

2018-03-26 12:28:12 | 本の紹介
・ストーカーの“とらわれ“を治す治療法「条件反射制御法」が存在する。
 開発者は平井慎二医師

・ストーカーからの贈り物はどうする?
 相手が1体の関係を求めてきたときは、「そういう内容のお約束はできないんです」「期待しないでください」「返信を欲しがるようならフォローしないでいいです」と。
 物をもらうというのは基本的に危険なことなので、「ありがたいことですけれども、受け取らないようにしているんです。ごめんなさい」と断るべきですが、ストーカーもそうした気配を察知して、断れないような渡し方をしてきます。そんな場合には、代理人を介して返し、連絡をとるのも代理人にスイッチします。

・ストーカーの五類型
1)拒絶型
2)憎悪型
3)親しくなりたい型
4)相手にされない求愛型
5)略奪型

・犯罪被害者学の諸澤英道先生によるストーキングの定義
「正当な理由なく悪意を持って繰り返し相手をつけ回し、待ち伏せや監視などによって意思を伝達しようとすることで、相手に不安や恐怖を与える行為」
 私も過去、まったくこの定義どおりのストーキングをされました。ですので、カウンセリングの活動を始めたときはストーキングとはこういものだと思っていました。しかし、実際には、この定義に当てはまらないケースをいろいろ見てきました。この定義は「拒絶型」と「憎悪型」だけを対象にしているものだと思われます。

・ストーカーの段階
 ストーキングする人>ストーカー(ストーカーという病態)>ストーカーという疾患

・ストーカーの心理レベルでの危険度と対応
 ポイズン;脅迫、暴力、住民侵入、名誉棄損など
 デインジャー;批判、攻撃的な待ち伏せなど
 リスク;やり直したいこと

・柚木麻子さんの「ナイルパーチの女子会」(作家の佐藤優に教えて貰った)
 知り合うきっかけはSNSだけれども、会いたくなって実際に会い、やがてストーカー化する。まさにいまの時代を先取りした小説だといえます。

・交際中にも心がけてほしいこと
1)交際中は金品の貸し借りをしない
2)どんなことでも約束しない
3)避妊する
4)過去の異性関係は言わない、聞かない
5)人の悪口は言わない
6)リベンジポルノを防ぐために、そういう写真や動画を撮らせない

・別れたくなったときは無計画に一気に拒絶するのではなく、次のことに努力をしてください
1)会う回数を減らしていく
2)電話は避けて連絡はメールかLINEだけにする(やりとりは後に第三者が読むことになることを前提に、読まれても大丈夫なことだけを書くこと。間違っても脅したり、暴言を吐いたりしないことです)
3)ニックネームで呼ぶのはやめて名字にする。あるいは敬語にする。
4)「別れたい」と伝えた後は、「最後に一度会いたい」と言われても決して会わない。
5)相手の話を聞くための代理を立てる。
6)相手の所有物ははどんなにゴミのようなものでも捨てないこと(ボロボロの靴を捨てたら後で形見だったと言われたりすることもあります)。
7)いざというときに逃げる場所を確保しておく。
8)家族、学校、職場に相談できるようにする。

・他人のことだから介入できる(500人以上のストーカーと対面してきた)。

・加害者の代表的な特徴は三つです。
1)確固たる心理的動機があり、自分の正当性を妄想的に信じこむ。
2)相手を一方的に追いつめ、苦しめていることを自覚しながらも相手に好意を持たれるという望みを抱く(ただし、そうでないタイプのストーカーもいる)。
3)2)の望みが絶たれたとき、心のバランスは憎しみに反転し、自殺又は相手を殺害することもある。

・拒絶型のストーカーには弁護士もいるし、精神科医もいる。一流企業の社員も多い。教師や警察官もいます。彼らは「相手が悪い」ということ非常に能弁に語ります。一方で、農業や漁業に従事している人に私は会ったことがありません。

・被害者のほうは、自分を責める性格の人が多く、「あのとき、あんなことを言っちゃったからかな」「私も不用意だった」などと思ってしまいがちです。だから、心配をかけたくなくて人に相談せず、家族が気づいていないというケースが非常に多い。

・被害者の中には、せっかく警察に行っても遠慮して、恐怖や要望を伝えられない人もいます。そういう人は誰かに同行してもらうことです。メールなどの証拠記録を持参し、「被害届を出したい」「告訴します」と、はっきりと警察官に伝えてほしいと思います。

・ハレーション(他に影響を及ぼすこと)の収め方
 加害者が私に対してハレーションを起すことがあります。ただ、そのハレーションは、私とのやりとりの中だけで起き、相手に示す態度はそれに反比例して静まります。一番最初は丁寧に誠意をこめて返事をします。二、三回目からは量を減らしますが、核となる回答の内容は同じものになります。
 それは次の5つです。
1)メールを受けました。
2)相手にあなたの意見を伝えましたが、あなたの思い通りにならないようです。相手はあなたに特に何かを伝えたいという様子はないけれど、ただちにストーカー行為をやめて、あなたが通常の生活を送ればいいと思っているようです。
3)私(小早川)はあなたが苦しいのはわかりますが、相手を責めても無駄に人生を過ごすことになるのを知っています。
4)苦しさを解決するために、カウンセリングや治療を受けるべきだと思います。
5)カウンセリングや治療を受ける気になったら、教えてください。

・500人以上のストーカーと対峙してきていえるのは、本当は「ストーカーは何も考えていない」ということです。私にいわせれば、無意識の欲求に突き動かされているだけです。

・ストーカーに伝える三つの鉄則
1)相手は自分(ストーカー)を嫌う理由がある。
2)自分の感情は自分で100%処理する。
3)違法行為は行わない。
 しかし、私は鉄則を無理やりに呑みこませるようなことはしません。ストーカーが鉄則を呑みこめる自分に変われるようサポートします。

・認知療法で何百回となく加害者と対話を繰り返す。およそ、6割のストーカーはストーキングしないと決断し、相手から離れることができます。残りの4割は、言い分が消えても、相手への関心がなくならないことに自分自身ショックを受けます。こうい加害者には、「感情」を言葉にし、客観化するゲシュタルト・セラピーを用いてきました。他にもエンプティ・チェア、マインドフルネス(いまの瞬間の感情・感覚の有り様、変化に気づき、受け入れることで、評価、判断、否定的感情に呑みこまれないしなやかさを体得する)、フォーカシング(焦点を当てたい問題を一つ選び、その問題全体をひとかたまりとして味わうことで、自らを問題から切り離し解放する)といった技法も採り入れて、感情を外在化し、客観視し、扱えるように取り組みます。その結果、9割のストーカーは無害な存在となります。

・条件反射制御法 下総精神医療センター 平井慎二医師
 私(小早川)が関与したストーカー加害者は15人以上いますが、退院後の「維持作業」を怠った一人を除いて全員が治っています。

・条件反射制御法
1)第一ステージ
抑えきれない行動を止める刺激を意図的につくります。
「私は〇〇はやれない」とい言葉を発すると同時に、胸に手を当てた後に親指を外に外して掌をつくり、次に中にして掌をつくるなど、簡単で他人にわからないけれども本人には特別な意味を持つ動作を20分に一度行い、二週間ほどかけて200回以上反復することにより成立します。 
2)第二ステージ
治療対象となる行動を促進する神経の反射連鎖を弱める作業をします。あえて患者に治療対象となる行動までのプロセスを克明に体験させます。実際に使用するのは議事の対象ですから生理的報酬は得られません。この疑似体験を200回以上します 
3)第三ステージ
朝起きたときから治療対象の行動までのプロセスを閉眼して詳細に思いださせます。これも二週間ほどかけて200回以上します。このステージでは想像による空振りも行います。 
4)第四ステージ
第一~第三ステージで行った作業を回数を減らして、一生、あるいは少なくとも数年以上続けます。

感想
ストーカーを行っている人は、止めようと思っても止められない人が多いようです。
そのためには、誰かの力を借りることも必要のようです。

ストーカー行為を禁止するだけではストーキングの防止にならない。
ストーカーと話し合うことで、ストーカーが止められるようにすることが重要とのことです。

そして、ストーカーをしてしまう脳になってしまっていると、それを正さないとストーカー意を無くすことは困難とのことです。

ストーカーでなくても、良くないと思っていても、なかなかそれを止められないのは、脳がそれを求めてしまうようになってしまっているのかもしれません。
脳をコントロールしているように、実はコントロールされているのかもしれません。