幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「小さな幸せ」角田光代著 ”「小さな幸せ」角田光代著 ”あなたの場合、恋人と過ごしたどんな時間が心に残っている?”

2023-02-18 19:05:55 | 本の紹介

・長谷川カヤノは悩んでいた。32年間生きてきて、はじめて恋人ができたというのに、なんというか、今ひとつもりあがりが足りないのだ。足りないようなきがするのだ。
・ね、今までで一番印象に残っているデートって、どんなの? と妙にまじめな顔をして、長谷川カヤノに訊かれ、田口さとみは返答に困った。

・江の島海岸で、子供ができたよと彼に伝えた時、私自身はシングル・マザーでも頑張れそうだったけど、彼は一緒に生きていく道を選んでくれた。家族の始まりの一歩となったデートです。(30歳・既婚・専業主婦)

・釣りが趣味の彼と、初デートで湖に行った。4時間粘ったけれど、私がばててしまった。釣りの楽しさは結局理解できなかったけれど、その日は彼と長く過ごせて印象に残っています。(29歳・未婚・会社員)

・仕事人間だった不倫相手が「休みがとれたからデートしよう」と言って、ふたりで神戸に。帰りに寄った淡路島の花畑がとてもきれいで、自然に手をつないでいた。体だけの関係だと思っていたのでとても嬉しかった。(26歳・未婚・無色)

・天気のいい日に公園でシートをひいて私の作ったお弁当を食べた。青く広い空と緑の芝生と、そこに二人で座っていることがすごく幸せに感じた。(31歳・未婚・派遣社員)

・猛吹雪の中で一緒にいたこと。楽しくて楽しくて一緒に笑っていた。外から車の中に戻ってもこらからくる楽しい未来に対して笑い合っていた。(25歳・未婚・会社員)

・好きだけど、お互いに別に恋人がいる人とのデート。今後デートすることもないと思ったから、行った場所、食べたもの、話したことすべてをいつも頭に留めようとしていた。(29歳・既婚・専業主婦)

・摂っても好きだった人とお別れする日。家の近くのバス停で、夜中の2時、3時まで、ずっと泣きじゃくる私の話を聞いていた16歳上の大好きだった人の顔が忘れられない。(20歳・未婚ん・学生)

・初デートで、新しく買ったヒールの高い靴を履いていて、思ったより歩いたのでひどく靴擦れしました。彼と別れた後、即、靴を脱いで裸足で帰りました。その彼とはその後会うこともなく・・・。ふんだり蹴ったりですよ。まったく。(25歳・未婚・契約社員)

・某大使館で私がバイトをしていたころ、同じセクションで働いていた彼。お互いに彼・彼女がいながらも惹かれあい、お台場の砂浜で日が暮れるまで無言の時を過ごした824歳・未婚・会社員)

・友だち以上、恋人未満の人との遊園地でのデート。アトラクションの水飛沫を浴びた私に彼がタオルを貸してくれて、ドキドキしながら「ありがとう」と返した。その水飛沫でできた虹、「きれいだね」と二人で見つめた。帰りに駅につき、私が乗る電車の改札の前でいろいろ話をした。ずっと一緒にいたかったけど、言えなかった。あの時素直に「好き」と答えていたら今頃一緒にいられたのかな、と思うことがある。(23歳・会社員)

・残業をしてすっかり暗くなった時に歩道橋に上がって、ただ彼のいる場所の光を見る。あんあに幸せで切ない光を見たことがなかった。(37歳・既婚・専業主婦)

・大好きだった人に告白したけれど返事がなく数日が過ぎた。恥ずかしくて顔を合わせたくないならと思っていた時に、一緒にお比呂を食べた時間。結局それが最初で最後の、ちゃんと一緒にいられた時間でした。(28歳・未婚・無色)

あとがき
 まだ二十代のころだったか、親しい編集者数人と「どんなデートをするか」という話を飲みながらしていて、そのときはたと、私はデートらしいデートをしたことがないぞ、と気づいてしまった。・・・
 一大事めいたデート。それはなんなのか。判然としない。それを知ろうと思って、このちいさな物語を書いた。・・・
 友人・知人にデートたるべきデートについて訊いてまわった。
それがですね。みんなたいしたデートをしていない。いや、きっとたいしたデートはしているのだろうが、記憶に色濃く残っているデートは、酒を飲むしか知らない私と大差ないのである。
 そんなはずはなかろう、と読者の方々にもデートたるデートについて訊くという暴挙に出た。手紙で、電子メールで、たくさんの人が私に、心に残るデータについて教えてくれた。 
 それがですね、みんなこれまたたいしたデートをしていない。いや、私よりは数段上等なデートをしているに違いないのだが、やっぱり、心に残っているのは、なんというか私や長谷川カヤノと負けず劣らずみみっちい(失礼)、地味なデートなのだった。
 そのみみっちい、地味な無数のデート話を読んでいるうち、みみっちさとは対極にある、なんだかとてつもなくどでかい幸福感に包まれたのは、けれど事実だ。恋は素晴らしい! と、映画を観るより小説を読むより強く思った。ふつうの、日常のひとこまのような、雑事に埋もれてしまいそうな、ちいさないとしい時間。だれもがそれを持っている。
 だれかを思い、その思いが一瞬触れあい、ときとしてすれ違い、すれ違ってもしかし心に何ごとか残す。けっして消えることのない灯みたいに。無駄なことは何ひとつなく、あるいはすべて大いなる無駄である。無駄なような無駄でないような、そこからしか知り得ないことのなんと多いことか。

感想
 トランヴェール(JR東日本が発行する新幹線車内サービス誌)に、角田光代さんがJR東の地域のお酒とお料理を紹介する旅エッセイが連載されています。
 作家で有名になるとこのようなお仕事が来るのかなと思っていましたが、角田光代さんは大のお酒好きだったようです。
 お酒を飲みながら、友だちや、知人、地方の人との会話が、角田光代さんのエネルギーになり、また作品のヒントなども得られているのでしょう。

相思相愛が最初からスタートすることは少ないでしょう。
こちらがどれだけ好きでも、相手が好きになってくれるかはわかりません。
自分から「好き」と言って、上手く行かなった時の恥ずかしを覚えて言えないことも多いでしょう。

読んで思ったことは、想い出があることはよいことだなと。
上手く行かないことも含めて、そのとき失敗を恐れず精一杯行動するからこそ、よい思い出になるのかもしれないなと思いました。

聖書の言葉「門を叩け! さらば開かれん」
先ずは門を叩くことからすべてがスタートするのでしょう。
何が出てくるか・・・。

自分はなんだろう?といろいろ思いめぐらせてしまいました。
高校時代、ある人を見ているだけで幸せに感じていました。
今元気に暮らしているのだろうか。