・日本のカブトムシは、おもにクヌギの木に出来た傷から染み出る樹液を舐めとる。
・カブトムシが最も多いのは深夜0時から2時ごろの間である。
・カブトムシは昼間、樹上の茂みの中に潜んでいたのだ。
・メタリジウム(糸状菌;カビ)によるカブトムシの死亡は、飼育下では幼虫の腐葉土の交換を怠ったときに特に多く発生する。
・カブトムシの捕食者、フクロウ、タヌキ、ハシプトガラス
カブトムシのお腹の美味しい部分だけ食べる。
・カブトムシではオスの方がメスよりも体が大きい。重さにするとオスはメスの約1.4倍である。オスの方が大きいというのは、昆虫の中では例外的である。
・糞虫のタウルスエンマコガネでは、体の大きさに対して大きな武器を持つオスを選抜して、その子孫を交配させるという実験が行われた。この操作を7世代続けて行うと、ランダムにオスを選んで交配させていったグループに比べて、体の大きさに対して大きな角を持つ集団が進化した。逆に小さい角を持つオスを交配していくと、小さい角を持つ集団が進化した。
・武器は、その大きさのわずかな差が、けんかの勝率ひいては残せる子どもの数に大きな違いをもたらすことが多い。
・オスのけんかの流れ
①頭を下げ、角を重ね合わせるようにして軽く突き合い、角の長さを比べ合う。
②角が短い方がその場から逃げるが、長さの差が小さい場合はけんかに。
③角を互いの体の下に入れ、木から引きはがそうと押し合いになる。
④相手逃げるか投げ飛ばすかで決着。
・体の小さいオスは極端に小さい角を持ち、反対に、体の大きなオスは極端に大きな角を持っている。
・体の大きさと(傷と)の関係を調べると、体が大きい個体ほど傷がついている確率が高いことが明らかになった。つまり、体の小さい個体は、戦いを挑んでも負けてしまう可能性が高いため、戦いを避けるような行動をとっていると考えられる。
・メスよりもオス、小さい個体よりも大きい個体の方が食べられやすい。
・成虫の体の大きさに最も強く影響するのは、幼虫のときの餌条件である。
・幼虫がより大きくなるためには、発酵した餌が得られるかどうかが重要である。
・冬が訪れるまでにいかに大きく成長できるかが、大きな成虫になれるかどうかに関係しているのである。
・いかなる場合も、野外では1年1化である。理由は分からないが、カブトムシは冬を経験した後気温が上がると、どんなに体が小さくても必ず一定期間後に蛹になるようにプログラムされている。
・寒冷地の幼虫は遺伝的に成長速度が大きいため、冬が訪れる前に十分な大きさになるまで成長できるのである。逆に、沖縄や台湾のカブトムシの幼虫は、とてもゆっくり成長する。
・羽化後数週間経つと産む卵の数は減少し、卵サイズも小さくなっていった。捕食や飢餓などのため、カブトムシは本来の生理的な寿命(飼育下での寿命)を野外で全うすることはおそらくほとんどない。彼女らはいつ死んでもよいように、元気なうちにできるだけ質のいい卵をたくさん産むという戦略を採っているのかもしれない。
・体の大きいメスほど大きな卵を産む。
・母親の体サイズが大きいほど子の成虫時の体サイズが大きい。
母親の体サイズが子に伝わる現象は、一見すると遺伝のように見えるが、今回のケースは遺伝ではなく、”母性効果”と呼ばれる現象であると考えられる。母性効果とは、母親が後天的に獲得した性質が、卵の中の栄養物質やホルモンを介して子の性質に影響を与えることである。
・カブトムシ飼育で気をつけること
・「単独で飼育すること」
オスは複数を一つのケースに入れるとはげしくけんかをし、傷つけあってしまう。
・カブトムシのメスは、理由は不明だが、他の多くのコガネムシと異なり、生涯にたいてい一度しか交尾をしない。しかし、オスは目の前にいるメスが交尾済みか分からないので、一晩中求愛を続け、メスはそれをひたすら拒否し続けなければならい。野外から採集してきたメスは、8割以上の確率で交尾済みと考えていいため、オスと同居させる必要性は低い。また、室内で得られた成虫の場合は、数日間オスとメスを同居させておけば必ず交尾に至るため、それ以降は隔離してしまう方が長生きする。
・幼虫は二酸化炭素濃度の高い腐葉土に集まる。
・カブトムシの場合、研究者はほとんどいないけれど、ブリーダーは多い。彼らはライフワークとして何十年にもわたっていろいろな種類のカブトムシを飼育し、丁寧な観察を行っているため、研究者よりも先に面白い現象に気づいているということがある。
・接触のある幼虫どうしが何らかのやり取りをして、蛹になるタイミングを合わせている可能性が強まった。
感想;
知るは好きに如かず
好きは楽しむに如かず
やはり興味を持って楽しみながらやることは大きなエネルギーになるようです。
身近なカブトムシでさえ、まだまだ知らないこと、わかっていないことがたくさんありました。
気楽に見えるカブトムシも生きる、子孫を残す、大変なようです。
体の小さいカブトムシは、体の大きいカブトムシに負けるので、体の大きいカブトムシが出てくる前に餌場に行くそうです。またメスも少しはその時間帯にいるそうです。
体が小さくても何とか生きて子孫を残すことを考えています。
それよりも小さいカブトムシもきっと存在する意味があるのだと思います。
違うから良いのでしょう。