http://www.asahi.com/articles/SDI201701066403.html?ref=sp_con_mailm_0118_14アピタル・大野智 2017年1月10日
あけましておめでとうございます。
本年も、どうぞ、よろしくお願いいたします。年末年始、暴飲暴食や運動不足から体重増加が気になっている人も多いのではないでしょうか。肥満は、狭心症や心筋梗塞(こうそく)などの心血管系疾患のリスク因子となっていますから、なんとか減量に励みたいところです。
見栄っ張りな男性は食べ過ぎる?
これって効きますか?
体重を減らすための王道は、「食事(カロリー)制限」と「運動」です。(※残念ながら、「これを一粒飲めば痩せる!」といった魔法のサプリメントはありません)
では、「食事制限」と「運動」、どちらの方が効果的なのでしょうか?あるいは両方を組み合わせて実施すると相乗効果が得られたりするのでしょうか?
その疑問を解決するために実施されたランダム化比較試験の報告[文献1]がありましたので紹介します。対象者は、45-65歳の過体重(BMIが25.0-29.9)の男女52名になります。そして、以下の3つのグループにランダムに振り分けます。
●普段のカロリー摂取量から20%制限する栄養指導を受ける群(食事制限群)
●普段の総エネルギー消費量から20%上乗せ相当の持久性運動を実施するよう指導を受ける群(運動群)
●10%のカロリー摂取制限と10%上乗せ相当の運動指導を受ける群(併用群)
そして、体重、最大酸素摂取量(VO2 max)、血圧、脂質代謝(総コレステロール値、LDLコレステロール値)、血糖値、炎症反応(CRP)、動脈硬化指標(脈波伝播速度:PWV、脈波増大係数:AI)の変化について、それぞれのグループによって違いがあるのかどうかを調べました。
一部の項目でグループによって違いはあるものの、おおむね心血管系疾患のリスク因子の値が改善しているという結果です。この改善による変化は、臨床試験参加者全体の生涯における心血管系疾患リスクを36-46%減少することに相当するそうです。
ただ、研究の主な目的であったグループ間の比較による効果の違いについては、統計学的に有意差はなかったという結果になっています。
結論としては、食事制限単独、運動単独、食事制限と運動の併用のいずれにおいても、体重減少や心血管系疾患に関連するリスク因子の改善への効果は同程度ということになります。
さらに、論文を注意深く読んでみると、少し興味深いことがわかります。
もともと、この臨床試験には69名が参加予定でした。しかし、最終的に解析対象となったのは52名でした。もしかすると、ダイエットや運動がつらくて途中でやめてしまった人がいるのかもしれません。
食事制限単独群と運動単独群では約3割の人が脱落してしまっています。一方で、食事制限と運動をそれぞれ単独群の半分程度ずつおこなった併用群では脱落率は5%にとどまっています。
「食事制限だけ」あるいは「運動だけ」でダイエットをしようとすると途中で挫折してしまう可能性が高く、両方を少しずつおこなうことが成功の秘訣(ひけつ)なのかもしれません。
この記事を読んでいる方のなかで、もしダイエットを考えている人がいたら、無理な食事制限や急激な運動負荷ではなく、両方を少しずつおこなうことを心がけてみてはいかがでしょうか。
感想;
運動だけのダイエットはやはり限界があるようです。
食事制限と運動、この両方がよいようです。
胃を2/3切除しました。
そうすると、なかなか食べることができませんでした。
食が細り、68kgあったのが徐々に減り、55kgまで減りました。
運動は歩くだけで特にしていませんでした。
その体験から、食べなければ痩せるを実感しました。
その後、数年かけて5kg増やすことができました。
ダイエットの難しさは、食べたい気持ちをどう抑えるかなのでしょう。