秀吉(小日向文世)の老いの描き方が上手いなぁ。
・寝小便
・少し前に言ったことを忘れてしまう。
・家康(内野聖陽)を二度呼びつけて同じことを言ってしまう。
・生せんべい、ビスケットで癇癪を起こす。
・情緒不安定 「死にとうない。死にとうない」と泣き出す。
これらは〝老い〟に関して誰もが抱く不安だから怖いんですよね。
決して秀吉だけのことではない。
同時にあんなに栄華を誇った秀吉がこうなってしまうのかという人間の哀しさ。
まさに諸行無常。
そして慶長伏見の大地震。
これで視聴者はドーン! と完全な不安の中にたたき落とされる。
秀吉と同じ目線で恐怖する。
ラストに大地震を持ってきた所が上手い仕掛けですよね。
そう言えば、秀吉のせりふの中に「わしは壊れてしまったのか?」というせりふがあったっけ。
人間の根源的な恐怖って、〝壊れてしまう〟ことなんですよね。
信繁(堺雅人)と信幸(大泉洋)の次のやりとりも上手い。
「もし世が乱れて、その時に徳川につくことが真田を利するならば俺は迷うことなく徳川につく。
源次郎、お前はいささか豊臣家に深入りし過ぎたようだ。
お前は真田家のために太閤殿下のおそばにいるのだぞ」
「かしこまりました」
「もう一度尋ねる。殿下のお具合はどうだ?」
「何も変わったところはございません」
前半の信幸が言っていることを信繁が心から受け入れているのであれば、信繁は、「実はかなりお悪い」と秀吉の老いを報告するはずなんですよね。
なぜなら、これこそが〝真田を利する情報〟だから。
ところが信繁が言ったのは、「何も変わったところはございません」
信繁は真田の利益よりも豊臣の利益を優先している。
信幸もそんな弟のことを理解しているから、「今後も殿下のご様子を逐一伝えるように」と一応、飲み込み、最後に「すべては真田のため」と念を押す。
本当にお見事ですね。
兄弟のスタンスの違い、ぶつかり合いを静かなやりとりの中で的確に描いている。
昌幸パパ(草刈正雄)はエネルギーの行き場をなくしているようだ。
吉野太夫の所に通うが、どこか満たされていない様子。
昌幸は平和な世の中で居場所を見い出だせていない。
出浦昌相(寺島進)がそうであるように、実は戦いを求めている。
その代替え行為が〝難攻不落の城〟を造ることだった。
伏見城普請について昌幸は目を輝かせて信幸に語る。
「何だ、これは? このような平城では一気に攻めつぶされてしまうではないか。
お前の目はどこについておるのじゃ。
この高台に出城を造るのよ。これで東と北の敵を寄せつけぬ。
なぜ、そこに気づかぬ?
明日からわしが自ら普請場に立つ!
この真田安房守が難攻不落の城を造ってみせる!」
昌幸が燃えた瞬間だ。
なお、このせりふには嫉妬に燃える母上・薫(高畑淳子)のツッコミ付き!
「このような平城では一気に攻めつぶされてしまうではないか」←「初めて(図面を)ご覧になるようでございますね」(笑)
「明日からわしが自ら普請場に立つ!」←「やっぱり立っていなかったではないですか!」(笑)
そうです、母上、昌幸は吉野太夫の所に通っていて城普請にほとんど関わっていなかったのです……。
最後はきり(長澤まさみ)。
春(松岡茉優)にこう言われる。
「源次郎様からよくお話は伺ってます。
どこへ行ってもうっとうしいと言われる、きりさんですね!」←うっとうしい!(笑)
一方、きりは春を見て、
「わたしとお梅ちゃんの良い所を兼ね備えている」←前向き(笑)
こんなきりですが、キリスト教への関心があるようです。
・寝小便
・少し前に言ったことを忘れてしまう。
・家康(内野聖陽)を二度呼びつけて同じことを言ってしまう。
・生せんべい、ビスケットで癇癪を起こす。
・情緒不安定 「死にとうない。死にとうない」と泣き出す。
これらは〝老い〟に関して誰もが抱く不安だから怖いんですよね。
決して秀吉だけのことではない。
同時にあんなに栄華を誇った秀吉がこうなってしまうのかという人間の哀しさ。
まさに諸行無常。
そして慶長伏見の大地震。
これで視聴者はドーン! と完全な不安の中にたたき落とされる。
秀吉と同じ目線で恐怖する。
ラストに大地震を持ってきた所が上手い仕掛けですよね。
そう言えば、秀吉のせりふの中に「わしは壊れてしまったのか?」というせりふがあったっけ。
人間の根源的な恐怖って、〝壊れてしまう〟ことなんですよね。
信繁(堺雅人)と信幸(大泉洋)の次のやりとりも上手い。
「もし世が乱れて、その時に徳川につくことが真田を利するならば俺は迷うことなく徳川につく。
源次郎、お前はいささか豊臣家に深入りし過ぎたようだ。
お前は真田家のために太閤殿下のおそばにいるのだぞ」
「かしこまりました」
「もう一度尋ねる。殿下のお具合はどうだ?」
「何も変わったところはございません」
前半の信幸が言っていることを信繁が心から受け入れているのであれば、信繁は、「実はかなりお悪い」と秀吉の老いを報告するはずなんですよね。
なぜなら、これこそが〝真田を利する情報〟だから。
ところが信繁が言ったのは、「何も変わったところはございません」
信繁は真田の利益よりも豊臣の利益を優先している。
信幸もそんな弟のことを理解しているから、「今後も殿下のご様子を逐一伝えるように」と一応、飲み込み、最後に「すべては真田のため」と念を押す。
本当にお見事ですね。
兄弟のスタンスの違い、ぶつかり合いを静かなやりとりの中で的確に描いている。
昌幸パパ(草刈正雄)はエネルギーの行き場をなくしているようだ。
吉野太夫の所に通うが、どこか満たされていない様子。
昌幸は平和な世の中で居場所を見い出だせていない。
出浦昌相(寺島進)がそうであるように、実は戦いを求めている。
その代替え行為が〝難攻不落の城〟を造ることだった。
伏見城普請について昌幸は目を輝かせて信幸に語る。
「何だ、これは? このような平城では一気に攻めつぶされてしまうではないか。
お前の目はどこについておるのじゃ。
この高台に出城を造るのよ。これで東と北の敵を寄せつけぬ。
なぜ、そこに気づかぬ?
明日からわしが自ら普請場に立つ!
この真田安房守が難攻不落の城を造ってみせる!」
昌幸が燃えた瞬間だ。
なお、このせりふには嫉妬に燃える母上・薫(高畑淳子)のツッコミ付き!
「このような平城では一気に攻めつぶされてしまうではないか」←「初めて(図面を)ご覧になるようでございますね」(笑)
「明日からわしが自ら普請場に立つ!」←「やっぱり立っていなかったではないですか!」(笑)
そうです、母上、昌幸は吉野太夫の所に通っていて城普請にほとんど関わっていなかったのです……。
最後はきり(長澤まさみ)。
春(松岡茉優)にこう言われる。
「源次郎様からよくお話は伺ってます。
どこへ行ってもうっとうしいと言われる、きりさんですね!」←うっとうしい!(笑)
一方、きりは春を見て、
「わたしとお梅ちゃんの良い所を兼ね備えている」←前向き(笑)
こんなきりですが、キリスト教への関心があるようです。