「いくさなど誰がしたいと思うか!?
だが、ここで屈すれば臆病者のそしりを受ける。
命を惜しんで泥水を飲めば末代までの恥!」
畠山重忠(中川大志)のいくさは「権力」のためでも「自衛」のためでもなかった。
ただ自らの誇りのために戦った。
理不尽なことをされて自棄になったのではなく「筋」を通した。
誇りのために死ぬ。
自分の筋を曲げずに生き、死をも厭わない。
美しいと思うが、僕は少し違和感を覚える。
和田義盛(横田栄司)の「もうちょっと生きようぜ。楽しいこともあるぞ」の方が共感する。
「死力を尽くして戦おう」と言って別れる重忠と義盛のシーンよかったな。
ふたりはお互いを理解し合っている。
理解しているから義盛が「横から攻めて来る」ことがわかる。笑
義時(小栗旬)とは殴り合い。
殴り合いながらふたりは心の中で会話をしている。
いったい何を話していたのだろう?
ここには憎しみはない。悲しみがある。
運命に流されてこうなってしまったことを嘆いている。
義時は重忠の思いも理解している。
重忠は前回言っていた「本当に鎌倉のことを思うのであれば、あなたが戦うべきは……」を訴えていたかもしれない。
これまた和田義盛の時と同じ友情だ。
いくさもなぁ。
兵を動かしての殺し合いでなく、義盛の言う「腕相撲」でいいのに。
それで勝敗を決めて、負けたら、ガハハッ! と笑い合う。
だが、こうならないのが大人の世界……。
さまざまなしがらみや生きて来てこびりついたものが人をがんじがらめにする。
重忠がこだわった「誇り」などいうものもがんじがらめにするもののひとつ。
ちなみに最近、僕の中で和田義盛の好感度爆上がりです!
巴御前も死を選ばずに生きて、楽しい生活を送っている。
和田義盛と巴御前の夫婦は、「生きていれば楽しいこともある」という三谷幸喜さんのテーマを体現している。
…………………………………………………
「本当に鎌倉のことを思うのであれば、あなたが戦うべきは……」
と重忠に言われた義時がおこなったのが、父・時政(坂東彌十郎)の排除。
りく(宮沢りえ)の言動も極端になって来た。
義時は時政排除のために策を弄する。
妹の夫でもある 稲毛重成(村上 誠基) を犠牲にして、時政を政治的に葬るという謀略だ。
義時は重成が時政を焚きつけたとして重成を殺害する。
御家人達は重成がそんなことをするわけがないとわかっているから、執権・時政への不信は収まらない。
現代風に言えば、政治家が「秘書がやりました」「官僚が忖度してやりました」と言う感じかな?
結果、時政は力を失う。
親戚の稲毛重成を屠って、父・時政をも排除する義時。
そんな義時に政子は言う。
「おそろしい人になりましたね」
義時は修羅の道を歩んでいる。
まあ、義時は頼朝(大泉洋)が没した時に鎌倉から身を引こうと思ってたんですよね。
政界から身を引いて穏やかに暮らしたいと思っていた。
それを止めたのが政子。
だから、義時は政子にも自分の背負っている重荷をすこし担いでくれと思ったのかもしれない。
政子に鎌倉の頂点に立つように求めた。
結果、義時・政子 VS 時政・りくの図式が出来た。
迷走する鎌倉。
自分は望んでいないのにどんどん闇に落ちて行く義時。
義時は重忠の首桶を時政の所に持って来て
「執権を続けたいのならあなたは見るべきだ」と迫った。
悪をしでかした者は自分の犯した罪と向き合わなくてはならない。
時政はそれから目を逸らしたが、義時は向き合っている。
義時が身軽になって楽になるのはいつなのだろう?
心の中の嵐はいつ穏やかになるのだろう?
それは義時が亡くなる時なのかもしれない。
だが、ここで屈すれば臆病者のそしりを受ける。
命を惜しんで泥水を飲めば末代までの恥!」
畠山重忠(中川大志)のいくさは「権力」のためでも「自衛」のためでもなかった。
ただ自らの誇りのために戦った。
理不尽なことをされて自棄になったのではなく「筋」を通した。
誇りのために死ぬ。
自分の筋を曲げずに生き、死をも厭わない。
美しいと思うが、僕は少し違和感を覚える。
和田義盛(横田栄司)の「もうちょっと生きようぜ。楽しいこともあるぞ」の方が共感する。
「死力を尽くして戦おう」と言って別れる重忠と義盛のシーンよかったな。
ふたりはお互いを理解し合っている。
理解しているから義盛が「横から攻めて来る」ことがわかる。笑
義時(小栗旬)とは殴り合い。
殴り合いながらふたりは心の中で会話をしている。
いったい何を話していたのだろう?
ここには憎しみはない。悲しみがある。
運命に流されてこうなってしまったことを嘆いている。
義時は重忠の思いも理解している。
重忠は前回言っていた「本当に鎌倉のことを思うのであれば、あなたが戦うべきは……」を訴えていたかもしれない。
これまた和田義盛の時と同じ友情だ。
いくさもなぁ。
兵を動かしての殺し合いでなく、義盛の言う「腕相撲」でいいのに。
それで勝敗を決めて、負けたら、ガハハッ! と笑い合う。
だが、こうならないのが大人の世界……。
さまざまなしがらみや生きて来てこびりついたものが人をがんじがらめにする。
重忠がこだわった「誇り」などいうものもがんじがらめにするもののひとつ。
ちなみに最近、僕の中で和田義盛の好感度爆上がりです!
巴御前も死を選ばずに生きて、楽しい生活を送っている。
和田義盛と巴御前の夫婦は、「生きていれば楽しいこともある」という三谷幸喜さんのテーマを体現している。
…………………………………………………
「本当に鎌倉のことを思うのであれば、あなたが戦うべきは……」
と重忠に言われた義時がおこなったのが、父・時政(坂東彌十郎)の排除。
りく(宮沢りえ)の言動も極端になって来た。
義時は時政排除のために策を弄する。
妹の夫でもある 稲毛重成(村上 誠基) を犠牲にして、時政を政治的に葬るという謀略だ。
義時は重成が時政を焚きつけたとして重成を殺害する。
御家人達は重成がそんなことをするわけがないとわかっているから、執権・時政への不信は収まらない。
現代風に言えば、政治家が「秘書がやりました」「官僚が忖度してやりました」と言う感じかな?
結果、時政は力を失う。
親戚の稲毛重成を屠って、父・時政をも排除する義時。
そんな義時に政子は言う。
「おそろしい人になりましたね」
義時は修羅の道を歩んでいる。
まあ、義時は頼朝(大泉洋)が没した時に鎌倉から身を引こうと思ってたんですよね。
政界から身を引いて穏やかに暮らしたいと思っていた。
それを止めたのが政子。
だから、義時は政子にも自分の背負っている重荷をすこし担いでくれと思ったのかもしれない。
政子に鎌倉の頂点に立つように求めた。
結果、義時・政子 VS 時政・りくの図式が出来た。
迷走する鎌倉。
自分は望んでいないのにどんどん闇に落ちて行く義時。
義時は重忠の首桶を時政の所に持って来て
「執権を続けたいのならあなたは見るべきだ」と迫った。
悪をしでかした者は自分の犯した罪と向き合わなくてはならない。
時政はそれから目を逸らしたが、義時は向き合っている。
義時が身軽になって楽になるのはいつなのだろう?
心の中の嵐はいつ穏やかになるのだろう?
それは義時が亡くなる時なのかもしれない。