平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「べらぼう」 第4回「『雛形若菜』の甘い罠」~既得権者に潰される重三郎。後から来たやつはどうするんですか!?

2025年01月27日 | 大河ドラマ・時代劇
「後から来たやつはどうするんですか!?」
 これが既得権なんですよね。
 今作で言えば『地本問屋でなければ版元』になれない。
 せっかくいい企画、アイデアがあっても潰されて、既得権者が持っていく。
 重三郎(横浜流星)はこうした既得権を打破するために戦っていく。

 花魁と帯のコラボ・タイアップ。
 これも現在でおこなわれていること。
・靴やドレスやバッグや指輪をモデルや著名人に着用してもらって宣伝する。
・主人公がドラマなどで着用して宣伝する。
 宣伝してもらうためにメーカーが出資することもある。
 今作では呉服屋が花魁の錦絵に出資した。
 資金・資産がなくても、良いアイデアがあれば出資者が集まり、事業を立ち上げることができる。
 重三郎はこうして版元『耕書堂』になれるはずだったが、既得権者に美味しい所を持っていかれた。

 唐丸(渡邉斗翔)は後の写楽か?
 歌麿の可能性もあるが、写楽は出所不明・正体不明と言われているから写楽の可能性が高い。
 北斎は独立独歩の人だし、蔦重とは生活費の援助をしてもらったくらいの関係だと言われている。
 広重は少し後の人。
 その他、十返舎一九や滝沢馬琴がいずれ登場するのが今作の見所。
 ………………………………………………………………

 江戸城パート。
「田沼、許すまじ!」
 田沼意次(渡辺謙)と松平武元(石坂浩二)の対立に田安賢丸(寺田心)も参戦した。
 意次は御三卿は財政面で不必要と考えて、田安家を潰そうとしている。
 そのために御三卿を創設したとされる吉宗の文書を偽装した。
 目的のために手段を選ばない意次。
 それに荷担する平賀源内(安田顕)。
 意次、源内は『理想を実現するためには抵抗勢力の排除は仕方がない』と考える人物なのだろう。
 吉原パートに比べて人物がオトナで複雑になっている。
 そして排除された者は恨みを持つので、いずれ仕掛けた方に返って来る。
 田安賢丸は後の松平定信。
 トランプがバイデンの政策を全否定したように、意次の政策の逆をやる。 

 今作のおかけで『御三卿』について識ることができた。
 一橋家、田安家、清水家。
 幕末に一橋家、田安家が重大な役割を果たすようになるのが興味深い。
 作中では吉宗を尊敬している田安賢丸の姿が描かれたが、
 当時の人々が吉宗をどう評価していたかがわかって面白い。


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初の本格的「挫折体験」 (TEPO)
2025-01-27 15:29:34
前回が重三郎初の「成功体験」だとすれば、今回は初の本格的「挫折体験」でしょうか。
実は今回は6時のBS放送で先に視聴したのですが、家内と共に8時からの本放送を見はしませんでした。
唐丸少年の天才的な模写技術の発揮、呉服屋から出資を募るアイデアなど、明るい材料を出してきながら、最後にすべてが虚しくなってしまうわけで、「一度目」は良いとして「二度見」する気にはなれません。
しかし、「連戦連勝」では面白くなく、またこの時期に一人前の「版元」に成り上がってしまうのでは早すぎますので、まあこのくらいの挫折があるのは当然でしょう。

今回の「挫折」は同業者組合の壁ということでしたが、最終的には蔦屋も大きな版元になるわけですので、どうやって同業者組合に食い込んでゆくのでしょう。
一旦下働きをしてからのし上がるのか、あるいは誰か強力な味方でも現れるのか。
まさかここで「田沼の殿様」が出てくることはないでしょうね。
自身「損得ずく」で動く意次は、自力で存在価値を示す者しか相手にしないでしょうから。

>唐丸は後の写楽か?
なるほど。彼は後の有名人となるわけですか。
たしかに今回天才的な画才を発揮し、公式HPの人物紹介でも「謎の少年」とのこと。
今後明らかになる「正体」は楽しみです。

>意次、源内は『理想を実現するためには抵抗勢力の排除は仕方がない』と考える人物なのだろう。
「大奥」での意次は、「重商主義者」という点では本作と同じながら、100パーセント「善玉」でした。
吉宗の遺志を受け、源内と共に大奥の男衆の中に蘭学を広めて「赤面疱瘡」(「大奥」の世界が「男女逆転」となった原因である男性限定の疫病)克服のための研究を支援したとされています。
文書偽造とは、本作の意次、実行犯の源内共に結構な「ワル」。
もっとも、敵対する田安賢丸・松平武元陣営側も、大奥総取締の高岳を翡翠の香炉で買収するなど「それなり」ではありましたが。
ところで高岳を演じた冨永愛さん、「大奥」ではまさに「吉宗公」としての颯爽たる雄(?)姿で「番組の顔」となっていました。
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